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最後の手紙  作者: 白鳥 真一郎
第1章  ~転校生~
10/59

10 ~デッサン~

 翌日から僕は毎日アオイの部屋に通った。


 デッサンをしているときのアオイの目は真剣だ。けれど、時々冗談を言って僕を笑わせる。僕はただ椅子に座っているだけだ。


 じっとしていないといけないのかな? と聞いたら、いや、そんなことはないんだと言う。雰囲気を描きたいから適当に動いてもいいし、姿勢を変えてもいいんだそうだ。


 意外と気楽だ。まるでアオイと話をしにきているようだ。アオイは先生たちの話やクラスメイトの話や街のいろいろな出来事の話をして僕を飽きさせなかった。


 ふーん、こうやってモデルさんに楽しんでもらいながら絵を描くのも才能の一つなんだろうな。感心した。


「アオイといると、とても楽しい。なんでこんなに楽しいんだろうね」


「それはね、私たちがお互いを大切に思っているからよ。私もユウキと一緒にいるととても楽しいから」


 と、アオイは大人みたいなことを言った。でも、そのとおりかもしれない。大切な人……。これからもずっとお互いに大切な人でいたいね、アオイ。





 二週間ほど通った頃……。


「ユウキ、デッサンが五枚できたわ。あとは私のイメージどおりキャンバスに描いていく。毎日モデルになってくれてありがとう」


「そう、それはよかった。できあがったら僕にも見せてくれるんだろう?」


「もちろんよ。ユウキに一番に見てもらいたい」


 僕は明日からアオイの部屋に来る理由がなくなるので、とても残念な気がした。


 アオイとは前よりもずっと仲良くなったし、アオイのお母さんとも親しくなれたし、アオイの弟や妹たちともきょうだいみたいになったのにね。


 アオイのお母さんは薬剤師で、一人でアオイたちを育てているんだって。とてもしっかりしていて、背筋がピンと伸びている人だ。


 かっこいいなあ。アオイもきっとあんな感じの素敵な大人になるんだろうな。僕は夕暮れの街を歩きながらそんなことを思っていた。



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