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第二話 VS氷結のエリクシール!

 平和な日常も終わり、危険な任務の伴う休日になりました。

春樹の仕事を手伝うため、今日も朝から起きて、ご飯を作っています。

朝ごはんは活力の源、一日の食事の中でも一番重要と言われているので、しっかり食べたいと思います。

私がご飯を作っていると、兄の携帯が鳴りました。でも、三コール以内に出ません。

兄は朝シャンをしているので、丁度出られなかったのです。

仕方なく、私が出ようとすると、兄が裸のまま飛び出して来ました。


「危ない、危ない! 依頼は本人から直接聞かないとな。

情報間違いがあったら、生死にかかわる問題だ!」


「決めている所悪いけど、まだ泡が付いているよ。後、床を拭いておいてね」


私の言葉を遮るように、春樹は言います。


「静かにしてくれ! 大事な商談の最中なんだ!」


春樹はそう言って風呂場に戻り、床掃除しませんでした。

しばらくすると、兄が風呂場からあがり、牛乳を飲みます。

歩きながら牛乳を飲んでいると、足を滑らせ柱に頭をぶつけました。

私は兄思いなので、気付かないふりをし続けました。

食事の準備が終わり、兄の方を見ると血を流して倒れています。

予想以上にダメージが大きく、本当に殺し屋に命を狙われたのかと思いました。


 私がご飯を食べていると、春樹が仕事の内容を話し出します。

今日は、春樹も予想外のダメージを受けているし、簡単な仕事が良いと願いました。


「今日の敵はテロリスト。

ある領土を占拠し、自分の土地と言い張って、周囲の国の人々を攻撃している恐ろしい奴だ。

ある国の首相から、そく奴を捕らえるように依頼された。

奴の全身はもはや凶器、近付く人間を皆殺しにするほどの破壊力を誇る! 

対策を立てていかねば、俺といえども命は無いかもしれないほどの化け物だ!」


春樹の顔は震えていた。それほどまでの強敵なのだ。

何も大ダメージを負った日に、こんな危険な依頼が来なくても良いじゃないか……。

そうは思ったが、これも仕事。私も全力で臨まなければならない。

いったい、どれほどの強敵なのだろうか? 

一国を脅かすほどの存在を相手に、私達二人で立ち向かえるのだろうか? 

失敗すれば命は無い。


 私は兄が案内する場所へと向かう。

飛行機も電車も乗らず、歩いて着いた場所は公園だった。

どういう事なのだろうか? 

まさか、犯人はこの場所で爆弾テロでも仕掛けようとしているのだろうか? 

人通りは多いけど、大した被害が出そうでもない。


「テロリストはどこ?」


春樹が指差した先には、一人のホームレスが寝ていた。

まさか、今はホームレスをしているが、元々は危険な奴なのだろうか? 

それとも、身分を隠すため偽装しているのだろうか? 

私は春樹に尋ねる。


「ホームレスが一人いるだけだ。まさか、あいつが今回のターゲットなの?」


「そうだ! 臭い、汚い、気持ち悪いの三Kを持つ恐るべき相手だ。

人々を洗脳する音楽を大音量で流している。

更に、周囲に猛毒の瘴気を振りまいている。

一呼吸でも吸えば、命さえも奪いかねないほどの強敵だ! 

一国の主である奴の息子から回収を依頼されている。

何とか奴の精神を破壊し、自分で国に戻るようにさせなければならない!」


真剣に説明している春樹だったが、私の中に殺意が芽生え始めた。

全力でぶん殴りたいという衝動に抗う事ができない。


「分かったわ。二人まとめてまともな人間にしてあげるわ!」


私は愛刀のフルンティングを構え、春樹を攻撃する。


「喰らえ、フルンティング・カッター!」


フルンティング・カッターは、私の持っている技の中でも一番早い攻撃技だ。

反射神経に任せ、対象を攻撃する。威力は落ちるが、確実にダメージを与える事ができる。私の攻撃は、春樹の右肩を攻撃したが、クリティカルヒットはしなかった。

ちっ、戦力を奪うほどではなかったか……。


「バカな! 夏美が俺を攻撃しただと? まさか、洗脳されているのか? 

