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018 男の欲望を駆り立てる残酷な天使(水着姿神崎さん)のテーゼ

 五人揃って顔合わせも済んだところで、俺たちはビーチへと向かう事にした。神戸のビーチと言えば須磨海岸である。近くには水族園があり、ビーチの周辺にはカップルや家族連れがその多くを占めていた。


「須崎先輩、しっかりしてくださいよ?」

「いやぁ、すまんすまん。この後はもう大丈夫だから。」


 女性陣が水着に着替えている間、既に海パンを履いてきていた俺と須崎先輩は、先に砂浜にパラソルを立てたり、シートを敷いたりと場所取りを始めた。


「せっかく、雪が作ってくれた吹雪さんの接点だ。全力でアピールするから、先輩の勇姿を見ててくれ。」


「いや、あんまり気負わないほうがいいですって。もっと自然体でいきましょう。」


 意識すればするほど空回りする。まぁ、それは神崎さんに対する時の自分にも言えることだが……。


「お待たせ~、水着に着替えたよ~!」


 言葉先輩の声に振り向くと、そこには水着姿の言葉先輩と姉貴の姿があった。


「言葉先輩、水着いいですね! とてもお似合いですよ。」

「ふふっ、弟くんありがとう~」


 言葉先輩の水着は、リボンを胸元に結んだような形のバンドゥビキニであった。淡い黄色の花柄であり、オシャレさと可愛さと三分の一の純情なエロさを兼ね備えている。先輩の目算Dカップくらいはあるだろう胸元は、バブみ(母性)に満ち溢れていた。


「おい、私の水着には感想はないのか?」


 不服そうな姉貴の声が聞こえたが、正直姉貴の水着姿に関心はない。一応触れておくと、黒のスポーティーな水着でした……以上。


「弟から感想なんかもらっても仕方ないだろ? 須崎先輩、何か姉貴に感想言ってあげてください……。って、あれ? 須崎先輩?」


 俺にとっては興味のない姉貴の水着姿だったが、須崎先輩にとってはあまりに刺激的な光景だったらしい。


「……最高……です――ぶはっ!!」


 そう言って、須崎先輩は鼻から赤い体液を流出しながらうずくまった。


「須崎先輩っ……!? 大丈夫ですか?」


 まじかよ、須崎先輩……。女子の水着に興奮して鼻血出すとか――そんなのアニメや漫画の世界だけだと思ってた。


「須崎先輩――ティッシュどうぞ。」


 うずくまる須崎先輩に、俺はポケットティッシュを手渡した。


「うぅ……ありがとう……、弟君……。」


「須崎先輩……、その“弟くん”って呼ぶのまじやめてください。」


「すまん……。ちょっと頭冷やしてくるわ。」

「ぜひそうしてください。」


 須崎先輩は鼻をティッシュでおさえながら、一人更衣室の方へとすたこら去っていった。尊敬していた元キャプテンのそんな情けない姿に、俺は呆れてしまって大きなため息をついた。


 その時、俺の背後から、ASMR(人が聴覚への刺激によって感じる、心地良い、脳がゾワゾワするといった反応・感覚)を感じる素敵ボイスが聞こえてきた。


「お待たせっ。あれ……、雪くん、なんか疲れた顔してる?」


 その声に顔をあげると、俺の背後には……水着姿の天使が降臨なされていた。


――神崎さんは、可愛らしいフリルがついた純白の水着姿であった。(※以下読むに堪えない描写)


 ふわっと広がりをもったフリルは、彼女の持つ可愛さを強調し、純白の色合いは、彼女の清純さをイメージさせる。そしてまた、柔らかそうなフリルと彼女の華奢な身体のコントラストで、保護欲を誘う儚さと神聖さと可愛さが混合し、ついでに言うとやっぱり胸元の大きすぎず小さぎずにほどよい幸せな膨らみが、男の悩ましい欲情を駆り立て、可愛さと神聖さとエロの相乗効果という圧倒的な興奮を目の前にし……、言葉にできないこの感情はもうあぶわぁくぁwせdrftgyふじこlp……。


「……。」


 俺の頭がショートした後、頭がぐらぐらと湯だっていくような感覚を覚えた。


「あれれ? 雪くん、どうしたの? 鼻血が出てるよ。ティッシュ貸そうか?」


「いや、持ってるから大丈夫……。ごめん、少し頭冷やしてきます……。」


 俺は鼻をティッシュでおさえながら、須崎先輩の後を追った。さっきは情けないとか思ってほんと、すんませんでしたっ!


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