第5話 部活か……なにをやろうかな
次の日の朝。
自宅で。
「お兄ちゃん。ねぇ、お兄ちゃん、起きて!」
「……ん、あと10分……いや5分でいいから……」
「もうダメだよ。遅れちゃうよ!?」
「まだ無理。あと少しだけ……」
「もう、起きないなら、こうするしかない!」
「……いた、痛い……なにこれ痛すぎる!?」
体が痛くて飛び起きた。
一瞬にして意識が覚醒する。
そして、目の前にはいつも通りの妹の姿が。
「ふふん、どうだいお兄ちゃん。今日は膝蹴りだよ!」
「膝蹴りだよ! じゃねーよ。なにかわい子ぶってんだよ、この野郎。毎日毎日起こしてくれるのはありがたいけど、痛いわ! 痛すぎるわ!!」
「なによその言い方。もしかして……お兄ちゃんってこんなかよわい女の子の膝蹴りも痛がるのね……そりゃモテないわけだ」
「お前のどこがかよわい女の子なんだ? 空手の大会全国ベスト2のくせに」
「はいはいそういう言い訳はいいから。いらないから。逆に気持ち悪いから」
「なんで俺が責められてるの!?」
妹と口喧嘩をする。
こいつの名前は橋本澪。現在14歳の中学生で俺とは2歳差だ。
さっきも言った通り去年の空手の全国大会でベスト2をたたき出した逸材だ。
だからやられた膝蹴りは相当に痛い。
……本当に。
「で、早く起きてよ。学校に遅刻するよ。遅刻とかマジありえないからね」
「ああ、わかってる。遅刻はもうこりごりだからな」
「わかってるなら、いいわ。お母さんが朝ご飯を作ってるから食べていきなよ」
そう言い残し、俺の部屋を出て行った。
俺は一息つき、ベットから出る。
「ううぅ……昨日は凄い一日だったな……」
あくびをしながら昨日の出来事を思い出す。
「俺が人を助けたんだよな……」
手をみる。
でも実感はわかなかった。
「……まあいいか。とりあえず学校に行こう」
階段を降り、下にいく。
朝食が用意されていた。
近くで澪が先に食べていた。
「ほらお兄ちゃん。こっちこっち」
「ああわかってる」
ご飯を食べ始める。
白米はやっぱり美味しいな。
すると、食べながら澪に話しかけられた。
「それでさ、お兄ちゃん高校どうだった? いい感じ?」
「どうって?」
「楽しめそうかってことよ。見た目とか学校の雰囲気とか色々あるでしょ」
あきれながら言う。
「まあまあってところかな」
「ふーんその反応じゃダメっぽいわね。中学の時と変わらなさそう」
「うっせ!」
「私的には別にいいけどさ。高校になったんだからせめて友達作って部活とかは入りなよ。きっと大人になった時に後悔するだろうしさ」
「わかってるよ。わかってるさ」
中学の時、俺は部活に入らなかった。
足は結構速い部類だったが、それでも入らなかった。
簡単に言えば、面倒だと思ったからだ。逆に入ってメリットなんてないと思ったからだ。
だけど、いま少しだけ後悔している。
大人しく入っておけばもうちょっと楽しい生活になったのではないかと。
勉強もろくにしなかったし。
「……ホント陰キャのお兄ちゃんを持つと私の株が下がるから止めてよね」
「お前、ちょっとはお兄ちゃんを敬うって気持ちはないのかな!?」
「ないわよ、そんなの。昔っから」
「酷くない!?」
「ごちそうさま。ってことでバイバイ!」
皿を片して、どこかに行ってしまう。
「はぁ……アイツが考えていることがよくわからん」
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学校に着く。
玄関に行き、靴を脱いで、登校した。
クラスには名前順の席が貼ってあり、野村の予想通り俺は一個後ろの席だった。
ちなみに犬倉さんとは結構離れてしまっていた。
もう犬倉さんは学校に来ていて、昨日よりも話が盛り上がっているみたいだ。
「よ! ってかお前遅くね……また遅刻するぞ」
野村が挨拶してくる。
「お前が早いんだ。まだホームルームまで5分はあるんだぞ。そんなに早く来る必要はないだろ」
俺の席に着く。
「俺はほら彼女と一緒に話したい事があるから……」
「あ……」
野村の隣には彼女の篠原さんがいた。
「こんにちは! どうもひろちゃんの彼女です。よろしくね」
「こ、こんにちは……」
いきなり馴れ馴れしい。
これが俗にいう陽キャというやつのことか!
