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腕相撲(桃花)

作者: 狼花

  「お母さん暇だからなんかしよ」

「ゲームでもしてなさいよ。あんたに付き合ったらゆっくりできないじゃない」

「ゲームしてたら、『またゲームばっかりして』とかぐちぐち言うくせに」

「確かにそうね」

「でしょー」


 暇だからキッチンのダイニングテーブルで本を読んでるお母さんに遊び相手をお願いする。

「ねぇ、なんかしようよ」

お母さんお背後に回り首元らへんに手を回す。

「しょうがない子ね」

そう行ってお母さんはテーブルに腕を差し出した。

「何?腕相撲?」

「これだったら頭も使わないし楽なのよ」

「えー、腕相撲…」

「あんたが勝ったら他の遊び考えてあげるわよ」

「ほんと」

・・・ じゃあ、軽くひねりつぶさせてもらおうかな ・・・


 私は母さんと手を組む

「準備いい?」

「いつでもどうぞ」

お母さんは私の顔を見ず。本を読みながら私の相手をするようだ。

この仕方ないから相手してやってる感じがすごく腹ただしい。


 「じゃあ、レディー ゴー!!」

私は掛け声とともに全身の力を腕に込める私。

豆知識だけど腕相撲にもアームレスリングという世界大会があるらしい

・・・ ふん、 ぬー  ・・・


 少しづつだがお母さんを押している。

このまま押し切れば勝てる。

力を込める私、ところがある程度傾くとすごい力で最初の位置に腕を戻される

なんのまだまだ

・・・ ぐぬぬ  ・・・

 

 今度は半分近くまで押し込んだ、お母さんもスタミナ切れのようだ。


   今こそ、母を超えるとき!!


 そう思い全力で押し切ろうとするもまたしてもすごい力でスタートラインに腕を戻される・

・・・  あ、私。 遊ばれてる…… ・・・

 するとここでお母さんのスマホのアラームが鳴る。

休憩時間終了のタイマーだ。

お母さんはスマホを止め必至の形相の私の顔をみるや

「残念、時間切れね」

といい。

徐々に腕に力を加えていく。

・・・え、ちょっ、何これ力が強い・・・


それに伴い私の腕は階段をゆっくり降りていくかのようにテーブルについた。


 「じゃ、洗濯物畳んで置いてね桃花。私、今から公民館に行ってくるから」


 この日私は”母の壁”というものを肌身に感じたのだった


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