12 ~初めての手紙~
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【拝啓 桜の花の満開の今日この頃、ユウキ様にはお元気でお過ごしでしょうか。私は元気です。
なんて、ちょっぴり大人みたい。なんだか恥ずかしいから普通に書くね。
ということで、遠くへ行ったユウキへの初めての手紙だよ。ひらがなだらけの手紙は嫌だから辞書を引きながら書くことにするね。
ユウキがいなくなってから私はとても寂しい。
なんて言葉を期待してたらそれは残念ながら間違いよ。私は寂しくもないし落ち込んでもいない。なぜだかわかる? それはね、こうして手紙を書くことができるから。
私が書いた手紙はユウキだけが読む。ユウキからの手紙は私だけが読む。ふたりだけの秘密をふたりだけが共有している。そんな世界がこれから始まる……。
そう思っただけでなんだかワクワクするの。手紙ってなんだかとっても新鮮!
そうそう、アズマ先生がね、ヨシダ先生と結婚するんだよ。それを聞いたとき、とってもびっくりした。
ユウキももちろん知らなかったわよね。こっちは大騒ぎよ。だって、あのふたりいつもケンカばかりしてたじゃない。ということで、今回はこれでおしまい。 敬具
ユウキ様 四月五日 アオイより 】




