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秘密結社仕掛けの悪役令嬢は試行錯誤で暗中模索!  作者: イナホヅミケヒ
目覚めた私は秘密結社のお嬢様怪人!?
2/9

私は秘密結社のお嬢様怪人!?

……よく見れば

ちょっと顔つきや髪形が違うかもしれないけど…

なんて言うか、その微妙に今時風にマイナーチェンジされた感じ?

そりゃアニメと実写はどうしても違ってくるけど…


でも、やっぱりそうだ!

イザベルだ!


私が小さい子供の頃、TVの再放送でよくやってた

私が生まれる結構前の魔女っ娘もののアニメ

『魔女っ娘だミックル』

の……


宮塚みやづか・イザベル・バヨネット!」


「そうだよ、お前さんは宮塚・イザベル・バヨネット

……寝ぼけてるんかい?イザベル」


イザベルって言ったら……


ああ!何?これも夢!?まさかこの私が


悪役令嬢


ってのに転生、つまり…


生まれ変わってる~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!?


しかもあのミックルのイザベル!?


まず主人公のミックルことミハル・トゥインクルは

悪の秘密結社『Y』から逃げ出した超能力を使える怪人

なんだけど、ミックルはY結社の怪人として作られてるのに

善心、良心、良い心がありY結社が悪事を働いてることにショックを受けて

悪い事はできない、したくないと逃げ出して

その逃げた先の町で偶然出会った子供のいない五月雨さみだれ夫妻に

ちょっと催眠術をかけて、その夫妻の娘の五月雨 美晴ミハルとして

普通の人間として生活を始めたものの

Y結社にばれて、裏切者を始末するべく追っ手に追われるも

得意の超能力、Y結社で言う怪人魔法で撃退したり

また世界征服を目論むY結社の野望を阻止するべく

町中で悪さをする怪人どもを退治したりする

ちびっこ向けの勧善懲悪もののお話なんだよね…


そして、宮塚・イザベル・バヨネットも

ミハルと同じY結社の娘型怪人なんだけどミックルと違う点は

高飛車でクールで、そしてY結社への忠誠心が熱く決して裏切らない…

つまりY結社が、つくり出したお嬢様……

でも最終回の前の話ではY結社にミックルにいつも負ける役立たずとされて

殺されてしまう…その殺され方も

ストーリー後半、少女漫画や乙女ゲームで言うメインヒーローのコウヤと

恋仲になり晴れて結ばれてパワーアップしたミックルに倒され、

それでもイザベルは生きてるんだけど満身創痍のボロボロの虫の息で

肝心な時にいつも失敗ばかりしてる役立たずとして

Y結社の多分偉い人にレーザー銃で射殺される、それもミックルたちの前で…

と、いう悲惨な結末…だったような?


正直に言ってうろ覚えだから全部覚えてない!

けどイザベルが凄惨な最後なのは何となく子供心に覚えてる!


そしてこの空飛ぶ黒猫は…


「クロウド!?」


そうだ、こいつもY結社が作り出した猫型怪人だ!

見た目はほとんど猫だけど、下手な人間よりずる賢くって

生意気なんだけど、失敗も地味に多くって

それでちょいちょいイザベルに叱られたりツッコミ入れられてる

ちょっと抜けてて憎めない奴なんだよな~

飼い主ポジのイザベル思いなところや心配性なところもちょっとあるし!


「そうだよ!俺だよクロウドだよ!やっと目が覚めてきたか~?」


「え、ええ、着替えるから…」


「わかってらぁ、はいはい廊下で待ってるぜ」


と、部屋の外へ出るクロウド

バタン!とクロウドがドアを閉めるのを聞き

私はクローゼットを開けると…


「うわぁ……」


いっぱい、何着も、豪華でおしゃれな服がある!

…どれも見覚えあるある!無いのもあるけど。

コスプレじゃないよね?

本当に、あのイザベルの服だぁ!


そう言えば今日、何曜日だっけ?

カレンダーがあるけどこっちが何年何月何日かわかんないし

でも外にいるクロウドにいちいち聞くのも面倒だから

学校の制服着ちゃえ!


とにかく着替え終わった私は部屋の外に出て…

「準備終わったよ…」


「おっ?やっぱりまだ寝ぼけてるんか?イザベル

今日は日曜日で学校は休みだぜ?」


「あっ…そうだったっけ?」


「そうだよ、それにいつも敬語ですましてるのによ~タメ口?

今日は学校が休みで気が抜けてるんか?

でも制服着ちゃうんだな!?意味わかんねぇの~」


あ、そうだ、イザベルは両家の子女

つまりお嬢様のていで作られた怪人だからな…


「まっまぁ、わたくしとした事が…っ!

