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20 お父様です

長いです。


窓の外からピチチといったかわいらしい鳥の鳴き声が聞こえる。

それをぼんやりとした意識の中聞き入りつつも体を動かすのもおっくうで、もぞもぞと布団の中で身じろぎする。


(‥‥ってもしかして寝坊!?何で起こしてくれなかったの樹!)


完全に寝ぼけながら目を覚ました私は、近くに寝ているはずの樹を探し、キラキラした寝室やベッドを見てようやく我に返った。

(そうでしたねぇ。)


「うわぁ、こんなに穏やかに目覚めたの初めてかも。」

私はそのことに感動をし、ぼそりとつぶやく。そしてせっかく起き上がった体をもう一度ふかふかのベッドに沈めて笑う。あぁ幸せだなと、しみじみと思ったのだ。


「まぁせっかく起きたんだし、ちょっとだけなら探検しても、いいよね?」

私は小さくそうこぼして、ベッドから抜け出した。念のための保険として少し出かける旨を綴ったメモを置きたかったが、ないのであれば仕方がない。パジャマ姿であったがそこは気にしない方面でいくことにする。


寝室の扉を開けると、昨日と寸分も違わぬ豪華な部屋がやはり現れた。そのキラキラで目が潰れぬよう、できるだけ見ないようにして通り過ぎ、私は未知の世界へとつながる扉を意気揚々と開けた。


「こ、これが王宮の廊下っ。」

自分のぼろアパートが丸々入ってしまうほどに広大で輝かしい豪華な王宮の廊下に、私は思わずため息をこぼす。圧巻、であった。


自分の部屋の窓から見た景色から推測するに、私の部屋はどうやら二階にあるようであるので、とりあえず階段を探すべく赴くままに歩みを進める。


朝のパリッとした空気を胸いっぱいに含みつつ、廊下に立ち並ぶ窓から入る朝日に目を細める。その時どこかでカラーンと軽快な鐘の音が聞こえてきた。

(う~ん、体感でいう7時くらいかな。まぁ季節にもよるけど、気温は初夏くらいだもんね。)


そしてしばらく歩みを進めると階段ではなく大きなテラスのような場所を見つけた私は、好奇心に負けてそこに足を向ける。少し控えめに覗くと、人影がないようであったことと、鍵が開いていたこともあり、その空けた隙間からするりと中に滑り込んだ。


「ふわぁ、やっぱり朝の空気は最高~。」

私は小声で感想をこぼす。そして手すりの方へと音を立てずに駆ける。このお城はどうやら平地を少し底上げして、城壁の上に建てているようで、残念ながら町などの様子はうかがうことができなかった。


しかし城壁内の広大な庭は十分に見ることができた。そこに目を向けると、暑いくらいの気温であるのに、冬みたいな格好に、顔に布を巻いて走る集団が目に入った。

(きつそう、あれは何の集団だろ?)


そんなことを思いながらぼんやりと眺めていた私であったが、背後にあるドアの方から人の気配を感じ取り、瞬時に近くにあった少し背の高い植木の陰に身を潜めた。

(あぁ何やってんの!?習慣って恐ろしいわぁ。)


