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最後の手紙  作者: 白鳥 真一郎
第2章  ~文通~
34/59

34 ~命令されたら~



 なんだ、かっこいいじゃん、この絵の中の僕。確かにこれ以上はかっこよくできないだろうな。アオイはますます絵が上手になったなあ。


 最近、クラスの中で受験組とそうでない普通組がなんだかよそよそしくなってきた。


 フジタ君は受験組。ムー君は僕と一緒の普通組だ。受験組は毎日進学塾に通っているようだ。毎晩遅くまで塾で勉強するなんて、僕にとっては地獄だ。そんな時間があったら発明のことを考えたり工作をしていたい。


 塾で何を勉強しているんだろう。みんな目標があるから勉強しているのだろうけど、その目標ってなんなんだろう。でも、人それぞれだからなあ。いろんな目標があって、それに向かって行く。それだけだ。


 でも、アオイはもてるんだな。まあ、かわいいし、よく気がつくし、しっかりしているし、優しいし、もてない方が不思議だ。


 『カタギリ君』だけじゃなくて、もしかしたら沢山の男の子から『好きだ』って言われているんじゃないだろうか。中には断られても何かと口実を作って積極的にアプローチしてくるヤツもいるに違いない。そして魅力的な言葉やプレゼントでアオイの心をつかもうとしているんだ。


 アオイは最初は嫌がっているけれど、だんだんそいつの方に気持ちが傾いていくなんてことはないだろうか。


 僕がいない所でアオイが他の男の子を好きになってしまって、「ユウキ、さようなら」なんて言われたら僕はとても悲しい。考えたくもないよ、そんなこと。アオイと同じ学校だったらいいのになあとつくづく思う。




【アオイへ


絵をありがとう。とてもよく似ていたよ。本物の僕みたいにかっこいい! 


 絵も勉強も自分からしようって思ってするからやりがいがあるんだよね。命令されたらいやだよ、きっと。想像したことない? こういう絵を描けって誰かに命令されて描くことを。


 アオイは描けるかい? 僕は描けないね。命令されたら絶対に無理。描けるものも描けなくなってしまう。それと、いつも誰かに与えられた目標に向かってこれからのために何かしていて、自分とか今ってものがない生き方はなんだかぞっとする。 


 アオイは修学旅行どこに行くの? こっちは京都・奈良・大阪だよ。一泊二日の予定。清水寺、東大寺、大阪城のあたりなんだ。


 僕はフジタ君と同じ班になった。けど、別にいやじゃない。きっと向こうもだ。普通に話をしているよ。でも、受験組は修学旅行どころじゃないって感じ。


 アオイ、大好きだよ。会って話をしたいなあ。それじゃあ、また。


           十月二日   ユウキより     】




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