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無題[088]
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私は大学2年生だったから、妹が高校3年生になった夏の盛りのことだっだ。ずっと子供だと思ってた妹が、急に大人になったように思えたのは。
名古屋から帰省して実家に帰った私を迎えたのは、私の知らない私服、まさに『大人の女性』になった服を着た妹だった。
あえて「前よりも大人びたね」と声をかけると、少し頬を赤らめて、でもやはり申し訳なさそうにコクリと頷いた。
ふふ、私に気を使う必要なんてないのに。
……早すぎた、遅すぎた、じゃダメなんだよ。
……そんなの知ってたはずだったのにね。だって私、お姉ちゃんだもん。
妹は京都の大学に進学した。
名古屋は通過駅にすぎない。