でもぉ猿も木から落ちるしー弘法も筆の誤りくらいは…っ」


「まぁそうだな!あんまりお高く留まられても

俺もやりづらいし、休みに制服着るぐらい抜けてた方が

扱いやすいってもんだ!

それにミックルを連れ戻そうとしたら

見事に失敗したしな!それも2回も!」


2回失敗…?


最初の失敗の1回目は第1話目で

イザベル初登場の時ミックルと一対一

一騎打ちのサシで戦ってた時で


2回目の失敗は2話目で

最初はサシだけど戦闘時に

メインヒーローのコウヤに

邪魔されて失敗する筈…


やっぱりうろ覚えだけど。


ああ、つまりここの今は

アニメ版ミックル3話目以降の世界?

今が今日がその3話目?

いやパラレルワールド?


とにかく私は見覚えがあるような

無いような感じの豪華なお屋敷の廊下を歩き

とりあえずクロウドの後をついていく…


「よっ」

と、クロウドは壁についてるボタンを押すと

どぢべた、じゃなかった床が開き

その下には階段がある…


「え?地下室?」


「そうだよ、博士をあんまり待たせるな」


「博士…?」


私は地下室への階段をクロウドについて行きながら

降りていき地下の廊下を歩いて行き…


「ここだ」


「実験室…?」


「そうだよ、我らがY結社

時雨しぐれ博士の実験室だ!」


と、クロウドは誰かの名前を言うが…


時雨博士…?


「さぁ早く入りたまえ」


ドアの向こう側から聞き覚えのある声が聞こえる…


「あ、はい…」


私はドアを開けると…


キャスター付きの回転椅子に座ったまま

こっちをくるっと振り向く、この人は……!?


「今日はほんのちょっとだけ遅かったかな?イザベル」


え!?

この人はあの時雨博士!?

アニメ内だと、いかにも邪悪でちょっとしおれた感じの

年中白衣でその上、白髪で髪の毛モジャモジャの

マッドサイエンティストのおじさんに描かれてるんだけど…


えっ!ちょっとウェーブヘアの銀髪でまだちょっと若い感じの

Vヴィジュアル系イケメンになってる!?


「何言ってるんですか!?いつも早く来てるじゃないですか!

寧ろ今日は結構ぴったりごく普通の方ですよ!?」


「ああ、そうだったね…クロウド、イザベルは

さすがY結社の作り出した怪人、事前行動もなかなかのものだ」


褒めてくださる時雨博士

私まだ何もしてませんよ?

けどちょっと嬉しい!


「逆に幾ら技術力や開発能力とかがあってもちょっと時間にルーズな人を

良く雇う気になりましたよね、Y結社の偉い人達は」


ちょっと皮肉な感じでクロウド


「何言ってるんだい?ここに派遣される前までは時間にもちゃんとしてたさ

そうじゃないと栄えた町の中に栄転させてもらえるものか?」


ポーカーフェイスに返す時雨博士


「中小都市に左遷の間違いじゃないですか?」


これまた嫌味なクロウド


「それでもここは首都の東京に近く交通機関も要になってるところだ

つまり交通の便が良い、交通アクセスがいいって事だ

栄転、エーテン!」


うっわ~…!

時雨博士が結構イケメンになってて嬉し~い!!

私、ちょっとポ~ッと見とれちゃう…


「何、時雨博士にドン引きしてるんだよ?」


と、ちょっと冷めた感じのクロウドの声にハッとする


「あ、いえ…」


「ミックルをとっ捕まえるためのトラップ装置でも作れってか?

はいはい、そっちも作ってますから、そう焦らせるんじゃないぞ?」


「すみません…」


私は時雨博士に謝る


「まぁ謝んなくっても

それにどんなに焦らせたところでそうホイホイと都合よく

出てくるもんじゃないからな

急がば回れ!果報は寝て待て!」


ちょっとお気軽な時雨博士に対して


「そうやって納期を先延ばししないでくださいよ…

ここにきて何度目なんですか?」


クロウドはちょっと呆れ気味に返す


「あれ?わたしがここに配属されて以降

結社側からは開発依頼は何も来ていないのでは?」


すっとぼける時雨博士


「俺が博士に頼んだものです!」


クロウドは何を頼んだんだろ?


「そういう私的なものはいつでも良いだろ?」


本当にそうですね時雨博士のおっしゃる通りです


「対ミックル兵器です!」


クロウド、公的なものでも焦らせたらダメ


「ところで今日は何を?」


私は2人に割り込む


「あー…今日は、ここ土器かわらけ町の

きんきら公園に行ってやって欲しい事があるんだ」


やっと悪の秘密組織の偉い人みたいなことを言い出す

時雨博士


「それは何ですか…?」


私がそういうと


「それは…公園を乗っ取り

そこにエステサロンを建てて

お金に余裕のあるご婦人方をエステで洗脳して

お金を貢がせるんだ!」


おお、チビッ子向けジャンルみたいなことを言い出したな

時雨博士は


「おっ!それ良いですね!

