[おまけ]考察ノート+α
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こちらは本作「天明のシンパシー」のおまけ回以下略]
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本作「天明のシンパシー」をご覧いただき、誠にありがとうございます。
「”面白くない”を考える」にてエッセイ部門週間一位を獲得した、砂石 一獄です。(ドヤ顔)
まさか、第六章まで行くとは思ってませんでした。正直、想像以上に長いお話となっていることに自分が一番驚いています。
ですが話も折り返し地点。主要人物である船出 道音との決戦回も終え、”完結”の二文字が近づきつつあります。
正直、そこまで一ノ瀬さんを活躍させられなかったなー……とは思っているけど。
さて、”ホログラムの実体化”という実質何でもありの設定の影響で、かなり殺伐とした雰囲気は薄れてきましたが……ここで初心に帰ってみようと思います。
何を語るかというと、”もし、現代日本で魔災……あるいはそれに近しい現象が起きたらどうなるか”という部分について考察してみます。本作で構想は練っていたけど使えなかった設定も多いので、ここで供養します。
何卒、よろしくお願いします。
★★★☆←ちなみにこれは”セイレイのスパチャブーストの解禁状況”を表しています。
実は過去作でも、同様にストーリーの展開に応じて、場面展開の表現を弄ってました。
過去作の”金色のカブトムシ”でも、よくよく確認すれば場面転換の「☆☆☆☆☆」の中にある「★」が移動しています。これは、”死の需要段階”をベースに構成した作品である為、その段階に沿って「★」を移動させていたものです。
……っと、無駄話が過ぎましたね。
本題へと戻ります。
まず前提として、
①全世界で、同様に魔災、あるいはそれに等しい状況に陥る
②人口の八割程度が死に至った世界
③被災した季節は、本作と同様に冬というシミュレーション
……という前提で語っていきます。
魔災が起きた際に、真っ先に生じると思われる問題。
皆それぞれ避難先へと逃げ込み、不安と寒さに襲われる人々という図が先に思い浮かびます。
この際には、電気が落ちた際に用いられる非常用発電設備の効果が機能している為、まだ完全に生活機能が落ちていくことはないはずです。
何なら、避難場所であれば灯油式の発電機なども存在する為に電気の問題は大丈夫でしょう。この時点では、スマホなどの通信を行うことが出来る基地局も機能していると想定され、ある程度の他者との連絡が可能……という体で話を進めます。
他者が生きていることを確認できれば、”がんばろう”と人々は困難を乗り越える希望を抱くことが出来ます。しかし、どこにも救いがないと知れば人々はどうなるのでしょう。
まずは、食事の問題が生まれます。
数日であれば非常食を使い、栄養を賄うことが出来ます。施設等であれば、そう言ったものはDMATによる災害支援を待つまでの間だけで良いと判断しているところも多いと思います。ですが、魔災のような全世界を破壊しつくした災害では、そうはいきません。
いずれ、”生命の選択”という場面が襲い掛かるのです。そして、ここ日本は少子高齢社会を体現したような国。人間という種族を維持するために、食事を賄えない人達がそこらかしこに生まれることは容易に想像できます。
製薬会社も潰れ、運輸会社も機能しなくなり、物資の安定した供給を失われた世界では、受け取ってきた恩恵による反動もかなり大きいものになると考えられます。
点滴や胃瘻で栄養を繋いでいた人を切り捨てる選択をせざるを得なくなり、その次に内服管理が行えなくなることで持病の増悪が止めることが出来なくなる人が増える。医療資源が枯渇するという事により、現代の技術で伸ばしていた命のツケを一気に払わざるを得なくなるのです。
そこで、一気に日本は人口を減らすことになります。
水分に関しては、日本はかなり水資源に恵まれている国である為にそこは問題ないでしょう。本作でも、一ノ瀬の実家という拠点を手に入れるまでは”海の家”なり、”道の駅”なり、”山奥”なり、水資源の安定した確保が出来る可能性が高いところに拠点を置くようにしていました。
逆を言えば、自然の資源が享受しづらい都会では、インフラが崩壊すればかなり厳しいのではないかと考えます。
なお、本作では完全に目を逸らしていますが、”排泄”と言った部分もかなり大きな問題を占めています。
排泄物の処理はどうするのか、という部分を集落内で決めておかなければ、瞬く間に細菌感染が広がることとなり、集落崩壊を導きます。
