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なろうラジオ大賞3

呪いのカセットテープ ~退屈な日常をぶち壊せ!~

 かつて一世を風靡した映画がある。

 ビデオテープに呪いの映像が録画されており、視聴すると数日以内に死ぬという内容。呪われたビデオテープが人から人へ手渡されていく様は、言い知れぬ恐怖を与えたものだ。


 これは……映画のマネをしてカセットテープに呪いを込めようとした少年の話。






「お前を呪ってやる、お前を呪ってやる」


 少年はカセットデッキに話しかける。

 自分の声を録音しているのだ。


 テープをクラスメートに送り付け、その反応を見て楽しむのが目的。

 もちろん、ボイスチェンジャーを使って特定されないようにしている。


 全員分を郵便ポストに投函したその数日後……。


「うちにこんなテープが届いたんだけどぉ!」

「俺に家にも!」


 日に日に騒がしくなっていくクラスメートたち。


 少年は一人ほくそ笑む。


 クラスは呪いのカセットテープで話題が持ち切り。

 騒ぎを起こしたのは俺だけど、誰も気づいていない。


 彼は満を持して話題に入っていく。


「あれ本当に気持ち悪いよな!

 特に『一週間以内に誰かに聞かせないと、お前は死ぬ』

 って言ってたところが!」


 そう言うと、クラスメートはいっせいに彼へ視線を向ける。


「え? 俺、何か変な事、言ったかな?」


 きょとんとする少年。


 記録媒体はCD、MDが普通な時代。

 今更になってカセットテープを使う人は少ない。

 誰も内容を確認していなかったのだ。


「そんなことよりさぁ、昨日チェーンメールが……」


 話題はすぐに流行の話題へ。

 カセットテープは時代遅れの産物だった。




「はぁ……」


 肩を落として下校する少年。

 そんな彼に背後から……。


「なに落ち込んでんだ! この馬鹿!」

「いてっ!」


 勢いよくカバンで後頭部を強打される。


「何すんだよぉ……」

「落ち込んでるみたいだから喝を入れてやったぞ。

 これ作ったのアンタでしょ」


 後ろを振り向くとカセットテープを手にした少女。

 少年の幼馴染だった。


「え? なんで?」

「こんなことするのアンタくらいだしね。

 それに、声変えてもしゃべり方で分かるってーの。

 ほら、元気出して!

 明日は一緒に例の心霊スポット行こうよ!」

「うっ……うん」


 少年が呪いのテープを作ったのは彼女の為だった。


 彼女は非日常に憧れる夢見る女の子。

 呪いのテープを作って話題になれば喜んでくれると思った。


「約束だからね! 忘れないでよ!」

「分かったよ」


 夕焼けに照らされる彼女の笑顔がとても眩しい。


 退屈な日常を打破して、非日常を求める青春。

 二人は全力で不思議を追い求めた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] これは素敵っ(≧∇≦) [一言] こんな恋がしてみたかったーー! 面白かったです(*´ω`*)
[一言] でも、あんまり不思議なもの追いかけると、そのうちごはんとかみそ汁の中に変なものが見えてきちゃうよ/w ホラーものかと思ったら、現実恋愛ものでしたと。 確かに、今だとカセットは聞きにくいもか…
[一言] チェーンメールはいいんですがスパムとか広告のメールが一日100件来るんですよ。半分は迷惑メールに自動で行くんようにしているんですけどね・・・ ほんと助けて欲しい>< それはともかくホラー…
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