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自作自演の無双能力者  作者: てんやもの
第三章 ルミア王国魔物調査/クシャリカ王国編
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042「ラウ六歳(魔物調査) 七天」



「か、火炎魔法っ!!」



 いきなり、国境沿いにある『クシャリカの番所』から大きな火炎魔法が降ってきた。


 それを見たマルスがすぐに魔法を発動。同じ大きさの火炎魔法で威力を相殺した。


「…………中々の火炎魔法じゃねーか、誰だっ!」


 マルスが大声で番所のほうに向かい叫ぶ。


 すると、番所から『七つの影』が見えた。


「ん? あの『七つの影』…………こちらに…………かなりの速度で…………向かってま………………えぇっ!?」


『知のトライアス』こと、トライアス・メルボーゼが『七つの影』が接近していることを告げるや否や、顔が少し青ざめた。


 同時に、それ以外の七武神やライオウもその『七つの影』の正体がわかるとトライアスと同じような表情で青ざめた。


「久しいな…………宿敵ライオウ。そして、憎くき敵…………七武神よ」


 黒髪が背中まであるほどの長髪の男がそう呟き、続けて大きな声で言葉をぶつける。


「我が名はヴェルネド・アイリス。そして我らは七天っ! ハミルトン・キング・ルミア王の忠実なる剣。そして、今は魔王ハミルトン・キング・ルミア様の忠実なる魔剣。魔王様の右腕ヴィルカルマより再び生を受けた魔族だっ!!」

「ヴェルネド……」


 ライオウが険しい表情でヴェルネドを見つめる。


「我らはヴィルカルマ様より、お前らルミアの者を滅ぼす命を受けた……」


 次に言葉を発したのは『武神ガルニアス』こと、戦士の『ガルニアス・モーゼス』。褐色の肌に荒々しい赤髪がなびくその様は、まさに『武神』というに相応しいオーラを発している。


「というわけで……………………死んでください」


 その言葉を発しながら、天空に雲を呼び寄せていたのは……七天『天災のシュメラ』こと『シュメラ・ニコルファス』。


「雷撃魔法……『大罪の雷光サンダラス』」


 上空に集まった真っ黒な雲から狙いすましたかのような雷がマルスやライオウのいる先頭の集団に打ち下ろされる………………が、その下ではまるでその雷を『予測』していたかのようなタイミングですでに防御魔法が展開されていた。展開したのは……、


「防御魔法……『覆う繭コクーン』」


 ジェシカ・カトラ。


 そして、シュメラ・ニコルファスの雷撃魔法を予測していたのは、


「ふん!『知のトライアス』、トライアス・メルボーゼのスキル『予測ビジョン』か…………相変わらず、鬱陶しいスキルだ」


 シュメラは苦虫を潰した顔をこれでもかとトライアスに向ける。


「女性の視線は嬉しいものですが、あなたのソレは…………勘弁願いたいですね」

「だまれっ! この軟派ヤローがっ!!」


 トライアスはシュメラと対峙する状況となった。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「俺の相手は……………………まあ、やっぱお前だろうな、武神ガルニアス…………ガルニアス・モーゼス」

「まあ、そういうことだ、破壊のエミリオ…………エミリオ・バクスター」

「二十年前の続き…………てとこかね?」

「そうだな…………総力戦には負けたが、個人的には負けたつもりは、ない」

「はっは! 相変わらず、負けず嫌いだね~」

「ぬかせっ!!!」


 そう言うと、二人は己の武器を思いっきりぶつけ合う。


 七天のガルニアスが持つ大きな斧と、エミリオの大剣がぶつけた箇所から荒々しく火花が飛び交う。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「拳聖のロイ…………久しいな」

「デメロフ…………」


『拳聖のロイ』…………ロイ・ハイドライトに対峙するは、緑の髪でウルフヘアという出で立ちの、七天『神速のデメロフ』こと『デメロフ・サンターナ』。


「あなたが『拳聖」を名乗ることに私は一度も納得していません。なので、今日こそはこの拳であなたに『拳聖』という二つ名を取り下げてもらいます……」

「べ、別に、俺が名乗ったモンじゃなく、勝手に周りがつけた二つ名なんだが…………」


 しかも、本人的にはあまり好きな二つ名ではない。


「問答無用。魔族となった私たちはもはやあなた方、七武神は…………敵ではありませんっ!!」


 デメロフがそう言い放ち、いきなり物凄い速度の拳や蹴りを繰り出してきた。


「あ、相変わらず…………手が、早い奴だっ!!!」


 ロイが真っ向からその『神速』に立ち向かっていった。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「ジェシカ…………会いたかった」

