貴女が神か!
よろしくお願いします。
とある日の友人同士のお話。
ぽかぽかの春の日、一年中好んで飲んでいる麦茶を煎餅と共に友人と仲良く一服中。ふと呟く私がいました。
「……何故に治らない………というか悪化した気がする……」
「ん?何が?」
「いや、私さぁ、こないだの冬の同人イベントの翌日、もうこれでオタクライフサイクルは断つ!!このヤマイから脱け出す!とか言ってたでしょ。あれ聞いた時どう思った?」
「あ~…、正直に言って良いのかな?」
「うむ、是非とも忌憚ない気持ちを聞かせてくれたまえよ」
友人からのツッコミ待ちですがなにか。
そして希望通りのツッコミはいりま~す!
「誰なんだお前は。…『無理だな』って思いました、まる」
「うん、大変正直に言ってくれましたね、っていうか四文字で済まされたよ私の決意……」
ガックリしてしまった私に対し、またもや友人のツッコミが。
「だってさぁ、YOUのその足抜け宣言、何回目なのさ?中学生から言ってるよね?何年か毎に言い出すからもう聞き飽きたんですけど~」
……よく考えると、オタク足抜け宣言する中学生は嫌だナァ…いつからその道に入ったんだっての。
…なーんてブツブツ呟く友人。確かに!私も姪っ子が小学生で冥腐道(造語)に入り込もうとしていたら全力で阻止するね!お前にはまだ早い!とかね!私自身の時は止めてくれる人がいなかったけどね!ハハハ!!
………泣いてなどおらぬ!これは心の汗じゃあ!!
早くなけりゃ冥腐道(造語)に入るのを止めないんかい!というツッコミが何処かから聴こえる気がするけど、気のせい気のせい。
「そんで、何が治らなくて悪化したって?」
ゆーてみんさい、という友人に、悩みを打ち明ける私。
「いやぁ、ジャ●プ断ちをして早数年。イベントで買う本も少なくなったし、いいトシだし、そろそろ妄想力も働かなくなるかな、少なくとも衰えてきたよな、じゃあもう足抜け出来るよな、という事だからまずは蔵書の処分でも始めようと思ってさ。押し入れの整理始めたんよ~」
「ほうほう良いことじゃあないか。何か問題が?」
「大有りでした(キリッ)」
皆様は有りませんでした?試験勉強だの年末大掃除だの、嫌いな作業をしなければならない時、ついつい別に今しなくてもいいことをしてしまったり、処分するために纏めていた雑誌を紐ほどいて読んでしまったり、とにかくそんな事後でいいでしょ!今はこれをしなさい!というのが出来ないんですよね、私。…テストの結果は、聞かないで下さい……。
さて、長年溜め込んだ我が蔵書達よ、別れの時は来たかもしんないぜ!ハハハ!という変なテンションで、いざ!とばかりに押し入れの襖を開け放つワタクシ!迎え撃つは吟味に吟味を重ね、処分から免れてきた我が選りすぐりの蔵書達!
うん、瞬殺&完敗しましたよ?
だってさぁ、今まで何百冊っていう数の薄い本処分してきて、それでも残った品だよ!?サバイバル上級者だよ!?表紙とかタイトルが見えたらもう駄目だよ手に取って読んじゃうよ読んじゃったらハマるよシリーズ物なら続きを探して読むに決まっているじゃないか!!!
「…で?結局どうなったのさ?」
「●L文化の素晴らしさに触れ、再び年に数度の同士の集まりに参加したいと思いました、まる」
「あ~、つまり、オタクという名のヤマイを治そうとしてまずは本から片付けるか、と本箱開けたら、逆に昔の最盛期のパッションに触れてしまい、治るどころか益々重く悪化したって事?」
「恥ずかしながら、そんな感じです」
「まあ、足抜けは無理だとは思ってたけど、更に悪化したとはね。私には出来ない事をやらかしてしまうッ、そこにシビレる憧れるゥッ!」
「それ誉めてないよね」
「うん」
酷い。
シクシク泣き真似する私に、全然腐っていないけどオタクな友は言いました。
「諦めなさい、君は不治のヤマイなんだ。例えブラ●●・●ャッ●先生でも無理だから。君はかけふ病なんだよ」
「諦めたらそこで試合終了だって、ホワイトヘアーデビル先生が言ってました」
「なぜそのニックネームの方で呼ぶ」
「ところで かけふ病 って何?聞いた事無いです、先生」
「うむ、まだ学会には発表しておらんのだがね、他でもない君には教えておこう」
ノリの良い友人大好きです。
「かけふ病とは、私が発見した。二次元、もしくは三次元の男性同士を妄想のもと、何らかの恋愛感情、肉体関係があると仮定し、物語を漫画に描いたり小説にしたり、またその二次作品を喜びを持って受け入れる人々がかかるヤマイなんだ。」
「ちなみに漢字で書くと掛ける、に 腐 、で、掛腐病だよ」
……………あなたが神か!!!!!
「すごいすごい、メ―さんすごい!この短い会話中にその話思い付いたん?すごい面白い!」
「いや、そんなに興奮するほど凄い事を言って無いと思うけどね?」
「だって掛腐病だよ!?字面からしてドンピシャのネーミング!スゲェ!」
あなたが神か!!って思ったもん!と一人騒ぐ私に、メーさんはちょっとだけ驚いた顔をして、それから呆れたように笑った。
それから数年後。とんでもない事が発覚したのです。
なんと、メ―さんは、本当に、女神様、だったのです!!!!!
ナ、ナンダッテー!
ありがとうございました。