おのれ、凶悪なテロリスト『タキシム』。俺の妹を怪しい音楽で操っているというのか?」


春樹は涙を流しているが、私は構うことなく攻撃を続ける。


「喰らえ、フルンティング・ビリヤード!」

フルンティング・ビリヤードは、相手の弱い所を突く一撃の攻撃。

一点に集中した攻撃力は、軽々と相手の鎧を打ち破る。

春樹が防御態勢を取る事を予測し、この攻撃に切り換える。

私は春樹を半殺しにする事ができるのだろうか? 

そして、ホームレスの心を折り、家族の元に帰す事ができるのであろうか?


私の攻撃は、生意気にも防がれた。

単純に、武器のヒュドラ―を盾に変形させ、防御したのだ。

いくら攻撃力が強い一撃といっても、防御力が段違いなら勝てるはずもない。

私は離れて、間合いを取る。


「ふはははは、洗脳されているとはいえ、お前は俺に勝てるはずもない。

なぜなら、お前の攻撃パターンは全て知り尽くしている。

お前は武器の名前を言ってから攻撃しているが、それが弱点。

それでは、俺のカウンター攻撃を受けて……」


春樹の話が長いので、そのまま傘で殴り倒した。

朝に受けたダメージが功を奏したようで、派手に血を流して転げ回る。

これで、ホームレスに恐怖心を与える事ができた。

ホームレスは、私を見て怖がり始める。


「ひい、寄るな、化け物!」


言い方は気にくわないが、殺してしまっては、報酬はもらえない。

ホームレスの手前十センチ地面を攻撃する。

地面にクレーターができ、脅すのに最適な結果となった。

私は思わず笑いながら語りかける。


「死にたくなければ、さっさと身体を洗い、服を着替えて、家族の元に戻りなさい。

報酬を受け取った後は、見逃して・あ・げ・る♡」


ホームレスは跪き、こう約束する。


「はい! 銭湯に行ってから、家族の元に帰ります! ですから命だけは……」


「本当に? 今日中にできる?」

私はそう言って、傘を地面に突き刺す。


「はい! そうします!」


その後、ホームレスの家族から報酬を受け取り、春樹を介抱してから家に帰って行った。家に着いたのは、もう夕方だった。宿題や家事に追われて、寝る時間が遅くなる。

しまった、明日は部活の朝練があるのに……。

私はテニス部だから、練習がハードなのだ。明日に備えてすぐに寝る事にした。

はあ、来週こそまともな仕事ができるのかな? そう思いながら眠りに着く。



天草夏美あまくさなつみ


幻住高校一年C組カプリコーン 十六歳

身長 155センチ 体重 40キロ

血液型 B型 B87 W55 H89

誕生日 8月6日


性格 兄貴思いの妹。しっかりものタイプだが、兄になんか変な憧れをもっている。

二人は孤児として育ったため、両親も親族もいない。

唯一、自称暗殺業をしている親代わり(姉と見ているぽい)と孤児院の創始者を親と見ている。

孤児院後次候補として、武器兼候補者の証・ピンクの傘『フルティング』を使う。

威力は鉄製のためかなり強力だが、普通の傘だ。

同じ種類の傘は十二本あり、全てに剣の名前が付いている。

傘の所有者それぞれが自分の技を鍛えている。

孤児院は『円卓の騎士団』という名前であり、全てが専門の仕事を出来るように鍛えられて育った。

彼女は特出したスキルもないが、全ての能力において優秀のため、候補者の一人に選ばれた。

後継者になりたいという欲望は無いが、尊敬する親からもらった武器として大切にしている。


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