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VRMMOで研究者  作者: 467
第1章 始まる世界
13/19

実地研究

――――――――――

古ぼけた研究手記



とある少女だったものが持っていた古ぼけた手記。


それは祖父の形見だったという。



親を幼くして失った少女を引き取った祖父は、病にかかった娘を救うために、おぞましい禁忌に手を出した。


結果、自らは死に、娘はおぞましきものになったという。



祖父は娘に生きてほしいと願った。


たとえそれが人でなくなったとしても。



そう願うのが正しいのか愚かしいのか、誰にもわからない。




だが、そんな事は些細なことだろう。

――――――――――

空間転移用の魔術を使い表の世界へと来てみたが、やはりずっと暗い裏側の世界にいたせいか非常に眩しい。


目が慣れるまでしばらく木陰で休むことにする。


段々と目が慣れてくるとその景色が見えてくる。


緑溢れる森の中、木漏れ日に照らされた小道や周辺の澄んだ空気がここが自然豊かな森であることを主張する。



正直そんな事(・・・・)はどうでもいいが。



とりあえずは生えている植物を1種類ずつ小瓶に分けて採取する。


当然ある程度の量を確保することも忘れない。


ついでに植物は劣化が早いため、念のために冷凍系の魔術で中身だけ凍らせておく。


軽く簡単な鑑定用魔術を使ってみたが毒性の植物などは確認出来なかった。



周りの植物をあらかた回収し終えた次は現地のモンスター情報を収集しようと思う。





最初に見つけたのは兎型のモンスターだ。


モンスターに関する知識が無いため名前の表記が[?]になっているが、所詮は最初のエリアのそれも兎型のモンスターのためそこまで警戒する必要も無いだろう。


【魔力の傀儡矢】を放つと予想通り簡単に倒すことが出来た。


次は犬型のモンスター。


こちらも名前表記が[?]だが先程の兎と違いなかなか素早い上に左右にフェイントを入れてくるためなかなかに面倒そうだ。


とはいえ【魔力の傀儡矢】は思考操作型の魔術なので目で追える程度の速度ならば対処は簡単だ。


避けた瞬間に直角に曲げて直撃させる。


こちらも簡単に倒した。



その後もあちこちを歩いてみたが最初のエリアということもあってかその二種しか出てこなかったのでモンスター情報の収集を終了する。


モンスターの名称が分からないのが少し残念だが、こればかりは鑑定スキルを取るか図鑑などで調べる必要がある。


しかし鑑定スキルを取るには表側の神の加護が無ければ取れないため断念。


ならばと図鑑で調べるためには都市に入らなければならないが、身分を証明出来るものが無い上に、証明出来たとしても己は追放された身(・・・・・・)であるために入手することは出来ないだろう。


以上の理由からモンスターの名称については特徴を記録することによって区別していこうと思う。



そんなこんなで歩きながら散策していると【警鐘する地図】に反応があった。


どうやら近くでプレイヤーとモンスターが戦闘しているらしい。


だがどうにも犬型モンスターの量が多い。


恐らく群れに向かって安易に戦闘を仕掛けたのだろう。


普段ならどうでもいいと一蹴するのだが、もしかするとモンスターの名称や見落とした情報を知っているかもしれない。


そうと決まれば行動は早い。


ローブの中から1冊の本を取り出す。


これは[魔導書]といい、術式を更に細かく調整できるアイテムだ。


例えば[攻撃用の魔術]と[敵味方を識別する魔術]を接続して[敵味方を識別する攻撃用の魔術]とすることが出来たり、純粋に発動スピードや威力を上げたりすることができる。


様々な触媒の中でも特に書き込み量に優れており、大量の術式を書き込んでおくこともできる。


そんな魔術書を取り出し、魔術を選別し発動する。


相手は8匹のため、矢の数は8本。


プレイヤーが近くに居るため識別能力の付与。


矢の数に合わせて処理能力の補助。


それらを接続し即座に放つと、[魔力の傀儡矢:+]が犬型モンスターへと突っ込んでいく。




sideシュン


クソッ。


やっちまった。


[レッサードッグ]がたった1匹でこっちに対して攻撃してくること自体おかしかったんだ!


あいつらは自分達以上の数を基本的に相手にしない。


するとしたらなにか理由がある時だけだ。


それに思い返してみると攻撃もどこか挑発めいた何かがあった。


つまり


嵌められたんだ。


最初から1匹を囮にして〈狩り〉をするつもりだったんだ!


俺が迂闊に追いかけさえしなければ…。


「ぐあっ!こっちはあまり持たないぞ!!」


「ダメ、早すぎて矢が当たらない。」


「こっちもです。」


マサは最前線でヘイトを取ってくれているが何分数が多いうえに非常にすばしっこく、あまり長くは持たないだろう。


ユリとカナはどちらも遠距離職であり周囲を走り回っている[レッサードッグ]に攻撃を当てることは難しいだろう。


範囲技なんていう便利なものは序盤である今現在にあるはずも無く。


俺達は打つ手なくただ耐ながら少しずつ攻撃するしか無かった。


「あの犬っころどもめ、わざと嬲ってやがる。もう既に勝ったってか!クソがっ!!」


見ると、確かに注意の逸れたやつが死角から攻撃しては直ぐに離れるを繰り返している。


それも明らかに今さっきよりも威力が低い。


「ふざけやがって!!今すぐクソ不味いひき肉にしてやる!!」


そう言うと盾の裏から剣を引き抜くと[レッサードッグ]に向かって突っ込んで行く。


「まてマサ!犬どもの思うツボだぞ!戻ってこい!!」


マサにむかって叫ぶも頭に血が上っているのか全く聞いていない。


すると[レッサードッグ]の動きが変わった。


注意の逸れた1匹が後ろに回り込むとマサの足に食らいつく。


当然マサはいきなりの攻撃の上、足への噛みつきにより堪らず前のめりに倒れる。


直ぐに起き上がろうと顔を上げた瞬間




頭に向かって鋭い牙を突き立てんと大きく空いた口が視界を埋め尽くす。




「マサぁぁぁぁぁぁーーーーーーー!!!!」




全てが遅く感じた


だが間に合わない


もうダメだと思ったその時




青白い球が尾を引きながらそいつの背中から喉を貫通するように突き抜けた。


それと同時に他の犬にも青白い球が直撃する。


そのまま頭に直撃したり、腹に直撃したりする一方、ギリギリで避けた犬も直角に曲がった(・・・・・・・)球に頭をぶち抜かれて絶命した。



後に残ったのはドロップアイテムと化した犬どもと、何が起きたのか分からないと言った顔の俺達と、


黒いローブを着た子供のような身長の謎の人物だけだった。

お待たせしました!


かなりの間待たせてしまい、本当に申し訳ありませんでしたーーー!!!


ですが運転免許も無事取れたので、これからはしっかりと書いていこうと思います。


とは言えいつも通りの亀更新ですが…。


目安としては1ヶ月に1~2回の更新だと思ってください。


バイトと学校で正直結構厳しいです…。


でも書いていくので応援宜しくお願いします。



追伸



今回から試験的に前書きにてダクソ的トピックを入れてみました。


作者がああいったものが好きなので入れてみましたが、面白い設定が連想できたら本編で使うかもです。


つまりはネタ置き場みたいなものと思っておいてください。


別に読まなくても本編には影響はありません。


それっぽいシーンを見かけた時に「この伏線はここのやつか!」といったダクソ気分に浸れるかもしれない程度の物です。


それでは!


次回をお楽しみにー。

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