そしてその足音が通り過ぎると、私はそこをすぐに出て自分の部屋へと廊下を引き返す。


「もれる。」


急に私は、とてつもない尿意に襲われた。

遠出しすぎた事もあり、今から部屋に戻っても間に合うかわからない。それに、部屋にトイレがある保証もないのだ。

私は頭をひねり、いい案がないか思案するも、尿意が邪魔をしてうまく働いてくれなかった。…尿意のせいに今はしておく。


「どうしよう。」

私はついに廊下にしゃがみ込む。少しでも動けば出てしまいそうなほどに緊迫した状況であった。

もはや痛いと思うほど崩壊ギリギリであったが、ソフィアちゃんの体裁のため、ましてや王宮で漏らすなどあってはならないことなのだ。


「うおっ。ん?そこのちっちゃいの、どうした?腹でも痛いのか?」

救いの声を聞き取った私は、必死にしがみついて「おしっこ」と告げた。


「便所か。ここから近いのは…誰か知り合いっているか?ここらはみんな客室とかばかりなんだわ。」


「ルーカス君。」

私はとっさに思いついた名前を告げる。


「あ、わりぃ。貴族の名前とかほぼほぼ知らなかったわ。部屋とかもってのほかだったわ。あんたの部屋は何号室だ?」

彼は気の抜けた声で、ケラケラ笑いながら私に質問をする。


「213。」


「遠いな。よし、腹に力入れておけよ?ここらの便所なんて、どこ使っていいか分かんねぇしな。俺の職場に連れて行くぜ!」


私はスッと抱きかかえられた。それを感じつつ、漏らさぬように必死になけなしの力を腹に込める。


もうだめだと思ったあたりで私は地面に立たせられた。目の前にある扉を訳もわからず開けると、そこには求めてやまない便器が目に映った。


「あっぶなかったねぇ。」


用を足して冷静になると、困ったことに流し方がわからなかった。レバーのようなものもなければ、ぼっトントイレでもない。


「助けてくれた人、そこにいますか?」

私は少し大きめの声で尋ねると、すぐに返事が返ってきた。私が流し方を訪ねると「便所使うの初めてなのか?」と笑いながらも彼は教えてくれた。便座のどこかに10秒くらい触れるだけでいいのだそうだ。


そしてその個室から出ると、私は助けてくれた男性に深々と頭を下げる。

「本当にありがとうございました。お漏らしガールになるところでした。」


頭を上げると、顔に傷のある厳つい男性と目が合った。彼は呆けたように私を凝視した後、驚いたような声を上げた。


「誰かと思えば、いつぞやのお嬢ちゃんじゃねえか。声出るようになってよかったな!そう言えばここ何日か顔見てなかったな。」

(ソフィアちゃんの知り合いなパターンですか。どうしよう、全く考えてなかったんだけど。)


「お久しぶりです。」

とりあえず無難に返す。よくわからないし、助けてくれた人を疑いたくはないけど、あえて記憶がないことを言う必要性も思い浮かばない。


「他人行儀はやめてくれや。タメ語でいいぞ。戦場行ったら年なんて関係ないからな。でもそっか、そう言えば名前教えてなかったな。俺はマリンってんだ。」

極道顔の彼は想像よりもかわいい名前であった。

(でも、ソフィアの口調わからないし、どうしようねぇ。)


「私はソフィアだよ!でも本当にごめんね。用事があったからあの廊下にいたんでしょ?」

聞いた限りだとお互いの名前も知らない関係みたいだし、どんな口調でもばれない気がするので、私は普通に話す。そして深々と頭を下げた。


「とっいれ、フー!って、え。マリンどうしてここにいるん?魔法師団長に呼ばれたんやなかったっけ?ってうわ!誰やこの美少女!?…もしかして…」

そこに何やら陽気な人が現れた。マリンの知り合いみたいだが、問題はそこよりも、やはり私が仕事の邪魔をしていたことであった。


「いや誘拐とか想像してんならちげぇからな?あのときの赤目の嬢ちゃんだわ。団長はなぁ…シュリンちょっと一緒に怒られろよ。」


「うわ道連れとかサイテーの極みやなおい。ってマジやえらく美少女になったもんで、おっちゃん気づかんかったわ。」


「そういえば最近はおまえ、あそこで仕事はいってたもんな。」


「あほぅ、あれマジきつかったんやぞ!」


「あの、本当にごめんなさい。私がその団長さんに謝りに行きます。意味ないかもですが。」

えせっぽい関西弁の彼とマリンは中慎ましく小言をたたき合っていたところに、私は頭を下げる。


「あ、ほらお前が余計なこというから。嬢ちゃん大丈夫だぞ。」

マリンは私の頭をガシガシ撫でながら気にすんなと言う。


「でも…」


「じゃ、俺急ぐから。嬢ちゃんまたな!」

彼は逃げるように走って行った。その優しさがなんだか嬉しかった。


「あいつも不器用やな。」

とこぼした彼は私の横を通り過ぎてトイレの中へと入っていった。


「ありがとう、マリン。よし、私もばれないうちに帰りますか!」

(あ…ソフィアちゃんは通ってたみたいだけど、私は帰り方わかんないわ。さっきの人に聞いたら怪しまれそうだし、どうしようかなぁ。)

