第47話「本物」の「本物」が好きな差身wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
それから僕の沙織は佐藤さんにオート25の扱い方などを教えつつ、色んな沙織達からスマホに次々と連絡が来るので対応に追われていた。
沙織は佐藤さんに「基本を守れwwwwwwwwwwwwwww」と何度も注意していた。
沙織の言う基本というのは3つだった。
1つ「正確に銃を扱えwwwww特に銃弾の装填はしっかりとwwwwww」
2つ「周囲をよく見ろwwwwwwwww自分が撃とうとした時には自分が撃たれそうになっていることが多いwwwwwwwwwwww」
3つ「冷静に行動しろwwwwwwwwwwwww誤射するから目の前に味方がいる時は敵がいても絶対に撃つなwwwwwwwwwwwwww」
まあ確かにあれだね。
このオート25というのは佐藤さんでも何回か撃っていたら、思ったより早く使い慣れてきたんだけど、みんなが総出で殺しあう戦場では、沙織が言うことを守らないと自分の命を失うだけではなく、仲間の命を消してしまうかもしれない。
あの異常な状況でどれだけ自分が冷静でいられるかが重要なんだろうね。
色んな世界線の技術が集結してるんだから、どう考えても太田道灌軍よりも僕達の方が有利に決まってるんだけど、全員が怯えて統率が取れなくなりミスを連発したら、戦局が太田道灌軍に傾く可能性は充分にありえる。
向こうは戦いに慣れてるだろうし、こちらが勝手に自滅し始めて攻撃の手が緩んだら一気に攻め込んで来るだろう。
どんなに優れた技術を持っていても、僕達は全員殺されてしまうことだってある。
だからこそ、沙織はとても単純というか、絶対にやらなければならない3つのことを何度も繰り返していたのだろう。
「若菜ちゃんwwwwwwwwwwwうまくなったなwwwwwwwwwwwwwwwwwこれ以上撃っても弾を無駄にするだけだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwそろそろ止めておこうwwwwwwwwwwwwwwww」
僕の沙織は一生懸命オート25の射撃などの訓練を続ける佐藤さんを労い、そして朝まで撃ち続けてしまいそうな佐藤さんを止めた。
佐藤さんもオート25の操作に手応えを感じているのか、充実した顔で沙織に応えた。
「沙織のおかげで戦えるようになったぞ!ありがとう!思ったより狙った所に弾が飛んでくね!」
「ああwwwww若菜ちゃんがうまいからなwwwwwwwwwwwでも必ず味方が全員後ろにいる時以外は撃ってはいけないwwwwwwwwwwwww焦ったら負けだwwwwwwwwwwwwwww相手を引きつけて若菜ちゃんが考えているよりも近くで撃つんだwwwwwwwwwwwwwww」
「こんなことになるなら沙織達みたいに大きな銃を撃てるようになりたかったな」
「またいつでもそういう機会はあるだろうからwwwwww次は若菜ちゃんも色々武器を扱えるようになってから戦おうwwwwwwwwwwwwwwwww」
そう2人は仲よさげに笑ってるんだけど『次』って何?
これが終わってもまたなにか起きるっていうの?!
「沙織、もうこれが終わったら銃とかはなしだぞ。こんなこと続けてたら絶対にいつか死んじゃうぞ」
僕がそう言うと僕の沙織は病んだ笑みを浮かべこちらを向いた。
「いやwwwwwwww情報によるとこれが『最初』の『本物』の事件らしいぞwwwwwwwwwwwwwwこの先いっぱい事件が起きるらしいwwwwwwwwwwwwwwwしかしその詳細はまだ謎のままwwwwwwwwwwwwwwwww思ったより楽しい高校生活が送れてよかったなwwwwwwwwwwwwww」
おい…沙織…お前、何でそんなに楽しそうなんだよ…
多分、それって他の沙織達から聞いた情報だろうから間違いないんだよね。
はっきり言って死にたくないんだよ!!!!!!
何でこんなカオスな状況なのに100戦練磨の傭兵のように余裕そうな笑みを浮かべてるの?!
人が死ぬのも殺すのも自分が死ぬのも何で恐れないの?!
「そうだよ、差身君。高校生になっても中学生と同じことの繰り返しじゃおもしろくないじゃん。私、勉強とかできないから3年間学校でだらだらしてるつもりだったけど、こうやってみんなで本気で何かするのって楽しいじゃん。たくさん殺すぞ-」
佐藤さんも僕の沙織に同調しているのか、それが当然のように佐藤さんは真顔で僕を見ながらそう言った。
えっ!佐藤さん…佐藤さんまで何言っちゃってるの…
確かに平凡な毎日を過ごすのってつまらなそうだけどさあ。
僕も高校生になってなにか新しい経験とか、思いつきもしない楽しい事件が起きたら良いなとは思うんだけど。
ここまで「本物」の事件が立て続けに起き続けると、つまらない日常に帰りたくなるよ!!!!
あれ?もしかして僕の方がおかしいのかな?
死にたくないって当たり前の感情だと思うんだけど…
あれ?おかしいぞ…そもそも何でこんな所に僕はいるんだ?
こんなことあってはならない。こんなことリアルではない。
そうなると僕は本当に差身なのか?
差身って誰?!
あああああああああああっ!!!!狂ってきた!!!!!狂ってきたああああああああっ!!!!!!
「そうか。差身君とはこうやって付き合えばいいんだね」
佐藤さんは僕の沙織に笑いかけると、僕の沙織は病んだ笑みを浮かべながら何度か頷いた。
「その通りwwwwwwwwwww差身とはそうやって付き合えばいいwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
僕の沙織が「よくわかったなwwwwwwwwwwww」と何かの謎解きに成功したような佐藤さんを褒めるように言った。
僕には2人が何を言っているのかわからなかったんだけど、2人の中では僕に対する共通認識が芽生えたようだ。
「私は知っているwwwwwwwwwwwwwwwwww差身は『本物』が大好きwwwwwwwwwwwwwwwwwww『本物』であればあるほど差身は見てくれるwwwwwwwwwwwwwwwwww」
僕の沙織は目を閉じどこか優雅な感じでそう語ると、佐藤さんも笑いながら「なるほど!」と相槌を打った。
僕にはよくわからないんだけど、2人はかなり仲良くなってきた。
その点に関しては凄く良いんだけど、佐藤さんも沙織にかなり毒されてきたな…
そんな時、看護服の沙織が病んだ笑みを浮かべながらこちらにゆっくりと歩いてきた。




