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滅びの神は世界を謳歌する  作者: 流川 綾
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進化のガントレット


滅者の心臓(ルインズ・ハート)

ー"輪廻転生"→転生、能力継承・調整・強化、死後の不滅化。

 "再臨"→前世の肉体に蘇る。

 "降臨"→前世の心臓を座標に転移。

 "回帰"→"再臨""降臨"から元の肉体または元の場所に帰還する。

 "滅者の系譜"→眷属化、念話、能力強化、進化促進。 

 ⇒眷属・眷属長・筆頭眷属長。  ー


 新たな命に転生する"輪廻転生"と俺をここに呼び寄せた"降臨"、眷属にする"滅者の系譜"は知っている。"再臨"ってのは使いどころに困るな。でも、一番の注目点は"回帰"。これで元の世界に帰れそうだ。

 にしても、俺って完全な意味では死なないんじゃないか?


【はい。これからは記憶も完全に継承することも出来そうなので魂を完全に破壊されない限り、死なないと言えます】


「はは、すげぇ~な。しかし、これからどうしようか。暫くはこっちにいてもいいとして…あ、この世界とあっちの世界の時間が実は違ったりするのか?」


【いえ、ほぼ同じです。マスターの権能以外では、世界間での移動は"世界の壁"に阻まれ何かしらの影響を受けてしまう可能性があるのでお気をつけ下さい】


「影響?どんな影響があるんだ?」


【肉体が粉々になったり、魂の形を歪んで廃人になったり、数百年先の未来に飛ばされたりと、どんな影響が出るかは様々で確実なことは言えません。ですが、無事では済まないことは確かです】


 怖いな。俺の権能がなかったら最悪元の世界には戻れなかったかもしれない。


「分かった、気を付ける。一週間はこの世界で過ごすことにするよ」


【でしたら、レベル上げを推奨します】


「レベル上げ?」


【はい。マスターは小さな器に大きな力が入っている状態です。ですので、魔物を倒し器の補強をしなければ決壊してしまうかもしれません】


「それって、今は大丈夫なのか?」


【はい。ですが、もし今の状態でもう一つ権能を取得したら肉体が持ちません】


「なら、急いだ方がいいよな」


【権能は、並大抵のことでは手に入れることは出来ません。ですが、もしものことがあるので出来るだけ早い方が良いかと思います】


 レベル上げは最重要目的だな。その前に武器がほしい。今の俺ではどこまで戦えるか分からない。レベル1だし。

 俺は先程のガントレットを手にして〈世界眼〉を使用した。


ーーーーーーーーーー

名前:ソロモンの隻腕

クラス:伝説(レジェンド)

分類:ガントレット

能力:所有者固定、"死体吸収"、自己進化、進化促進、能力拡張、能力共有

称号:古代人の遺産、迷宮産

備考:ソロモン王により作られた籠手。それはまだ進化の途中であり無限の可能性を持つ。

ーーーーーーーーーー


 ソロモンってあっちの世界の人だろ?こっちにも似たような名前の奴が居るんだな。

 俺は左腕にそのガントレットを嵌めてみた。少し大きめのサイズだったが、サイズが自動的に調整されて俺の腕にフィットした。


【それは所有者固定の力です。使用者にあったサイズに変化します。中には使用者を選ぶモノもあるのでお気をつけ下さい】


 使用者を選ぶ?何か特別なスキルや称号を必要とするのかな?あ、このクラスってのは?


【クラスは順に通常(コモン)希少(レア)特殊(エクストラ)固有(ユニーク)伝説(レジェンド)幻想(イマジナリー)神話(ミソロジー)創世(ジェネシス)となります。】


 伝説級ってことは、これもかなり凄いものだよな。このガントレットの能力とかはどうやって使うんだ?ボタンとかそういう仕組みは無いみたいだが。


【魔力を直接流していただき、能力をイメージしてください。そうすれば、指定した能力を使用出来ます】


 俺は自分の身体から漏れる魔力を意識的に動かしそのガントレットに魔力が流れるよう試みた。初めはゆっくりだったが段々とコツをつかんでいき、直ぐに魔力を感覚的に感じ魔力の操作が出来るようになった。


~~ピコーン~~

(スキル〈魔力感知〉を習得しました)

(スキル〈魔力操作〉を習得しました)


 お、頭のなかに管理者とは別の透き通った声が響き渡った。その声と同時に魔力の操作がより精度を増した。

 これがスキルの恩恵か。スキルを沢山習得すればあっちの世界では超人になれるな。


「ん?全然能力が発動しないな。死体を指定しないと発動しないのか?」


 "死体吸収"のイメージが悪かったか分からないが、中々能力が発動しなかった。試しにと、近くにある前世の肉体へ左手をかざし能力を発動しようと意識した。


「なっ!?」


 どんどん魔力を吸われガントレットの形が変化し始めた。さらに俺の左手を中心に魔力が渦巻き、その魔力が前世の肉体を覆った。するとその巨体が左手に向かって飛んできた。


 魔力の吸収速度が早すぎて疲労感で動けないのに、このままあの大きさの物が迫ってきたら潰されてしまう。

 右手で左腕を抑え、能力を解除しようとするが一向に解除される気配は無かった。すでにすぐそこまで迫っており思わず手を前に突き出すと、あの巨大な肉体がガントレットのある左腕に吸い込まれていった。


