scenario 6
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ふぅ…。
いきなり海中でゴボゴボ溺れてた時は、死ぬかと思ったぜ。
これこそ神の寵愛!!
ていうか、ここどこ?
あれから、懸命に泳いで近くに見えた島の砂浜にたどり着いた。
全体的になかなか大きい島だと思う。
砂浜はかなり遠くまで続いているみたいで、目算500メートルくらいかなと思う。
実際に一歩1メートルと考えて、500歩進んでみたところそのくらいだったためだ。
背の高い樹木が生い茂り、島の中心部に一際大きな樹がそそり立っている。
漁港とかにある、灯台よりも大きいと感じるため少なくとも60メートルはあるのだろう。
「うーん、俺にいったい何が起きたんだよ…」
よく分からないカプセルに寝かされて蓋を閉められた。そのあと、瞼越しに青く優しい光を感じたところで記憶は無くなっている。
それと、泳いでいて気付いたのだが、俺の体が若返っているみたいなんだ。
いや、嘘じゃなくて本当なんだ。
自分で言ってて胡散臭く感じるのは気のせいだろう。
若返った気がするとかではない、体にしなやかで力強い筋肉が付いていたのだ。
自分で言うのもなんだが、42歳のトレーニングしてない体なんてヨボヨボだ。
ましてや、波のある海を泳いで島まで辿り着くなんてこと不可能だ。
それに、砂浜にたどり着いて、自分の体を見て確信したんだ。
俺、若返ってるよね?
俺の息子(大切な場所)が若さを取り戻してたんだ。
というのは置いといてだ。
ほんと、これからどうしよう…。
「よし、ひとまず寝る場所、食べる物、飲み水は確保しときたいな」
いつまでも自然の中で落ち込んではいられない。
体が何故か若返ったということは、その分代謝が良くなり腹が空くということだ。
しっかり計画を立て行動しないと早々に死んでしまう。
あと、服がどこかにいってないため全裸なのだ。
精神年齢42歳が島で全裸とか悶え死ぬ…。
ということで、俺の精神の平穏を取り戻すためにも、衣食住は必須だ。
「森の恵みを探しに行こうか」
1人だが、行動を声に出して言わないと心細くておかしくなりそうだ。
「いきなり海外のよく分からん施設に拉致されたら、今度は孤島へ1人遭難とか…。どんだけ不幸なんだよ!」
森に入る前に、落ちていたツルなどを集める。
何でこんなことしてるか分かる?
ふっふっふ、草履でも編もうと思ったんだ。
あれ、俺ってサバイバルの天才では…。
うん、見た目は気にしない。
少しボロボロだけれど、気にしてはいけない。
よし、準備万端。
「いざ、出発!」
樹木の生い茂る森は想像より遥かに歩きやすかった。
足元が多少ぬかるんでいるが我慢。
足元がぬかるんでいるからか、かなり蒸し蒸しして暑いが、これも我慢。
暫く歩き続けると、川が見えた。
よし、水源は近そうだな。
上流の方へ向かって歩くと、それなりに大きな泉を発見した。
かなり水面は澄んでいて、底にも泥など堆積はしていない。
しかし、かなり水深がありそうだから、落ちないように気をつけて一口飲んでみよう。
ゴクゴク
「ぷはぁぁあ、生き返る…」
今まで飲んだ水で1番美味しい!
至極の甘露と言っても過言ではないくらいだ。
雑味なんか一切なく、ほんのり甘い風味が鼻を抜けていく。
嚥下するたび、体が喜んでいるのが分かる。
一通り、水を堪能した後、目に入ったのはバナナによく似た果物。
これ、バナナだよね!
だけど、見知らぬ土地で見知らぬ果物食べるのはなぁ。
【バナナ】
黄色い皮で覆われた白い果実を食す果物。
非常に美味、食べ頃。
「え…。ナニコレ」
俺の視界に突如として、CGのような立体的に浮かび上がるプレートが出現した。
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