第45話「本物」のオート25wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
それから「本物」の作戦会議は続いたんだけど、終わるのにそんなに時間がかからなかった。
沙織達は沙織達で明日どのように戦うのか決めているみたいなんだけど、「万が一こちらの作戦が漏れるといけないwwwwwwwwwwwww」と言って詳細は何も話さなかった。
でも、小机さんも沙織達も「太田道灌を打ち倒さなくてはいけない」という点で一致しているせいか、特にお互い疑心暗鬼になることはなかった。
夜明け前に集結することを確認すると、各自準備のために散っていった。
それにしても沙織達は一体何するつもりなんだろうなあ…
めっちゃ工事してる音とかするんだけど…
しかも重機が動いてる音までするんだよなあ…
いったいどうやって持ち込んでるんだよ…
僕も特にやれることはないんだけど、沙織になんとなくついて外に出ようとすると、小机さんについて行っていた佐藤さんが小走りでこっちにやってきた。
なんか決死な覚悟で来たような感じなんだけど、佐藤さんは息を切らしながら僕と沙織を真剣な目で見ていた。
「おい!沙織!私も戦う!私にも使えそうな武器を貸してくれ!」
佐藤さんは僕の沙織にそう強く訴えると、僕の沙織は呆れたような顔して首を振った。
「駄目だwwwwwwwwwwwww若菜ちゃんは隠れてるか今のうちに元の世界に帰ってくれwwwwwwwwwwwwwww『本物』の戦争っていうのはなあ目の前で次々と人間が簡単に死んでいくんだぞwwwwwwwwwwwwwwww武器を持ったこともない奴はいるだけ邪魔だwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
僕の沙織がすぐに話を終わらせて歩いて行こうとしたんだけど、佐藤さんは僕の沙織の腕をグイッと引いた。
僕の沙織はそれにかなり驚いたようで、振り向いて何も言わずに佐藤さんを見下ろしていた。
「私はこの世界で死んでるようなものなんだ…わけのわからない空間をさまよっているうちに、この世界にたどり着いてウロウロしてたら敵の武士達に襲われたんだ。逃げまくったけど絶対に死ぬと思った。でも、たまたま城の外にいた小机様が私を助けてくれたんだ…小机様はとても優しい方でこの城に私を入れてかくまってくれたんだ…」
佐藤さんが声を絞りだすように自分の心の奥に隠しておいた気持ちを吐露すると、僕の沙織はどう対処すべき判断つかないのか困ったような顔をしてしばらく黙りこんだ。
ああ…ごめんね…今更だけど、それ全部沙織がやったことだから…
佐藤さんは沙織のカバンを切ったかもしれないけど、佐藤さんは武士達に斬り殺されそうになってたんだね!!!!
「おい…wwwwww死ぬかもしれないんだぞ?wwwwwwwwwwwwwww」
沙織がそう確認したんだけど、佐藤さんは強く沙織を見上げていて気持ちは変わらないようだった。
「それでいい!!!!私!!!!小机様の役に立って死ぬのならそれでも構わない!!!!このまま元の世界に帰ったら!!!!絶対に一生後悔する!!!!」
必死に自分の気持をぶつける佐藤さん。
僕の沙織は「うーん」と唸り考え込んでいた。
多分、佐藤さんは小机さんに助けてもらったから、何か恩返しがしたいんだろうな。
だからずっと小机さんに対して気を使っていて、このまま元の世界に帰るに帰れないんだね。
僕の沙織も佐藤さんの気持ちは分かるんだけど、本当に死ぬかもしれない『本物』の戦争に佐藤さんを巻き込めないんだろうな。
しかし、僕の沙織はしばらく考えこんだ後、急に病んだ笑みを浮かべながら佐藤さんの肩を叩いた。
希望を見出したようにハッとした表情で佐藤さんは沙織を見上げた。
「そうだなwwwwwwwwwじゃあ若菜ちゃんも明日の戦争に参加するかwwwwwwwwwwwwwwwwwww明日の戦争は絶対に忘れることができない思い出になるぞwwwwwwwwwwwwwwwwww小机さんも若菜ちゃんも心の中で色褪せることのない思い出作りをwwwwwwwwwwwwwwwwwwwちょっと待っててくれwwwwwwwwwwwwwwwwww」
僕の沙織はそう言ってどこかに走っていったんだけど、すぐに何か手に持ちながら走って帰ってきた。
「若菜ちゃんが使えそうなのはこれくらいだなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww念のため持ってきて良かったwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
僕の沙織は手のひらに収まる程度の小さな拳銃と、何かがぎっちり詰まったさっき僕が沙織に持たされたのと同じショルダーバックを手渡した。
「沙織!!!これおもちゃじゃん!!!!ちゃんとした武器をくれ!!!!!」
佐藤さんは「ぐぬぬぬぬぬ」と怒り出し沙織にそう言ったんだけど、僕の沙織は病んだ笑みを浮かべながら落ち着いてそれを見ていた。
「若菜ちゃんwwwwwwwwwwwwwwwwwこれはちゃんとした武器だwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww貸してみなwwwwwwwwwwwwwwwwww」
僕の沙織は佐藤さんの手からおもちゃのような拳銃を取ると、佐藤さんに渡したショルダーバックから銃弾を取り出しおもちゃのような拳銃に装填した。
「ニャンパスwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
僕の沙織はニヤリと病んだ笑みを浮かべながらそう言うと、頭上に手を伸ばし拳銃を上空に向けた。
そして目に黒い影がかかり凶悪な光を放つと、僕の沙織はおもちゃのような銃の引き金を引いた!
