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天明のシンパシー  作者: 砂石 一獄
おまけ part6
284/322

【おまけ】創作者:砂石 一獄

例にもれずおまけ回。

 自分が一体いつから創作を始めていたのか、もはや記憶にすらない。

 物心がついたころから、ペンを手に取り、ただひたすらに絵を描いていたのを覚えている。


 ただペンを走らせ、自分の想いを表現するのが好きだった。

 特にそこに評価がなくとも、何かを生み出す——それだけで十分だった。


 ある日、DSiのダウンロードストアに「うごくメモ帳」というソフトがあることを知った。どういうソフトなのかは把握していなかったが、無料というのならばダウンロードしない手はない。そう思い、何気ない気持ちでダウンロードしたことを覚えている。


 うごくメモ帳、というのは簡潔に言えば「お手軽にアニメーションを作ることが出来るソフト」である。現在でこそ3DS版もサービス終了してしまったが、かなりクリエイター界隈において大きな痕跡を残したソフトと言えるだろう。


 その時は、うごくメモ帳がリリースされてからまだ、一か月と立っていない時期だった。機能すら十分に備わっておらず、本当にただ絵を描き、動かすだけの要素しかないものだった。

 それでも「描いたものが動く」という事実に非常に心躍ったのを覚えている。こうして、当時の自分は瞬く間にうごくメモ帳の虜となった。


 当時の詳細については省略するが、本当に色々なものを作ったと思う。ver.2に移行してから制作した「うごメモシアター再現フォント」は、かなり多くの方々に利用してもらえた(これは最近になって知った事実だが)。自分が作ったものが、誰かに影響を及ぼすこと——それがとてつもなく嬉しくて、ずっと何かを作っていたのを覚えている。

 だが、いずれ楽しい時間という者は終わりを告げるものだ。

 それは「サービス終了」という形で訪れた。


 青春の大半を過ごしたソフトが終了したことに、ひどく絶望した。たった一つのソフトに、ここまで創作者の自分を預けていたのだな、と全てが終わってしまってから自覚する。

 しかし、現実はそんな自分などお構いなしに進んでいく。流されるがままに、自分の過去を清算しながら、次から次に立ちはだかる現実と戦うしかなかった。

 いつしか……「何かを作ること」から離れてしまった自分が居た。かつては、気付けば何かを作っていた頃の自分は、現実に侵食されて姿を消していたのだ。


 それから、長い月日が経った。いつしか自分も、社会の歯車の一員となっていた。

 だが、何がきっかけだったのかは自分でも理解していない。心の内に残っていた灯火が再燃しただけだったのかもしれない。


 「何かを再び作りたい」……そう思ったのだ。

 ただ、当時のユーザーネームは使う気になれなかった。代わりに何か、創作者としての自分を作る名前が必要だと思った。

 その時に思い出したのは、中学生の頃の自分が「円周率の語呂合わせ」でふざけて作った名前だ。

 3.14159……さいし ひとごく……砂石 一獄。

 どうせまともな由来ではない。ただ思い付きで作ったに過ぎないのだから。

 それでよかった。真っ当な人間性を担保している自信などない。


 しかし、長い月日は創作者の自分を完全に消し去ってしまっていた。絵を描く方法も忘れ、アニメーションを描く方法も忘れ。何も残っていない自分にとっては、全てが零から始まったような気分だった。

 そんな自分でも書けるのではないか、と始めたのが小説だった。


 けれど、現実は甘くない。


 まず、描写の方法が分からなかった。文章の構築方法が分からなかった。ストーリーを構成する要素が分からなかった。

 出来ないことばかりで、なんとなくいけるんじゃないか、と舐めていた自分自身に対し酷く猛省した。

 早々に諦めてしまおうと思った。けど、一度くらい信念を貫いた何かを残すべきだと願う自分が、それを許さない。

 結局、自分は筆を折ることさえ出来ず、惨めに創作を続けざるを得なかった。


 そんな中で生み出した小説「金色のカブトムシ」がどういう訳か、純文学部門で週間一位を取った。

 モニターに映る表示が、現実のものとは思えなかった。その時、小説歴で言えば2か月と言ったところだったのを覚えている。


 「金色のカブトムシ」を完結させた頃から、より強い想いを抱くようになった。

 ——「より大きなスケールの作品を作りたい」と。

 それが、現在進行形で執筆中の小説……「天明のシンパシー」である。


 元々「スパチャが配信者の力になる」という構想はあった。ただ、それを肉付けする何かが必要だと思っていた。

 そんな中、「大衆の想いを繋げるもの」という解釈で考えた時。真っ先に思い浮かんだのが「勇者」だった。

 これをきっかけとして、勇者セイレイを軸としたキャラクター構築が始まる。

 製作の過程でまず確定すべきだと思ったのが「スパチャを駆使したスキルの区分」である。

 まず、Youtubeのスパチャの色区分を調べると大まかに七種類に区分されることを知った。ただ、赤やマゼンタと言った類似色があることから「このままでは使えない」と判断。

 よって、スパチャを使用するスキルの色区分を「赤、青、緑、黄」の四種類に分けた。


 これは、本当にただの偶然だった。

 砂石 一獄がかつて愛用したソフト……「うごくメモ帳3DS」で使用することの出来る色と、同じ色だったのだ。

 その時から「天明のシンパシー」と同時並行でうごくメモ帳で「棒人間バトル」を描き始めた。毎日更新に加え、棒人間とはいえアニメーション制作だ。狂気も良いところである。

 ただ、なんとなくX(旧Twitter)でポストした棒人間のアニメーションが、奇跡的にも棒人間バトルを現在進行形で制作している方々に認知された。これをきっかけとして、私は創作者としての復帰を果たしたのである。


 「天明のシンパシー」は私にとってはただの大長編ではない。

 創作者としての自分を取り戻す為に、そして新たに創作者として成長する為に描く一作なのだ。

……とそれっぽく書いたはいいですが、今は合作が回ってきたのでヒィヒィ言ってます。

頑張れ物書き兼棒人間バトル製作者。

多分この作品が終わったら、小説当面書かなくなるかもです。他の創作に割く為の時間足りない。


そして、いつか曲作りもやりたいと思ってます。「ペンと剣」を自分で作曲したい。

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