表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最後の手紙  作者: 白鳥 真一郎
第4章  ~交渉の日~
52/59

52 ~大事な交渉~

///////////////////////////////////////////////////////


 二人が吉野川の河川敷で深い池を見つけてから十六年の歳月が流れました……。二人は二十八歳になっています。 今日、ユウキは新しい事業を始めるための大事な交渉へと向かっています。


////////////////////////////////////////////////////////



 一九九二年(平成四年)一月十四日早朝。


 今日は新しい事業を始めるための大事な交渉がある。僕の再起をかけた交渉だ。


 僕は四年前に一度事業に失敗しているが、二年前に苦心惨憺して発明研究所を設立した。そして、人々をいつでもどこでも電子の手紙で繋ぐという新しい事業を興すために努力してきた。


 新しい事業の具体的な内容は、最近出始めたばかりの超小型携帯電話(つい数年前までは枕のような大きさの「自動車電話」という代物(しろもの)だったが)という会話専用の移動通信端末に、十行ほどの文章が表示できる大きさの液晶画面を合体させて、今まではコンピュータでしかできなかった電子メールのやりとりを携帯電話でも行えるようにするというものだ。


 これが実現すると、コンピュータの前に座っていなくても電子メールを交換することができるようになる。多くの人たちがいつでもどこでも瞬時に自分の気持ちを伝え合うことができるだろう。愛する人が遠くにいても距離も時間も関係なくなる。例えば僕とアオイのように。


 ニューヨークに住むアオイと東京に住む僕は、毎日、何度も、いつでも、安価に、手軽に気持ちを伝え合うことができるようになるだろう。ただ、手紙が大好きで固定電話すら持っていない電話嫌いなアオイは、つい最近まで携帯電話の電子メールというアイデアにあまり興味を示してくれなかったのだけれど……。


 僕はこの事業を応援してくれる企業や研究所に人や生産設備を提供してもらって機器やシステムの開発を行い、この構想を実現させる一歩手前までこぎ着けた。


 事業化するには巨額の資金が必要だが、将来性のある事業だと認めて出資を約束してくれている投資家、企業、金融機関が数多くある。


 あとは電波の割り当てさえあればこの事業は軌道に乗る。間違いない。成功させる自信はある。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