セイレイ君達のような、各地を転々としていた旅人では特にそうですね。
崩落した下水道などの人々の目につかないところで用を足していたのでしょうか。
……ごめんなさい。少し不潔な話が続きましたね。
これは本作でも軽く触れたことですが、”冬の寒さ”という部分も大きな問題です。
冬が訪れる前に薪を割っておき、家の外などで乾燥させておく。そうしないと、冬の一番大事な季節に使うことの出来る薪が存在しなくなる……といった問題が生まれます。
もちろん、これまでの生活を行っていた人ならそんな知識など持ち合わせている可能性は少ないでしょう。知識が無いところから徐々に崩壊していく……といった問題も考えられます。恐らく、知識を享受できないところから崩壊、もしくは他の集落を襲うといった手段を取るところも増えるでしょう。
そして、知識に長けて、新たなシステム構築の出来た集落。
そこに住まう人々が求めるのは”意思伝達の手段”……だと考えられます。
”意思伝達の手段”というのは、主にペンやノートといった筆記用具のことです。スマホはもちろん使い物にならないので、永久的に形として残すことの出来る鉛筆などが重宝されると考えられます。
有限と化した資源である鉛筆やノートは、もはや集落の存続にかかわる物資である為、大変貴重な存在となるでしょう。
コミュニケーションというのはそれほどまでに人間の生命に関係したものであり、その有無が人間の存続に影響する……と私は考えています。
あくまで、これは私の推測した話の一つです。
他の方が考えた要素であれば、また異なる視点が見えるのでしょう。
……ちょっと、薄暗い話が続きましたね。
申し訳ありません。
では、話を切り替えるついでに、著者:砂石 一獄の小説を始めるまでの経歴について語ります。
わーいどんどんぱふぱふ。
★★★☆
本作は、モチーフの一つとして”棒人間バトル”を取り入れている、と話しましたね。
当時、砂石はDSi時代にうごメモに脳を焼かれた中学生でした。”alarm”という名義で活動してまして……同郷の方ならもしかすると知っているかもですね。
それはそれは、かなりハマっていまして。
棒人間バトル……棒バト作品を何度も書いたり、いわゆる”RPG作品”と呼ばれるメモを何度も作ったりしてました。
その時、ふとした思い付きで作成した”うごメモシアター風フォント”を制作した時は、想像以上に反響がありまして色んなところで使われてました。
その事実を、最近棒バト界隈に復帰した際にフォロワーさんに教えてもらってクソビビりました。知らぬは亭主ばかりなり。
割かし、うごメモシアターの時代変遷に関与した人物の一人、と言えば言いすぎですが……それなりに人気順のお世話になっていた一人です。こうした場でも設けないと語る機会が無いので。
さて、DSiうごメモがサービス終了した後。砂石はしばらく普通の高校生として生活していました。
その後は、ゲーム名を明言することは避けますが……ゲーム界隈に身を置きます。そこでは最終的に元日本二位という名誉ある地位を得たチームに所属して、日々ゲームで仲間達と技術を磨いていました。
ですが、「ゲームが現実を侵食する」という状況に徐々に違和感を感じるようになり、不快感さえ抱くようになります。ゲーム自体は嫌いではなく、むしろ好きな方なのですが……。
徐々に現実に侵食するさまに苛立ちさえ抱くようになりました。
結局、「忙しい」を良い訳として逃げるようにゲーム界隈から撤退。その後はどこに身を置くでもなく、普通に現実生活を過ごします。
そんなある日、”何となくストーリーを書いてみたいな”といううごメモ時代の記憶が蘇り、手軽にストーリーを描くことが出来る小説媒体に着目。かくして、砂石は小説を書き始めました……とさ。
ちなみに棒バト界隈に復帰した経緯は、「息抜きに久々に棒バト描いたら界隈の方に認知されたから」です。まさか界隈の方に棒バト描きとして認知されるとは思ってませんでした。3DSやってなかったのに。
DSi時代の私の作品をダウンロードしている人もいて、更にビビり散らかしたのはまた別の話です。
……と長々と話してしまいましたが、これで終わりにしようと思います。
あ、ついでに秋狐さんのイラスト描きましたので置いておきます。
砂石 一獄
https://archive.sudomemo.net/user/15350E50AA306AE2@DSi
砂石がうごメモ時代に投稿した作品のURL(サービス終了前作品群)です。
お暇であれば是非。