すると「ズバアアアアアアアアアン!!!!!」と信じられない位の銃撃音が響き渡った!!!
「のわああああああああああああああああああああああっ!!!」
目を見開きめっちゃ驚いた佐藤さんはそのまま後ろに倒れて尻餅をついた。
僕の沙織はどこか自慢気に病んだ笑みを浮かべながら、尻餅をついた佐藤さんに歩み寄るとおもちゃのような銃を佐藤さんの目の前に差し出した。
佐藤さんは恐る恐る手を伸ばすと、そっと手に取りじっと見つめていた。
「な?wwwwwwwwwwww『本物』の武器だろ?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwそんなに命中力はないが当たれば死ぬぞwwwwwwwwwwwwwww女性の護身用にも使われる銃だから若菜ちゃんにも扱いやすいwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
「へえ、これ本当に本物の銃なんだ。凄いね…」
「そうだぞwwwwwwwwwwwwwwこの25オートはその名の通り小さな25口径の銃弾しか撃つことができないwwwwwwwwwwwwwwwwwwほらこの間餃子の王将の社長が撃たれた事件があっただろ?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwあれも25口径wwwww小さいが充分殺傷能力がある上に武器を持っていると思われないのが利点だから暗殺向きwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwそういやあの事件で銃撃音が全く聞こえなかったらしいがwwwwこんな小さな銃にサイレンサーなんてあるわけないからwwwwwかなり腕の立つ殺し屋が自作のサイレンサーでも作ったんだろうな…wwwwwwwwwwwwwwwww」
僕の沙織は気分良さそうに目をつぶりながら言うんだけど、佐藤さんは沙織が何を言ってるわよくわからなかったみたいだし、僕も何の話なのか全くわからなかった。
そ…そうなんだ…今、確かにかなり大きな銃撃音がしたから、これが聞こえないということは何らかの方法で音が聞こえなくしたんだろうね…
沙織…お前、なんでこんなことにそんなに詳しいんだ?
単なる武器マニアの知識じゃない気がするんだよ!!!!
暗殺とか言ってるけど、ずいぶんそっちの方も詳しそうですね!!!!
コブ達といい、様々な武器を用意してるのといい、絶対に非合法ななんかには関わってるんだよね…
というか、沙織!!!!お前!関わってるというより、非合法な組織そのものだろ!!!
お前は一体!!!何者なんだあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!
僕の沙織は佐藤さんに手を差し伸べると、佐藤さんも僕の沙織の手を握り返し立ち上がった。
何となく僕の沙織と佐藤さんの間にあった壁が消え、2人の心の世界が繋がったように見えた。
それは友情なのか、明日の戦争を共に戦うからなのか分からないんだけど、色んな理由が縦横的に組み合わさって、確かに2人は1つの心の世界を共有していた。
「若菜ちゃんwwwwwwwwwwwwww明日はみんなで最高の戦争を楽しもうwwwwwwwwwwwwwwwwwwwそしてリア充どもを殲滅するんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
僕の沙織は差し伸べた手を緩めずに、ガッチリと佐藤さんの手を握り、熱く病んだ目線を送ると佐藤さんも強く見つめ返しうんと頷いた。
ともに戦うこととなった僕の沙織と佐藤さん。
命がけの戦争だというのに怯むどころか自ら立ち向かっていく2人。
2人の心は強く強く結ばれていった。




