scenario4
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あ、おはようございます。
ゴンザレスの手違いからか、海外の人体実験場へ連れて来られた田中です。
あれから、ジープのような車に乗せられて悪路を3時間走り、辿り着いたのがココ。
四方を分厚い壁で覆い、四隅に監視目的であろうと思われる塔が一つずつ。
計四つの塔から内側へ向いて見張っているのだ。
うん、これ脱走者いたら射殺するやつだよね。
はい、人生再起とか不可能でーす。
おわ終わり
IDカードを首からかけられて、個々の独房へぶち込まれた。
独房には小さなボットんトイレ、洗面器のみ用意されている。
娯楽がないためか、独房内にいた先客であるゴキブリ先輩と仲良くなった。
といっても、現実逃避した俺が話しかけているだけなのだが。
そして夕方にワンプレートに乗せられた晩飯が運ばれてきた。
もう長く生きられないと心で理解していても、体は生きることへの執着を捨てられないみたいだ。
飢えた野犬のようにムシャムシャと貪る。
その後、夜も更け就寝の鐘が鳴ると、寝なければならない。
だが、何されるか分からない恐怖と、夜は手足が冷えるからか、ブルブル震えながら夜を明かした。
翌日
朝から鐘の音で起こされた。
寝起き最悪、睡眠不足でふらふらする。
朝食が運ばれてきた。
今日もワンプレートに、白米、肉、野菜、ドリンクの意味も兼ねているのか、カップスープ。
無言でムシャムシャ味わう。
ゴキブリ先輩が、物欲しそうにコチラを見ていたから、肉片を少し放ってやる。
嬉しそうにムシャムシャ食べてるな。
同じ釜の飯を食った仲間。
だが、ゴキブリ先輩に仲間意識はあるのか…?
気にしたら負けなので気にするのは辞めた。
暫く経つと
迷彩服着た黒人の男が小銃を手に持ち独房へ来た。
ん、なに?
今からホールへ被験体を全員集めるの?
反抗されると面倒だから手錠ね、はい。
されるがままに、手錠を嵌められ、ドナドナされていく。
途中、他の独房前を通ったが大概、俺と似たような感じでドナドナされてた。
暫く迷路のような独房街を進むと門番らしき2人の黒人(もちろん銃装備)が、守護している大きく無骨な鉄製の門へ到着した。
そこで、俺付きの黒人さんが一言、二言話すと門を開けてもらえた。
案外すんなりいくんだね。
やるじゃないか、我が付き人よ。
門を抜けると高校の体育館くらいの広さの場所へ出た。
見渡した感じでは、俺が一番乗りっぽいな。
こういう時に限って一番乗りが嬉しくねぇ…。
入口からちょうど反対方向に一段高くなっているステージがあり、そこの上に豪奢な椅子が3つある。
そのうち1つに腰掛けているのは、飛行機から世話になったスーツの男。
黒髪の似合う美男子なのだが、目が怖い。
ゾッとするほど暗い眼をしているのだ。
今までどんな修羅場を潜ったのだろうと想像してしまう。
その横に座るのは白衣を着た西洋人ぽい高齢な男で、眼鏡をかけている。
しわくちゃで面長の顔の上へ丸眼鏡が乗っかっている。
口元は絶えず笑みを浮かべていて、少し。
いや、かなり怖い。
最後の椅子に座るのは妙齢の美女だ。
とてもシャープな顔立ちをしていて、凛とした瞳に、すっと通った鼻梁。
男を惑わす豊かな唇、胸。
白衣を纏った上からでも分かるくらいの巨乳だ。
3人の方をじっと見ている間に、被験体はかなり集まったみたいだ。
周りにうじゃうじゃと人がいるのは人酔いしそうだ。
人混みを抜けてステージへ近づく。
ステージ付近へ来ると人混みは無くなった。
そのタイミングで、スーツの男がマイクを取り出し話し始めた。
「あ、あー、マイクテスト。 よし、大丈夫そうだね」
「皆さん初めまして。僕のことはMr.Kと呼んでください。ですが、僕のことをそう呼ぶ機会もあまりないかもしれない」
ここでマイクから顔を離し、少し憂いた顔で虚空を見つめる。
くぅ〜、絵になる男だな。
「何故かと言うと、今から皆さんには異世界へ旅立ってもらうからです」
「「…は??」」
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