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最後の手紙  作者: 白鳥 真一郎
第2章  ~文通~
25/59

25 ~受験~

【ユウキへ


 ムー君って、きっといい人なんだろうね。ユウキは幸せ者だよ。


 私? 私はどうかな。幸せかもしれないし、そうでないかもしれない。


 ユウキはいいよね、自分の思ったように自信を持って行動して周りの人を幸せにしている。


 私はどうかな。私は人と話をしているよりも絵を描いている方が好きだからなあ。それにしても、ユウキのクラスの幸せがやってきたのね。ハヤシ君もフジタ君も一緒に幸せになれたってところがいいね。よかった。


 私も合宿が終わった。カッターを漕いだら手にマメができて、そこが今も痛む。「鬼教官」は訓練中はとっても恐かったけど、訓練が終わったらとても優しかったよ。海の上は命がかかっているから厳しくするんだって。


 ユウキ、実は私ね、中学受験しなさいってお母さんに言われているの。


 中高一貫の学校で、入学したら大学受験をするための勉強がメインみたいなの。


 私はもっと別の世界で生きていきたい。大好きな絵を描いて生きていきたい。


 そう言ったらお母さんは、絵では食べていけないって言うの。絵を描いて収入を得るって本当に大変なことなのよって。だからそんなこと考えたらだめだって。きっと一時の気の迷いに違いないから、そんなことを思って一生を棒に振ったらいけないって。何万人にひとりしか絵だけで生きていくことはできないんだからって。


 でも、私が他のことを仕事にして生きていくなんて考えられない。


 私たちがしていることって、本当は案外単純なことなのかもしれない。それをわざわざ難しくしているものがある。ユウキはそう思うことはないかな。きっと本当は簡単なことなのに、いろいろなものがそれを難しくしているって。ユウキはどう思う? 


         六月六日    アオイより       】



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