「リンゼ…………姉さん」


 大魔法使い、七武神のジェシカ・カトラの目の前には、同じ苗字のリンゼ・カトラ…………『大魔法使いのリンゼ』が立ちはだかる。


「私はうれしいのよ、ジェシカ。あなたのような『愚妹』を魔族になって葬るチャンスをもらえたのだから。魔族としての命を下さったヴィルカルマ様には本当に感謝していますわ……」

「…………姉さん」


 リンゼは悪意に満ちた笑みをジェシカに向けるが、対照的にジェシカはリンゼを憐れむような目を向けていた。


「その目…………その目が、私は昔から大っ嫌いなの? わかる? ジェシカ? あなたはそうやって、私のことをいつも『下』に見ていた」

「ち、違う……っ! そんなことは…………っ!!」

「うるさいっ!……………………でもね、もういいの、ジェシカ」

「姉……さん…………?」

「魔族として生き返った今、はっきりと感じるわ…………昔とは違った圧倒的な魔力をっ!! もう、あなたに負けることは………………ないわっ!」


 そう言うと、リンゼが上空に飛び上がり攻撃態勢に入った。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「まあ、私たちは……」

「二十年前も変わらず、いつもどおり……」

「「治癒する簡単なお仕事ですっ!!」」


 七武神『癒しのイライザ』こと……イライザ・メリーナと、七天『名医ララポーザ』こと、『ララポーザ・エインリヒ』は二人して仲良くハモリながら戦いを鑑賞していた。


「だって、私たち治癒士だからね~……」

「そうそう。特に戦いに参加することは無いし、ララポーザと私は個人的に二十年前から仲良いしね…………」

「でも、あんた、二十年も経ってるとさすがに…………フケたわね、プークスクス」

「あ゛っ?!」


 違う感じで盛り上がった二人も戦闘体制に入った。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「いひひひっ…………まさか、魔族になってお前にリベンジできるチャンスがあるとはな~…………人生ってな、わからないモンだな、なあ、ハヤテ・タカマガハラ?」

「まあ、二十年前も今もお前は俺には……………………勝てん」

「相変わらず、その言葉、表情一つ一つが…………むかつく野郎だっ!!」


 金髪でアシンメトリな髪型の……七天の剣士、『連撃のハリシュ』こと、『ハリシュ・ボーエン』が飛び掛っていった。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「で、お前ら……………………二人で来るか?」


 七天、『震撼のヴェルネド』こと『ヴェルネド・アイリス』が、マルスとライオウに言葉をかける。


「いやいや、それはさすがに…………ダサいからできねーわ」


 と、マルス。


「……まあ、そういうことです。というわけで。私が…………」


 と、ライオウがススッと剣を抜こうとする……………………が、


「お、おいおいっ! 待て、待てっ! お前、相変わらず抜け目ねーなっ!!」


 マルスが必死になってライオウを止める。


 すると、ここでボソッとマルスがライオウに告げる。


(ここは俺にまかせてお前はクシャリカに行ってくれ…………そして…………ラウを助けてくれっ!)

(!!…………マルス…………わかった)


 そう言うと、マルスが剣を抜こうとするところで、ヴェルネドが言葉を発する。


「ちなみに、魔族となった我ら七天は、人間の頃のレベルを遥かに超えた力を持っている…………その意味がわかるか?」

「何っ?!」

「つまり……………………お前ら二人がかりでも今の俺には勝てない、ということだっ!!」


 そう言うや否や、火炎魔法を纏った剣戟が二人に襲い掛かる。


 油断してたとはいえ、二人はその攻撃をまともに食らってしまった。


「ぐはっ……!!」

「うぐっ!!」


 若干、火炎魔法による火傷を負いながら、さらに十メートルも吹っ飛ばされた。


「な、なんつう……早さ……そして…………魔法の威力だっ?!」


 マルスがヴェルネドの攻撃に驚愕していた。


「二十年前とは明らかに…………力が上がっていますね」


 ライオウも厳しい表情でヴェルネドを見上げる。


「そういうことだ………………お前ら二人でかかってこい」


 ライオウとマルスは瞬時にヴェルネドの力を判断し、すぐに共闘の形を取り、体勢を整える。


「二十年前の借り……………………返させてもらうぞ」


 ヴェルネドはニヤリと悪辣な笑みを浮かべ、二人に襲い掛かる。



【業務報告】

ユーザーネームを「アコ美容室」から「てんやもの」に変えました。


以上!

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