私は乾いた笑みを浮かべ、そして当てもなくテキトーに歩み始める。


「まぁ、なんとかなるっしょ!」

そう言ってとりあえずマリンが駆けていった方を進んでみる。

(二階にはたどり着きたいよねぇ。)


「お嬢様!」

前方方向から誰かが駆け寄ってきた。目視できるようになると、昨日のメイドさんだということがしれた。私は条件反射で、彼女から逃げ出す。


「なんでっ、お逃げにな、るのです!」

(確かに!)

そう思ったわたしは急に立ち止まった。そして振り向いて素直に彼女に頭を下げる。


「いろいろ、本当に迷惑をかけてごめんなさい。でもどうしてここがおわかりになったのですか?」


「あれだけ噂になってれば分かりますよ。それにしても本当に無事でよかったです。家出や自殺だったらどうしようと…それに風邪もまだ治ってないはずなのに、どこかで倒れてたらと思うと、もう心配で心配で。」

そういったメイドさんは私のおでこに手を当て、怪我がないか丁寧に確認していた。

(ソフィアにはこんな温かい人がいてくれたんだね。よかったぁ。)


「まだ熱があるようですし、もう無茶はだめですよ。もっとご自身のお体を大切にしていただかないと。」

彼女は私を叱ってくれた。その温かい優しさがなんだか嬉くて、叱られているのについ笑ってしまうのだった。


「はい、私もぅ無茶はしません。…えっと、?」


「私はジーナです。ソフィア様、使用人に敬語はいけません。私、クビになってしまいます。」

そう言って彼女は冗談っぽく笑う。


「ジーナ、ありがとう。あの、」

(手を、つないでもいい?)

その言葉は紡がれることはなかった。そしてそれに不思議そうな顔をしているジーナに、私は何でもないと笑いかける。


そして部屋にたどり着くと、否応なしにベッドへと誘導された。

「あの、ジーナ?私もう十分元気なんだけど…。あまり寝てばっかいるのも健康上よくないしさ。…やっぱ、勝手に出歩くのはまずかった?怒ってる?」

私はベッドの端に腰掛けながらたずねる。


「元気かは、これから来るお医者様に訴えてください。怒ってませんが、その、王宮では傷つくことも多いので、できれば一人でうろつくのはお控えいただきたいですね。」


「じゃあ、ジーナが一緒ならいいのかな?でも、今日会った人はいい人だったよ!また会ってお礼を言いたいなぁ。」

私がニコニコしながら聞くと、「もちろん私でもいいですよ」と言ってくれた。そして私が今日体験したことを笑顔で聞いてくれた。


「ソフィア様。朝食の前に、熱を測ってしまいましょう。」

(うぅむ、すごくいやだ。熱測ったら負けだもん!)

と思いつつも、ジーナの圧に勝つことができなかった私は、渋々熱を測ろうとそれを受け取る。


「これ、どうやって使うの?」

私はお茶碗のような形状のそれを手に、戸惑った。前世でも初めて測ったのが保健室に搬送されたときだったし、以来測ったことはないが、少なくともこんな形状はしていなかったはずだ。


「それは、こうやって十秒間口に当てるだけでよろしいですよ。」

そう言って私の口にそれを押し当てた。


「37度4分ですか。結構下がりましたがもう少し安静ですね。」


「私平熱が高いかもしれないでしょう?ね?」

私は控えめに言ってみた。


「いえ、平熱は36度前後です。ところで朝食はどうしますか?」


「なんでも。…頂けるだけでうれしいかな。それより私臭いと思うんだよね。濡れタオルとかできればもらえると嬉しいなぁ。」

私はおねだりポーズをする。美少女なソフィアだからできることである。


「ご飯ができるまでの間に湯浴みをいたしましょうね。」

そういったジーナは、かつてないほど美しい笑顔を見せた。


「お、お手柔らかに。」


お風呂など、最後にちーちゃん家で入って以来だった私は、ジーナにそれは念入りに洗ってもらった。自分でやると言った後は、指示が多くてとても出来そうになかったので、結局お願いしたのだ。