「ビックリした…」


 左腕を見るとそこにはガントレットは無く"赤い刺青"のようなものが広がっていた。

 何とかなったことに安堵していると、頭の中に声が響いた。


~~ピコーン~~

(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)…


 くっそ!めちゃくちゃうるさい!頭が割れそうだ。


…(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)


 やっと終わったのか?


(最上位存在"滅神竜"の肉体を確認)(不滅化している心臓を除き全てを吸収しました)(『管理者』が能力拡張と能力共有を管理下に置きスキルに干渉しました)(〈世界格納(ワールドストレージ)〉を強制発動)(心臓を異空間へ収納しました)(調整を開始…適合に失敗)(error…error…)(『管理者』の干渉を確認)(魂と肉体の情報を調整…最適化)("滅神竜"との適合に成功)(『管理者』により"滅神竜"の記憶の解析を開始…完了)(記憶のインストールを開始…完了)(進化の予兆を確認)(肉体の再構築を行います)(肉体を…_


「ぐっ!?ぐあああああああ!!」


 レベルアップの声が聞こえた後、今度は全身に耐え難い苦痛が広がった。その痛みは全身を切り刻み、神経に直接針を刺されたような痛みだった。


「何だ、ごれは!?ぐっ、があああああ!!」


 その痛みを感じたと同時に、身体に異変を感じた。四肢が竜のように変化し、捻れた角や八枚の翼、刺々しい尻尾が生えはじめた。ついには、人型の竜のような姿になった。

 身体が変化する度に痛みは徐々に強くなっていった。俺は身をよじり、頭を地に打ち付け、絶叫する。それでも耐えられず、俺は意識を失ってしまった。


…(肉体の再構築及び修復が完了)(種族が"人族"から"滅人竜(ルインズ)"に進化しました)(固有スキル〈竜化〉〈竜の咆哮〉を習得しました)(称号"理を越える者"を獲得しました)






 目を覚ますと、あの痛みが嘘だったかのように痛みが消えていた。見た目も特に異常が無く、普通の人の姿に戻っていた。


「はあー、今日一日で二回も気を失ったぞ。あれからどのくらい経ったんだ?」


 着けていた筈のガントレットが消え、赤い紋章の様なものが現れた左腕を見ながら呟いた。


【凡そ15分程です。無事、マスターは進化をなさいました。当面の目標であったレベル上げも意図せず叶いました。しかし、肉体が進化した影響で身体に変化が起きていると思いますので、お気をつけ下さい】


「ありがとう」

 

 管理者に言われて気がついた。痛みを感じた時の竜のような姿ではなかったが、心なしか身体が軽くなった気がする。髪の毛も伸びたかな?

 拳を握ると、今までに無いくらい力が沸々と沸き上がってくる。そして、髪の毛の一本一本から指の先まで神経が張り巡らされたかのように感覚が鋭くなり、視力や聴力だけでなく様々な感覚が向上したことを感じる。


 他にも、先日事故で負った傷や子供の頃の古傷さえも無くなっていたことに気づいた。


「進化はよく起きることなのか?」


【種族によります。魔物などはよく進化をする個体がいますが、人族は本来進化はしません。進化する場合にはかなり複雑な条件を踏むことになります】


 ってことは、あのガントレットはかなり凄いものなのか。


【あのような不出来な物では、本来なら進化をする前に肉体が壊れていたはずです。私のサポート無しにあの創世神の肉体を取り込むのは、いかにマスターと言えど今のお身体では負担が大きすぎます】


 わ、分かってるって。ガントレットなんかより管理者の方が凄いもんね。


【当然です。浴槽の水を_いえ、海の水をコップに入れようとするのと同じくらいの愚行です】


 海って…そんな危険なことをしていたのか、俺は。

 管理者が拗ねているので俺は話を逸らす為に自分のステータスを開いた。


ーーーーーーーーーー

名前:黒羽=澪央(クロバネ=レオ)【ウルス=ドラゴン】

年齢:15

種族:人族→滅人竜(ルインズ)New! 【滅神竜】

レベル:999→1

[権能]:『消滅(ルイン)』『無限(インフィニティ)』『管理者(アドミネーター)』『滅者の心臓(ルインズ・ハート)

[オリジンスキル]:〈滅神ノ瞳(ルインズ・アイ)〉〈世界格納(ワールドストレージ)〉〈連鎖支配(チェインルーラー)

[ユニークスキル]:〈天賦の才〉〈竜化〉New!〈竜の咆哮〉New!

