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幼馴染みの彼女が僕を殺しにやってくる!  作者: ぱんだ祭り
「本物」の入学式編wwwwwwwwwwwwww
32/204

第32話「本物」の城へwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

 撃つか…

 かなり「本物」が加速している沙織を見て僕はそう決めた。


 沙織に逆らうとこの世界から元の世界に戻れない。

 だけどそれ以上に、今お堂を守っている武士達を見殺しにしたくはなかったし、沙織の「少ない方弱い方を助けてやろうwwwwwwwwwwww」という考えには同じ意見だった。

 そして沙織の気持ちに答えてあげたかった。

 沙織が人のために何かしようというのはめったにないことで、それは良いことだから認めてあげないとな。


 弱者に手を差し伸べる優しさ。

 僕しか知らない沙織の良いところ。


 沙織がめっちゃ楽しみにしていたせっかくの戦争(デート)なんだから、たまには自分の彼女を喜ばせてみるか。


「分かった。沙織、撃つよ。これどうやって撃ったらいいんだ?」

 

 荒ぶる沙織にそう言うと、沙織は一気に表情を輝かせ僕の手を握った。

 僕の周りで大騒ぎしながら沙織はしばらく喜んでいた。


「差身!!!!一緒にリア充を殲滅しよう!!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 それから沙織は僕にRPGの撃ち方を教えてくれた。

 見た目と違い意外と初心者でも扱える武器らしい。

 沙織は「憎い奴のいる方向へニャンパスすればいいwwwwwwwwwwwwwwwwww」と言っていた。

 色々教えてもらってこれから撃とうとした時、沙織が「あの憎い山めがけて撃てwwwwwwwwwwwwwwww」と言ったから、川の向こうの山を見たんだけど…

 あれ?なんかこの風景見たことあるな…

 というか、このへんの景色って、全部見たことある気がするんだけど…

 まさかこれって…


「沙織、ここって小机町なのか???」


 そうなのだ。こうして落ち着いてよく見てみると、僕達が住んでる街だ。

 プリンスペペも第三京浜も日産スタジアムもなんにも見えないんだけど間違いない。

 今までそれどころじゃなくって気がつかなかったんだけどここは小机町だ。


「なんだ差身は気がつかなかったのか?ここはまさしく小机町wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwそしてリア充太田道灌はあの山の中wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww我々の高校がある場所に陣を作っているwwwwwwwwwwwwwwwwwwwああ!!憎々しい!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwあの腐れ高校にリア充太田道灌wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww差身!!!早くRPGをぶち込んでやるんだ!!!!!呪いの地を爆発させるんだ!!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 ああ、確かに今は見えないけど、あのへんの山の上に、将来??僕達の高校が建つと思うよ…

 沙織も大嫌いな高校にリア充太田道灌がいるので、二重に殺したくて仕方がないんだろうな。

  

「こーろーせ!!!!wwwwwwwwこーろーせ!!!!wwwwwwwwwwwwこーろーせ!!!!wwwwwwwwwwwwwこーろーせ!!!!wwwwwwwwwwwwww」


 沙織が両手を上げてめっちゃ荒ぶりながら、シュプレヒコールを上げた。

 目に黒い影がかかり凶悪な光を放ち、暗黒オーラを燃え上がらせていた。

 でも沙織は怒っているわけではなくて、めっちゃ興奮しRPGが発射されるのを楽しみにしていた。

 僕は沙織が病んだ状態ではあるが大興奮で喜んでいるのがちょっと嬉しかった。

 自分の彼女が嬉しそうにしているのに、それが嫌な人なんていないだろう。

 

 僕は沙織に「いくぞ」と目で合図を送るとRPGを発射した。


 ズダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!!!!!!!


 主にRPGの後ろの部分から爆煙が吹き出し、撃ってる僕自身が吹っ飛びそうになったが何とかこらえた。


 RPGから放たれた羽のついた小型ミサイルみたいなものは高速で旋回している。

 そして遠い未来??に僕達の高校が建設されるだろう太田道灌が陣を作る山めがけて飛んでいった。

 それは生まれて初めて武器を手に取り本当に発射するという、僕にとって「本物」の事件であり精神的に衝撃を受けた。

 あんまり人が死なないと良いなあと思いながら飛んで行く小型ミサイルみたいなものを眺めていたんだけど、一仕事やり終えたからか僕は肩からRPGを下ろすと深くため息をつき、目を細めその行方を追った。

 

 10秒もかからなかっただろうか?

 太田道灌が陣を作っているという山にRPGが着弾すると、きのこ雲が上空に一気に立ち上った。

 それから1~2秒して「ズバアアアアアアアアアアアアアアアン!!!」と凶悪な爆発音が聞こえてきた。

 それは神が人間に天罰を下すが如く、そこにある全ての物を消し去るような恐ろしさであった。


 ああ…そうか…

 光の方が音よりも速いんだよね…

 あんな遠くで爆発が起こったら、目で見えるきのこ雲より音の方が若干遅くなるんだね…


 沙織が僕の横に寄り添うようにくっついてきた。

 着弾して先で山火事でも起きたのか、メラメラと炎が立ち上るのを僕達はじっと見ていた。

 沙織を見ると憑き物が取れたかのように、めずらしく素直そうな目になっている沙織が燃え上がる山を見つめていた。

 いつも以上にめっちゃ沙織が美しく見える。


 沙織は何を考えているんだろう。

 憎い物が爆発してスッキリしたのだろうか?

 憎い、だから殺す。

 この沙織の中にあるロジックは、沙織の心が繊細だから生み出されたものだ。

 誰とも心を統合できない沙織は、嫌なもの全てを破壊したくなる。

 でもだからといって、沙織は常に破壊衝動にとらわれているわけではない。

 自分の心が軽くなったら、沙織だって誰も殺したいと思わない。

 沙織の心が見えるわけではないんだけど、沙織の中の何かが変わった気がした。


「差身wwwwwwwwwwwwwwwお堂によって準備してから小机城にでも行くかwwwwwwwwwwwwwwwwww我々が顔を出さないと収拾つかないだろうからなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織は火の手が強くなった山を満足そうに見ながら、いつものように病んだ笑みを浮かべながらそう言った。

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