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自作自演の無双能力者  作者: てんやもの
第三章 ルミア王国魔物調査/クシャリカ王国編
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038「ラウ六歳(魔物調査) 囚われのラウ」



「んん…………あれ? こ、ここは……どこだ?」



 ラウは目覚めると、さっきまでいた場所と違うことに気づいた。


 さっきいたテントの中とは違い、ここは洋風の豪華なベッドと下には赤絨毯が敷かれ、一人部屋にしては広々とした部屋だった。


「やあ、ようやく目覚めたようだね、ラウ君?」


 突然、部屋に響くように夕べの商人の声が響く。


「さっきの商人…………じゃないな?」


 ラウはすぐに異変に気づき、その声に質問する。


「ほう、察しがいいな、ラウ・ハイドライト。さすが規格外の強さと謎の能力を持つ男だ…………」

「!?…………あなた、僕を知ってるのですか?」

「まあな…………その前に私の自己紹介からしておこう。私の名はナイータ。マルス・ヴィンテージから話は聞いていると思うが、一応、私のほうから改めて説明させていただこう。私は二十年前にマルス・ヴィンテージやライオウ・スピルデン、そして七武神らが取り逃がした魔族の一人だ」

「魔族…………たしかあと一人…………」

「そうだ。もう一人の魔族も生きており、そして今、このクシャリカ王国にいる」

「クシャリカっ?! ここはクシャリカ王国なのか?」

「そうだ。というよりも、ここはクシャリカの王宮内だがな、くくくっ……」

「…………」


 しかし、その割には部屋の外から特に人の気配は感じなかった。


「ちなみに、この部屋は『クシャリカ王国内で私と生き残りの魔族と二人で作り出した』魔族独自の結界魔法『永遠の闇ヌーベル・ナイトラス』で封じ込めさせてもらった。お前がいると我々に勝利はないからな……。まあ、魔王様が復活すればお前がいてもいなくても勝利は確実。そのためお前は魔王様復活のための必要な魔宝具まほうぐ灯火ともしび再燃さいねん』との取引条件として使わせてもらうよ」


 と告げる。


「……なぜ、僕を誘拐するときに魔宝具も一緒に持ち出さなかったんだ?」「この魔宝具を発動させるにはカトラ家直系の者の血が必要だからな」

「カトラ家の直系?……………………七武神のジェシカ・カトラかっ!」

「さすが察しがいいな。そうだ……その為、そいつをおびき出せるよう魔宝具は奪わず、お前だけを誘拐したということだ。そうすれば、ジェシカ・カトラをクシャリカに連れてこさざるを得ない……カッカッカ」


 そう言って魔族の男は高らかに笑う。


「お前たちは魔族二人だけでルミア王国……ひいては全世界の人類に戦いを挑むというのか?」

「それは違うぞ、規格外。魔族と魔王様…………だ。お前ら脆弱な人間ごとき、魔王様と我々だけで十分だ」


 と言い、続けて


「とは言え、それ以外にももう一つ『特別ゲスト』も用意したがな」


 と、クックックと嗤いながら吐き捨てる。


「どうせ貴様はそこから逃れることはできない。まあ、せめてもの情けとして我々が何者で今、何が起こっているのかも教えてやる」


 と言い、話を続けた。


「私ともう一人の魔族の者、名は『ミュリエル』と言うが、そいつと私はライオウや七武神から逃れた後、力を蓄えていた。お前はどう聞かされたか知らんが、当時の私たちは半分の力しか回復しておらずライオウと七武神相手ではさすがに分が悪かった。そこで我らは決死の思いで離脱し、力の完全回復に努めた」

「力の回復にそんなにも時間がかかるのか?」

「ふん。まあ、俺たち魔族は人間のように生き物や植物からエネルギーを摂取することはできず、エネルギーはすべて人間の魔力からしか得られぬ。しかし、エネルギーを摂取し過ぎれば…………つまり人間を殺す頻度を増やすとライオウたちに気づかれる恐れがあった。その為、少しずつ、ルミア王国が気づかない範囲で動くしかなかったのさ…………結果、これだけの年月を要したということだ」

「……なるほど」


 魔族は『人間の魔力のみ』からしかエネルギーを摂取できない……か。


 そりゃあ、魔族と人間の共存は無理だろう、な。


「そして今、我々、魔王様の復活の機会が機を熟した。あとはその復活を成し遂げば我らが勝利し、人間は我らの家畜となる、というわけだ。ケッケッケ……」

「…………」


 ナイータはそう言うと、また、薄気味悪い笑いを飛ばす。


「おっと……そう言えば『特別ゲスト』のことを言ってなかったな……クックック、今回、魔王様の復活には『器』が必要となる」

「器……?」

「ああ……そして、その『器』はどんな人間でもいいというわけではない。魔王様の『器』になるには、魔王様の意志との同調性シンクロが高い人間であることが重要になってくる」

「意志の……同調性?」

「つまり、『人間を憎んでいる者』、もしくはそれに近い者……ということだ……そして、俺たちはその『器』をみつけた。」

「…………」


 ラウはナイータの言葉をずっと聞き入っている。


「その『器』となる人間とは………………………………ルミア王国第十代国王 ハミルトン・キング・ルミアだ」

「なっ…………?!」


 魔王の『器』になる人間とは『ルミア王国第十代国王 ハミルトン・キング・ルミア』…………ミレーネのひいおじいさんであり、他の国から『無慈悲で獰猛な荒ぶる獅子王』と恐れられていた人物だった。



今日は仕事が早く終わったので、更新時間が早くなりますた。

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