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scenario 5

 

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 「皆さんが驚かれるのも無理はないです。いきなり非現実的な異世界など妄言を吐かれては混乱するというものです」


 「しかし、これは事実なのです。現段階では100人に1人の割合で成功しています」



 ん?

 本当に異世界とか言っちゃってんの?



 凄くイケメンだけど、妄想癖はマイナスポイントだねぇ。


 「…それでは、実際に試してもらう方が手っ取り早いですね。順番にこの扉から向こうへ行ってもらいます」


 自称、Mr.Kの指差す、ステージ脇にある一見普通の扉へ集められた実験体が連行されている。


 まぁ、あんな怪しいこと言ってる奴に実験されるってだけで恐怖だよな。


 老若男女問わず、漏らしている人も多いみたいだ。

 何が、とは言わないが。



 「おい、お前! 次はお前の番だ。着いてこい!!」


 「お、お助けをぉ…」


 目の合った黒人さんに命乞いしてみたけど、無理そうだ。

 

 あ、痛い。

 無理やり引っ張るから皮が千切れそう。


 ステージ脇の扉を抜けると、幾つもの寝台のようなカプセルが安置されている、研究室? のような場所だった。



 寝台に寝かされた被験体、その上からカプセルの蓋を閉める。


 カプセル横へ立っている、白衣に仮面を付けた者たちが赤のボタンを押すと、カプセルが強く発光する。


 青白い靄のような光に包まれて数分すると、靄が消える。

 そのタイミングでカプセルの蓋を開けて、人が居なくなっていれば異世界転移成功みたいだ。


 

 しかし、失敗する場合もあるようで、見ていたかんじでは3パターンある。


 1、何もない場合。体に一切の異変は無く、健康体


 2、部位欠損。右腕だけ綺麗な断面を残し欠損している場合等があった。無くなった右腕は異世界へ行ったのか、分からない。


 3、部位欠損大のため死亡。大幅な部位欠損が起こり死亡するケース。首から下が無くなって死んでた人もいた。



 2、3が選択されたら我慢できる自信ないなぁ。





 色々考えていると、次が俺の番になってしまった。


 「おい、次はお前だ。服はそのままで良い、このカプセルへ寝転んだら何も考えなくて良い。成功を祈るんだな」


 「分かりました…。あとは祈るのみ、ということか」


 後半は聞こえないようにボソボソと呟くように言ったから聞こえてない筈だ。


 神頼みして上手くいったことはないけれど、ここまできたら祈ることしかできないのだ。


 人間は自分のキャパを超える事象に遭遇したとき、初めて本当の意味で真摯に祈るのだろう。



 カプセルへあがり、寝転がる。

 金属の冷たさが奇妙に心地いい。


 早まる心臓の鼓動が、少し落ち着く。


 緊張からか、喉はカラカラで絶えず唾液が口の中へ広がっている。


 神様、いるのならお願いします。

 どうか、この恵みのない、潤いのない人生の最期くらいは安泰に過ごさせてください。



 「それでは、カプセルの蓋を閉めて始動させる」


 明るかった視界が一気に暗くなる。

 瞼越しに感じていた光を急に感じなくなるのは不安だな。


 お願いします神様。


 痛いのだけは勘弁してください。
















 「ぷはぁっ!!」


 ゴボゴボ…。


 ゲホッ、ゲホッ

 オエェェ…


 何故か海? 水面から顔出して溺れてるのだが。

 気付いたら、いきなり溺れていたからかなり焦った。


 あいにくと、近くに島らしき陸を視認できた。


 ひとまず、泳いで向かってみる。







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