ピカピカに磨かれてつやつやになった私は、先ほどとは違う寝間着に袖を通した。


「洋服じゃなくていいの?医者に診てもらいにいくんでしょ?」

私はドライヤーのようなもので髪を乾かしてもらいながらジーナに尋ねる。


「お医者様には来てもらうんですよ?」

彼女は何を当然なことを、とでも言うように答えた。本当に何から何までいたりつくせりである。


「お嬢様ってお金かかるなぁ。恐ろしいわ。」

私は自分すら聞こえない声量で独り言をつぶやく。


「はい、終わりました。元気になったら、いっぱい髪などをいじらせてくださいね!」

今日一で幸せそうなジーナの笑顔を見ることができた私は、その発言にぐったりとして返事をする。


「約束はしないでおくね。」

そして鏡の中の美少女に目を向け、まっすぐその瞳を見つめながら誓いを立てる。


(頼りないかもだけど、君は私が守るから。そのために何ができるかまだ分からないけど、私、強くなるからね。今度こそ、逃げないで向き合うから。それで君が笑ってくれたら、嬉しいな。無理かもだけど、君がつらかった分、私が笑うから。元気に笑うからね……。)

鏡の中の自分に、とびきりの笑顔を見せた私は、浴室を後にする。


「ソフィア様、こちらにおかけになってください。医者は10時頃来るそうです。」

私が席に座ると、サラダ、パン、スープ、水、フルーツ、ヨーグルトが出された。それも二人前くらいの量である。


「多すぎないかな?」

私は思わず口に出す。


「ですがソフィア様はいつもそれくらい食べておられましたよ。昨日はルーカス様の前で恥ずかしいかと思い、減らさせて頂きましたが。」


(え、成人男性よりも食べてない!?)

と驚きつつも、残すのは悪いので「今度からはこの半分で十分だからね」と伝えてから食べ進める。


4分の1ほど食べ終わった頃合いで、コンコンとノックする音が聞こえたが、それを開けるのはジーナの仕事であると学んだので、私は味わいながら、ご飯を咀嚼していた。


「あの、ソフィア様。ルーカス様がお見えです。」

その報告を聞いた私は、席を立って小走りでドアへと向かう。


「ルーカス君!ちょうどいいところに!ご飯はまだ食べてないよね!?ちょっと量が多くてね一緒に……?えっと、おはようございます。」


マシンガンのように話したところで、私はようやくルーカス君の隣に立っている青年に気づいた。私は彼が誰だか分からないまま無難に挨拶をしてみる。


「ソフィア様、とりあえず中に入ってもよろしいでしょうか?」


「あ、ええはい。もちろん。」

ルーカス君に聞かれた私は、ドアを押さえながら入り口をどけた。


そして2人が中に入ると扉を閉めて、私は彼らを見つめる。


「ソフィア、久しぶりだね!」

黒髪の男性は私に馴れ馴れしく話しかけてくる。でも記憶がない私はどうすればいいか分からず、ルーカス君の背後に隠れる。


「あの、お久し振り、です。」

私はたどたどしく返事を返す。どなた様ですか?とは聞けなかった。なんだか彼が傷つくような、そんな気がしたのだ。


「ソフィア元気になって、声も出るようになって、本当によかった。呪いを解くときには立ち会えなかったけど、何度か顔を見に行ったんだよ。熱はもう大丈夫?」


「あ、はい。お陰様ですこぶる元気です。ところで、私に何か用事があったんでしょうか?」

私は少し失礼かなと思いながらも、早速本題を聞いてみた。


「あぁそれは。いつ頃からうちに来れるのか聞きにきたんだよ。それに可愛い娘に会いに来るのは、そんなに可笑しいかな?」

青年は少し照れたように頬をかきながら、爆弾発言を私に告げた。

(はっ?父親……?いや、ないない!良くて20代だって!)


