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最後の手紙  作者: 白鳥 真一郎
第4章  ~交渉の日~
53/59

53 ~アオイの応援~

 ついこの前のクリスマス・イブにアオイと会って話をしたときには相変わらず、


「私は、もし携帯電話でメールができるようになったとしても普通の手書きの手紙の方がいいわ。だって、(しゃべ)ったら終わりっていう電話ですら私は好きではないから……。きっと私は『電』がつくものが苦手なのね」


 と言ってたのだけれど、その日はいつもとは違って、


「でもユウキは一生懸命やっているのね。私はこれまであなたがどんなに努力してきたかを誰よりもよく知っているわ。きっと世界中のたくさんの人たちが電波で文通できることを待ち望んでいると思う。だって、とっても便利なことは確かだから。それは私にだってわかる。例えば、『おはよう、あなたを愛しているわ』って私がニューヨークのアトリエのベッドの中から携帯電話でメールを送ったらすぐに『こんばんは、僕も君を愛しているよ』って東京の電車の中にいるあなたの携帯電話からメールで返事がくるんでしょう。悪くないわ。私はどこまでもあなたを応援する。頑張ってね。でも、もしもまた失敗して行く所が無くなったら今度こそ私のアトリエに来てね。いつまでもずーっといてもいいのよ」


 とフォローしてくれたのがせめてもの救いだったが……。

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