「あはははは、なーにお前美優に緊張してやがんだ。大丈夫だよ。別に怖くないし」
「違うわ! 別に緊張してねーわ!」
「そんなに興奮すんなよ」
「興奮させてんのはお前だろ!?」
全く最悪な野郎だ。
高校で出来た初めての友達がこんな奴でいいのか!? 大丈夫なのか!?
本気で心配になってくる。
ていうかひろちゃんって呼んでるとかどんだけ仲がいいんだよ!!
「ねえねえ、ひろちゃん。この子って遅刻の子だよね?」
「そうだよ。昨日仲良くなってな。どうだ、面白いだろ?」
「確かに、遅刻の子ってあだ名だけでおもろいしね」
「だな」
「ちょっと待て。なにお前ら二人だけで納得してんだよ。しかもなにその変なあだ名。流行ってんの!?」
野村といいその彼女といい、酷い奴だな!
そうこうしているうちにチャイムが鳴る。
「じゃあね、ひろちゃん」
「ああまたな」
「ホント仲いいのがムカつく」
篠原さんは自分の席に戻り、ホームルームが始まった。
一枚のパンフレットが配られる。
「はい。今日は初めての授業の後、部活の見学が始まります。このパンフレットにいろんな部活の情報が書いてあるので是非、見てみてくださいね」
パンフレットをみる。
結構色んな部活があるみたいだった。
剣道に卓球。それにテニス。あとは陸上とかがあった。
まだまだ他にもいっぱいある。どれも面白そうだ。
「お前、どの部活入る?」
野村に聞かれる。
「そうだな……サッカーとか野球は無理として……陸上とかかな」
「陸上か。お前でも出来そうだし、良さそうだな」
「……おい、俺でもって酷くないか。それに俺って結構足速いんだぞ。中学の頃短距離そう学年5位だぞ!?」
「へぇ、学年5位とか普通に凄いな。中学の頃も陸上やってたのか?」
「……いややってないけどさ」
答えずらいことを聞かれる。
「ほうほう、なんか理由でもあるのか?」
「……特にないけど。強いていうなら、面倒だったから」
正直に答える。
「ふーん、まあやりたいなら頑張れよ。俺は応援してるぜ」
「本当かよ……」
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授業は終わり、そして放課後になる。
「ああ、初めての授業疲れた……高校になったらこんなことやるんだな」
「そうらしいな。俺もホント疲れた……」
体が痛い。
問題も難しそうだし、流石進学校といったところか。
「この後は部活の見学だっけか。俺は美優と一緒にいろんな所まわってくるわ。また明日な」
「おう」
クラスから篠原さんと一緒に出ていく。
ラブラブカップルだね~とかみんなに言われているようだった。
さてと、俺も陸上部の見学に行くとするか。
「えっとこの場所で合ってるよな……」
3年A組の教室の前に行く。
パンフレットを見る限り、ここで合ってるはずだ。
目の前には陸上部こちらです! って看板があるし間違いないだろう。
ただ近くに誰もいなくて入りずらい……
高学年ならなおさらだ。
ていうか結局誰とも一緒になってねーじゃなねーか。
これなら中学の頃と変わってなくね!?
なにも変わってなくね!?
そんなことを思っているとそこに。
「あれ、誠君も陸上部の見学ですか?」
「え?」
その声は……
「私もなんですよ。まさか部活も一緒なんて……まるで運命みたいですね!」
犬倉さんだった。
マジかよ……
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