旧友:会話
あの子は私の大切な子
私から離れず、愛させてくれた
みんな「狂ってる」と言って受け入れてくれなかった
でもあの子だけは違った
あの子だけ私の歪な愛を受け入れてくれた
私の大事な子
だから――
あの子の捻じ曲がった愛も受け入れた
――血塗れの日記より抜粋
「久しいな、我が盟友よ。」
王城へとたどり着いた己はすぐに最奥の場所、王の間へと通された。
そこには5メートルほどもある巨体を玉座へと沈めこちらを見下ろす巨人、否、巨大な鉄の人形である[ゴーレム]がいた。
身長差のために見下ろす形になっているものの、その声は静かではあるが同時に喜びを含んでいることがひしひしと伝わってくる。
無理もない。
この世界の中ではかなり長い間顔を合わせていなかったのだから。
「盟友が旅立ってから一体どれほどたったのか…まあ、積もる話は後にしよう。オヌシが来るということは何か用事が有るのだろう。」
話が早くて助かる。
「オヌシは本当に魔術関係以外のことに対して興味が薄いのだな。」
それが己だ。
「元の居場所を追われた理由の一つだろうに。」
どのみちあの場所は出ていくつもりだった。
遅いか早いかの違いでしかない。
それに…いや、この話は辞めよう。
虫唾が走るほどに気分が悪くなる。
騙した者達にも騙された自分自身にも。
「ああ、済まない。」
話が逸れたな。
「そうだな。神殿の愚か者達の話なぞどうでもいい。して、何用か?」
外界の薬草に新種の物が幾つか見つかった。
恐らく長い年月を掛けて変質したのだろう。
その薬草の栽培や成分の詳細な分析を頼みたい。
「ほう?余はここから動かぬゆえこの大砂漠の事しか知りえぬが、他の地域ではそのような事が起こっておったのか。」
ああ。
栽培をするのであれば貴公の配下に頼むのが最も信頼出来ると確信している。
出来るか?
「問題は無い。むしろオヌシの頼みとあらば是非にと率先してやってくれるだろう。無論、余もできうる限りの支援をすると約束しよう。」
ならば頼もう。
それにしても、未だに国民から良く慕われているのだな。
「我が国民は皆我が家族だ。それは建国当時から何一つ変わっておらんよ。」
昔と変わらずで何よりだ。
これで当初の目的である新種の薬草に関する問題は解決だ。
――――――――――
「ああ、それと一つ伝えておこう。」
何だ?
「オヌシや祝福の冒険者が居なくなった後、どうも教会の上層部が怪しい動きをしていると女神国に出入りする商人から聞いている。」
怪しい動き?具体的には分かるか?
「帰ってきた商人からの話でしかないが、何やら[魔術]に関する事をコソコソと嗅ぎ回って居るようだ。荷物をこと細やかに調べられて半日待たされたと文句を言っていた。」
[魔術]に関係する何か、か。
「この程度の情報しか得られず済まない。」
そうでも無い。少なくとも神殿上層部が何やら嗅ぎ回っている事を知れたのだ。
後はこちらで情報を集めよう。
「役に立ったのなら良いが」
何か手がかりを掴んだ時はそちらにも流そう。
年明け投稿とは一体・・・うごご。
年明けからかなり空いてしまい申し訳ないです。
投稿ペースは変わらずの亀投稿ですがこれからも見ていただけると嬉しいです。
もう少しで最初のイベントに入れる・・・
ようやくかぁ。
追伸
モンハンワールドのおかげでタダでさえ遅い投稿ペースが倍率ドンでえらい事になりそうです。
2ヶ月以上空いたら多分モンハンワールドにハマってます。
最初に言っておきます。
本当にッ!!申し訳ないッ!!