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16〜20

16. 世界の重心




たとえば世界の重心がぐるりと移動して、90°反転したら面白いと僕は思う。

そしたら空の写真とかお気に入りのTシャツとかかっこいいロックバンドのポスターとかがぺたぺた貼ってある僕の部屋の壁を歩くんだ。

そのまま窓から外に出ると、君の住んでるところに向かって真っ逆さまに落ちていく。

そうやって会いに行くからちゃんと拾ってくれよって言ったら、君はどんな顔して笑うかな。




17. かなしみ



現実感がない


足元がふらふら浮かんでる感じ


どこまでが他人でどこからが自分なのかわからない


どこまでが夢でどこからが現実なのかわからない


全部夢じゃないかって思う


現実なんて初めから存在しないんだって


わたしが今こうして居ることも


今こうして生きてることも


夢なんじゃないかって


いっそそうであればいいのにって


思いながらも


大好きな人の笑う顔が浮かんで消えて


消えて


もう誰の姿も浮かんでこなくなって


わたしの中で何かが死んで


みんな居なくなって


何も無くなって


上下も左右もわからない空間で


足が地面に触れているのかもわからない空間で


泣いてるのか笑ってるのか呼吸をしてるのかもわからない空間で


ひとり


叫んだのかつぶやいたのか


声をあげても誰の耳にも届かないし


自分の耳にすら届かないし


手を伸ばしても何も触れないし


何も見えないし


目も耳も皮膚もこころも


感覚を失ってきてる感覚


記憶が削られてく


わたしが消えてく


風に吹かれた砂山みたいに


少しずつさらさら


飛んでく


消えてく


さよなら





18. 眠れない夜に






 眠れない。

 豆電球も消した真っ暗な部屋のベッドの中で、目をはっきりと開いて、壁に掛かったジャケットを睨む。         

 まったく、私も随分と着飾るようになったもんだ。

 結局全て無意味だったのに。

 ぐるんと寝返りをうって、枕に顔をうずめて無理やり目を閉じさせる。 

 眠れない。



 しばらくの間、呼吸もできないくらい枕に顔を押し当てていた。

 さすがに苦しくなって顔を上げると、何やら窓の外が明るかった。  

 起き上がってカーテンをめくると、外にはおいしそうな満月がぽかっと浮かんでいる。




 傍に居てください。

 傍に居てください。

 あなたぐらいは、せめて私が眠りにつくまでは、そこに居てください。



 それだけお願いして再び布団にもぐりこんだ。



 もう、なんにも考えずに、眠ってしまいたいのに。







19. 月




夜眠れなくて豆電球も消えた完全に真っ暗な部屋で目をはっきり見開いて壁に掛かった服を睨む。カーテンの隙間の月灯りに気が付いて外を覗くと、美味しそうな満月がぽかっと浮かんでいる。傍に居てください。あなたは傍に居てください。何があっても、せめてわたしが眠るまでは、ずっとそこに居てください。それだけお願いして目を閉じた。






20. 狂気



死にたくない

眠れない

0時に床に就く

2時半に目が覚める

びっくりした

突然発作的に動悸がした

誰も居ないっていう現実がいきなり襲ってきた

それで眠れなくなった

寝返り100回はした

5時に布団から出る

チョコを食べる

テレビを点けたら砂嵐

スピッツをかける

ジョンレノンのハッピークリスマスをかける

参考書をちょっと読む

ネットに繋ぐ

死にたくなんかない

寒い

誰も居ないなら生きていたくなんかない

誰も見てないなら表したくなんかない

誰も聞いてないなら話したくなんかない

誰も頭撫でてくれないなら泣きたくなんかない

誰も愛してくれないならわたしの意味なんかない

意味なんてない

わたしのすること全部



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