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最後の手紙  作者: 白鳥 真一郎
第2章  ~文通~
16/59

16 ~ハヤシ君~

【アオイへ


 僕は最近何も作ってない。春の陽気にぼーっとしている。でも、これから作ろうとしている物はあるんだ。


 アオイはいいクラスになったようだね。安心している。オオホリ君がいたらだいじょうぶだ。あいつなら弱い者いじめは許さないからね。


 こっちはだんだん様子がわかってきたよ。


 ハヤシ君っていう男子がね、ちょっと障害があるみたいなんだ。クラスのほとんどがハヤシ君を敬遠している感じだ。


 先日、クラスでそのことについて話し合いがあった。クラスの四分の三が「ハヤシ君が一緒のクラスだと困る」みたいなことを言って、残りの四分の一は「ハヤシ君はみんなの助けが必要なのだからお荷物のようにしないでほしい」って言ってね、議論したんだよ。


 ハヤシ君は人の話が半分くらいしか理解できないみたいだけど、優しいんだ。いつもニコニコしている。たまに授業中に歩き回ってみんなの邪魔をしたりするけど、わざとやってる訳じゃないみたいだ。


 ハヤシ君は人の話を理解するのに時間がかかる。一回言ったんじゃわかってくれないから二回、三回って繰り返す。例えば、同じ班になったら掃除の分担とかあるだろう。班長が何度も何度もハヤシ君に説明するんだけど、ハヤシ君はニコニコ笑っているだけだから説明するのにくたびれるって言うんだ。


 そんな状態なんだけど、六年生はもうすぐ山の中にある青年の家で合宿がある。ハヤシ君と一緒の班になりたくないっていう意見がたくさんでた。


 アオイはどう思う? えっ、僕はどっちだって? どっちだと思う? アオイの想像にまかせるよ。


 でも、僕は悲観していない。四分の一で班を作ればいいんだ。ハヤシ君を守る気があるメンバーで守っていけばいいと思っている。


 気の合うヤツがいる。ムー君っていうんだけどね。僕と同じように工作が好きなんだ。剣道をやってるらしいんだけど、色が白くて、すうって背が高くて正義派なんだ。


 ムー君はハヤシ君を守る方だよ。僕はどうやったらクラス全員が仲良くできるのか、なんてことを考えている。長くなってしまったからもう寝るよ。おやすみ。  


          五月一日   ユウキより      】

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