[エクストラスキル]:〈次元跳躍〉〈苦痛耐性〉New!

[ノーマルスキル]:〈魔力感知〉New!〈魔力操作〉New!

[魔法]:

称号:創世神、滅神、世界最強、全てを消し滅ぼす者、全種族の天敵、転生を繰り返す者、転生者、世渡り、理を越える者New!、耐え抜く者New!

ーーーーーーーーーー


 おー、前世の肉体を取り込んだだけで、一時的とはいえレベルが999になったのか。まあ、神様を取り込んだんだから当たり前なのかもな。

 進化するとLV1に戻るようだが、筋力などの基礎ステータスは大幅に上がっている。苦痛耐性、耐え抜く者…今後は痛みがマシになるといいな。


「んー、記憶がごちゃ混ぜになってる」


 進化の影響で記憶の断片が頭をよぎるが、俺はまだ前世の記憶を完全には思い出せていなかった。


「そうだ!この中に鏡とかあるのかな?」


 自分の変化を確認するために財宝の山に目を向ける。この量の中から探し出すのは流石に骨が折れる。


【左腕の新たな力を使用してみてはいかがでしょうか?】


ーーーーーーーーーー

名前:滅神の紋章

クラス:神話(ミソロジー)

分類:魔紋

能力:所有者固定、『万物吸収』、『強制吸引』、『武装化』、能力拡張、自己修復、衝撃転換、超硬化、威力増大、腕力強化

称号:古代人の遺産、迷宮産、神喰らい

備考:滅神竜を取り込むことで規格外まで進化し、万物を吸収するまでに至った。

ーーーーーーーーーー


 左腕を見てみると確かに内容が変わっていた。こっちも進化したのかな。

 『万物吸収』は触れたモノを取り込み己の糧とする。

 『強制吸引』は魔力に触れたモノを強制的に引き寄せる。

 『武装化』は左腕をガントレットに変え全能力を強化する。


 能力もかなり変わったみたいだ。『強制吸引』はかなり便利そうだ。人に使う場合は、魔力などで抵抗されることもあるらしい。『万物吸収』は取り込めないものもあるようなので、使いどころが難しい。

 この左腕は元に戻るのか?あ、消えた。消えろとイメージすれば消えるみたいだな。

 『万物吸収』を使わずに『強制吸引』と…。


「確か、モノを収納するスキルがあったよな?」


【はい。マスターの原初(オリジン)スキル〈世界格納(ワールドストレージ)〉です】


 へー、そうなんだ。名前からして、世界でも収納出来そうだな、ハハハ。


【〈世界格納(ワールドストレージ)〉は触れたモノを異空間に収納するスキルです。世界や生物の収納には条件がありますが、可能です。私が調整することも出来ますが、基本性能として中は時が止まり収納量も上限がありません】


 マジか…冗談のつもりだったんだが、本当に便利すぎるな。


「ここの財宝は全て収納しても良いんだよな?」


【はい。ここにある全てのものはマスターの所有物です。収納をされるのなら『武装化』を使うことを推奨します】


「分かった。それじゃあ、早速やるか!」


 俺はさっきやったように魔力を込め、更にこの部屋にある全ての財宝を包むように魔力を飛ばして能力を発動させた。

 すると、大量の金貨やインゴット、宝箱、魔力を宿す武具などの財宝が浮かび上がり、まるで"黄金の川"のように俺の左腕に目掛けて流れ込んでくる。


「うぉっ!?これはスゴいけど、足場がヤバイ!」


 どれだけ財宝があったのか分からないが、足場が"黄金の川"に呑まれ持ち上げられた。



~~取得スキル・称号~~

スキル:〈魔力感知〉〈魔力操作〉〈竜化〉〈竜の咆哮〉〈苦痛耐性〉

称号:理を越える者、耐え抜く者


通常(コモン)希少(レア)特殊(エクストラ)固有(ユニーク)伝説(レジェンド)幻想(イマジナリー)神話(ミソロジー)創世(ジェネシス)


ーーーーーーーーーー

名前:滅神の紋章

クラス:神話(ミソロジー)

分類:魔紋

能力:所有者固定、『万物吸収』、『強制吸引』、『武装化』、能力拡張、自己修復、衝撃転換、超硬化、威力増大、腕力強化

称号:古代人の遺産、迷宮産、神喰らい

備考:滅神竜を取り込むことで規格外まで進化し、万物を吸収するまでに至った。

ーーーーーーーーーー

 『万物吸収』は触れたものを取り込み己の糧とする。

 『強制吸引』は魔力に触れたモノを強制的に引き寄せる。

 『武装化』は左腕をガントレットに変え全能力を強化する。


世界格納(ワールドストレージ)

ー 限界のない異空間にモノを収納する。その中は時間が止まり、世界さえも収納できる。ー


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