結社からの仕送りも最近渋ったいですから!

自分らの分は自分で稼げと!?

どころかエステで気持ちよく美しくするついでに

女性達からエネルギーを奪いY結社の下僕になれと洗脳できますしね!」


と意気揚々になるクロウド


はぁ、何せちびっこの頃に見たからうろ覚えなもんだ

エステで大人の女性達を洗脳するって話あったかな?

まぁ女児向けアニメならありそうなこって


とにかく私とクロウドは屋敷の外に出て…

私は屋敷を見上げる…


「わぁ…」


私隼敷を見上げ

外から見ると本当に豪華なお屋敷だな~

土地代どれだけするんだろう?


「おい、何か忘れものか?」


「いえ、何も…」


「なら早く行くぞ、早く行って小細工すれば

それだけ多くカモも引っかかるからな」


「ええ…では」


と、クロウド私イザベルは

ちょっと会話を交わした後


そして公園に向かう…


本当に魔女っ娘だミックルの世界に転生しちゃったの私?

数十年前の高度経済成長期の日本の日常によく似てる風景だ…


木の板でできた民家やその庭の塀とか…

そこらじゅうがとても情緒的エモーショナル旅愁的ノスタルジックだな…


よく見れば今とそんなに変わんないところもあるんだけど

そりゃ日本が元ネタになってるお話だもんね、しかし

もしかして私が転生したことにより、この世界がおかしくなっちゃった?

そんな馬鹿な?

まぁ数十年前のアニメとかはどこか近未来的に作るしね

それを見て育った世代が昔のそういうのを参考にマシンとかを作るなんて

逆に心当たりがあるある過ぎて何がどれだかなぁ?


と、まぁ、そんなこんなで目的地の

きんきら公園に着いた私達


「さぁついたぞ」


「まずこの公園にエステのお店を建てないとね」


私がそう言うとクロウドは


「そうだな、まずは時雨博士から借りた

イリュージョン実体化装置を使って…」


と、何もないところに装置のレンズを向けてビームを出そうとすると…


「……」


ん?誰か来た?

するとそこには


「この公園で何をしようとしてるんだい君達?」


怪訝な表情でこちらを見ながら、そう話しかける年頃の青少年…


ん?ん~っ?


こいつ…も、見覚えある


あ、ああ、コウヤだ

東風ひがしかぜコウヤ


こいつは主人公、即ちメインヒロインのミックルと恋仲になる

昨今の乙女ゲームで言うならばメインヒーローのポジションだけど否、寧ろだからか?

すぐ敵の攻撃を受けてぶっ倒れてボロボロになって動けなくなったり気絶したり

敵であるY結社にとっ捕まって人質になったり

もっと酷けりゃすぐ洗脳されてミックル達に攻撃して内部ゲバルトみたいな

事態を引き起こしたりもする…

はっきり言って大人になって考えたらウザい足手まといのキャラなんだよな


あ~、こいつもちょっと今時風のイケメンに微妙にマイナーチェンジされてるな

けど良いところは見た目と声だけ

あ一応、文武両道の優等生キャラだけど

じゃ、なんですぐ敵にやられて怪我や病気とかになって動けなくなったり

すぐ捕まったり誘拐されて洗脳されたりするの?

こともあろうにミックル達を攻撃して困らせたり苦しめたりするし…

そのメンタルの弱さが意味わかんないから

なんか嫌なんだよな~……コウヤは。

子供の頃はコウヤ頑張って!騙されないで!って素直に応援できたけど

今思うと、そうとしか思えないんだよなー

主人公であるミックルにとって足手まといで意味不明、コウヤは。

ぶっちゃけ見た目と声だけ買われてるんですかっつーの?


「何って?知りたいのかい?」


意味ありげにニヤニヤするクロウド(実際そうだけどね)


「どうせろくでもない事考えてるんだろ?」


と、負けじとコウヤ


「んなわけないさ!ほら、お前も手伝えコウヤ!

分け前は特別にガッツリと山分けするからさ!」


「お前達の悪事に俺達は手を貸さないからな!」


コウヤを煽る感じのクロウド


ん?

俺『達』?

複数形?


「なぁそうだろ!?皆!」


コウヤは後ろを振り返る

その視線の先には3人くらいの人影がいるけど……


「ああっ!?」


この3人は!?

……もしかして!?

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