そう思いルーカス君の背中の布を引いてみる。そして私を振り返ったルーカス君は、さも当然のように頷いてみせた。


(ぇえええええええ!!!!)

と叫びたくなるのを必死にこらえて、私は無理矢理笑顔を貼り付ける。


「お、かしくないです。あの、とりあえず朝食を食べてもいいでしょうか?」

「もちろん構わないよ。」

そう言って父親(?)は私の向かい側に腰掛けた。


「そうだ、ルーカス君は朝食まだかな?」

私はかなり不自然ながらも、なんとか対応する。


「そうですね、まだです。」


「やったぁ!あのね、食べきれないんだけどさ、一緒に食べようよ!いいでしょ?お願いっ!」

私はルーカス君の手をぎゅっと握ってお願いをする。


「すごいねソフィア。タイラー殿下の次は、アイリ家の長男か。」

などと感心している。

(え、もしかして、やっぱり、そういう事かな?)


「ぷっ!すごい動揺ですね。」

ルーカス君は悪戯に成功したかのような笑みを浮かべる。

(やっぱり偉い貴族様デスヨネー。顔の綺麗さから見ても、王宮にいるってことでも、習い事してるって事でも、分かるじゃんかぁ!何故確かめなかったんだよ私!うわぁあ!やり直したい!)


「あの、その、えっと。」

私は挙動不審に陥る。


「今まで通りで構いませんよ。」


「で、でも。あの、なら、私にもタメ語が良い、です。ずっとずっと思ってて。」


「無理です。」

私はガァーンと落ち込んだ。それを見てまたルーカス君は可愛らしくクスクスと笑う。


「私は敬語で話すのが癖みたいになってるんですよね。ですのでそう言った意味で、無理です。」


「絶対確信犯だぁ!」


「そうかも知れませんね。」

少し怒ったふりをしてみるも、それよりもルーカス君が笑顔が見れたことの方が嬉しくて、私の頬も緩んでしまうのだ。


「もぅ。まぁいいや。でも、ルーカス様様に、私の食べきれないご飯を渡すなんてダメだもん。頑張って食べるね。でも、やっぱり一緒に食べたいなって思うんだけど、ダメかな?」


「普通はダメですけど、今回は特別です。取り皿用意してくれませんか?」

彼はジーナに声かけをする。


「えっと、ルーカス君本当に良いの?」

(一緒に食べるだけじゃなくて、食べるの手伝ってくれるってことだよね?)


「ええ、先ほどのお詫びです。」

(良い子すぎるわ!私が悪かったのに!)


「ルーカス君ありがとう!優しい!好き!」

私が彼の元へ駆け出そうとすると、彼は先程のが嘘のように冷たく言い放つ。


「あぁ、それ以上近づかないで下さい。」


「塩対応!!!」

私はクッと顔を歪める。そして、そのまま何事もなかったかのように、私はご飯を食べ進める。


「ソフィアも、私に随分と塩対応だよね。」

向かい側にすでに座っていた父親(?)は、ぼそりと何かをつぶやく。


「あ、お父様。」

「なんだい?お父様だよ!」

彼はそれは嬉しそうにぱっと顔をほころばせた。うわ、言いづらい。


「あの、何日後に帰れるかは、私には分かりません。」


「そっか、やっぱタイラー殿下に聞いてみて、かな。」

一人で納得していた彼に私はなんとなく聞いてみる。その間にルーカス君は取り皿によそい終わっていた。仕事がお早い。


「私がもし戻ったら、何をすればいいのでしょうか?」


「ありがとう!優しい!好き!」で一つの単語みたいになっているソフィアでした。

閲覧、応援、ブクマ、コメント、その他本当にありがとうございます!

ようやく20話までこれました。これからもよろしくお願いします!


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