私は秘密結社の怪人だからこそ誰か1人でも救えれば
「Y結社の戦闘員の戦闘服じゃない!?」
驚くミックルに
「そうか!このホームレスさんに恩を売る代わりに
Y結社の手先にしようと企んでるんだな!?」
ちょいキレ気味のコウヤ
「他に着せるものが無かったのです…
仕方ありません」
と、私イザベルは澄ましてそういうしかない…
「やっぱりそう言う事か…?」
静かに怪訝に、でも力強く呟くイッキ
「う~ん…この格好はホームレス内でも浮くかもな~
まぁ久しぶりの綺麗な服は嬉しいけどな~…」
とうれしそうにする反面、微妙に複雑そうにする
ホームレス
「それでは…クロウド、時雨博士に連絡を…」
と私は言ってみるものの…
どうやって連絡するんだろう?
クロウドに怒られたり馬鹿にされるのを覚悟で聞いてみる…
「はいはーい!じゃクリスタルボード、略してクリボで
時雨博士に連絡~っと!だからイザベル、貸してくれよ!」
「私が…?」
クロウドは私に当たり前の如くねだる
それ持ってるの?もしかして作中で何度か出てる
水晶が板上になってる、元の次元世界で言うスマートフォン
略してスマホみたいなやつだよね?
ああ…ポケットに何も入ってない…
やっぱり忘れてる…
持ってきてないや…今は
「すみません、忘れました…」
って正直に謝るしかないか…私は
「んだよ、しょーがねぇーなーらしくねぇーなー!
今日はちょっとおかしいぜ?」
ちょっと嫌味臭そうに馬鹿にした感じに
けどほんのちょっと心配そうなクロウド
「猿も木から落ちる、です…」
私はクールに澄ましてみせる
「はいはい!じゃ一緒についてくしかないな!」
それへ適当に返事を返すクロウド
「どこに連れてく気なの?」
「私達の住む屋敷です」
ミックルにそう答える私
「それってY結社の支部のアジトじゃないか!?」
驚くショータに
「ふ~ん…」
怪訝に澄ますナルシ
「ミックルも行くのか…?」
静かに力強くイッキ
それに対しミックルはミックル
「ええ、ホームレスさんをほっとけないもん!」
と無邪気にでも心配そうに返す
「優しいなミックルは!じゃあ俺達もアジトに行くぞ!」
まるで自分が先頭みたいに粋がるコウヤ
「自分から罠に入りに行くんか…?」
「そうだよ~…」
心配そうにイッキとショータ
「まぁそれはそれで面白そうだけど…」
無表情にすますけどどこかそわそわしてる感じのナルシ
「ええいお前ら!ミックルが心配じゃないのか!?
あ、後ホームレスさんも!」
小さく叫ぶコウヤ
「いやその必要は無いよ」
「ん?誰だ!?」
と、コウヤ
でも、その声は……もしかして!?
私はさっと声の方向に振り向くと…!
「ははは、ちょっと気まぐれに覗きに来てしまったよ」
「時雨博士!?」
私イザベルはちょっと驚く
「ミックルを連れて行くつもりか!?」
「そう簡単にさせるか…!」
さっと戦闘モードっぽくなるコウヤとイッキ
「まぁ今そうしても良いけど…今は」
そんな二人を尻目に
時雨博士はホームレスをチラチラ見て
「今はこのホームレスさんをどうにかしなければね」
「一体どうするつもりなんだ…!?」
時雨博士の言葉にショータは
ちょっと怖そうで心配そうながらも力強く返す
「まずは宮塚屋敷こと土器町支部に連れてってと…」
でもそんな事はスルーな時雨博士
「Y結社の怪人にでもするつもりなんかよ…?」
「それは一介の博士が決める事じゃない、Y結社の上層部が決める事だ」
コウヤの問いにポーカーフェイスにすます時雨博士
「ここはホームレスさんに意見を聞きませんか?」
ちょっと真面目にナルシ
「う~ん…このまま野放しにされても俺またホームレスに
逆戻りだしなぁ…」
ホームレスもちょっと困り気味だ
「Y結社に来れば衣食住の補償はしますよ」
「んじゃ!一か八か!あんたらを信じますよっと!」
時雨博士のその言葉にノリノリの嬉しそうなホームレス
「では私たちはこれで…」
「ちょっと待って!」
何かを訴える感じで私達を呼び止めるミックル
「なんですの?」
私イザベルはクールにすましてみるも
「それでいいの?ホームレスさん!」
と、ちょっと必死に訴えかけるミックル
「さっきも言った通り…」
ホームレスの言葉の後に時雨博士は
「どんな方法であれ誰かを助けれるのは良いことだと思うよ?」
「……」
と、複雑で沈痛な面持ちのコウヤを尻目に
ニヤッと笑う時雨博士…
スゥーーーーーーーーー…
「あ、エステサロンが…」
「消えた…」
と、ちょっと驚く私イザベルとクロウド
「私がこっそり消す手立てをした
今日はもういいや、早く連れて行こう」
そう言い時雨博士と共に公園から去って
宮塚屋敷こと土器支部に戻っていった…
そう、ホームレスさんを連れて…