第201話「本物」の盾のYoutuber③wwwwwwwwwwwwwww
強い光が落ち着いてきた。
気がつくと僕達は緑色の光の膜の中にいた。
その幕の上には撮影で使うようなライトが僕達を照らしていた。
様々な方向にカメラも設置されている。
かなっちの抱える演壇の上にも小さいカメラやマイク、ノートパソコンなど…
すぐにでも動画配信できる準備が整っていた。
「凄いのだ!私専用の撮影スタジオができたのだ!これだけ設備が整っていたらみんなで配信できるのだ!」
かなっちは目を輝かせそうかなり思い込んだようにそう言った。
夜中なのに昼間のように明るいし癒されるような気分にもなる。
森の中で穏やかに過ごしてる感じみたいな。
「でも夜にこんな見晴らしが良いところで私達が明るい場所にいると…私達は狙撃される危険があると思うのですわ…」
清城京は妄想に浸っているようなポワンとした顔で微笑んだ。
「そうだよ。周りが真っ暗なのに目立つんだよ」
若菜ちゃんもあんまり良く分かってなさそな顔でそう続けた。
「ああwwwwwwwwwwwあの時www私もそう思ったんだwwwwwwwwww米軍は私達を殺しに来るってねwwwwwwwwwwwwwwwwwこれだけ目立てばwwwwwwwwwwwwww」
沙織のママ…いや看護服の沙織がそうつぶやいた時だった。
僕の危険察知センサーが唸りを上げて反応した!
沙織が殺しに来る度に心の中で殺されないために響くあれが!!!!
「みんな!伏せろ!」
僕は一番戦い慣れていないかなっちをとっさに抱きかかえ地面に伏せた。
アサルトライフルっぽい凶悪な銃撃音が響く。
ああでも…そこまで響かないからサイレンサーでもつけてるのかな…
他の「本物」達も伏せたんだけど、その狂った殺人鬼のような「本物」の目は僕とかなっちに向けられていた。
あれ?でも看護服の沙織だけは落ち着いた様子で立っていた。
銃撃音など聞こえていないのかように。
「差身君がかなっちだけ助けたんだよ!差身補完計画には順番って書いてあるんだよ!先にセックスしたら駄目なんだよ!」
若菜ちゃんがあんまり良く分かってなさそうな顔で笑いながら声を上げた。
「そうですわ!アイドルみたいにかわいいからって調子乗りやがってええええええええええ!!!!この2足歩行のアライグマは差身補完計画の通り違反者には死をあたえるのですわああああああああああああああああああああっ!」
清城京が妄想に浸っているようなポワンとした顔で叫ぶと、伏せたままこちらに向かってワルサーWA2000金髪リボン改の銃口を向けた。
清城京の手は怒りで震えていた。
「みんな、それより大変」
天使はそう言うといつも通りの無表情で落ち着いて立ち上がった。
銃撃音はまだ段発的に鳴り響いていたんだけど、天使は全く無防備に立ち尽くしていた。
「安全…銃弾が弾かれている…」
天使はいつも通りの無表情で周囲を見渡した。
確かにそうだ…かなっちの専用武器が作り出した僕達を包む緑の膜のようなもの、かなっちの専用スタジオは銃弾を何事もないようにはじき返していたのであった。
「そうだwwwwwwwwwwwwかなっちの専用武器の特徴は防御wwwwwwwwwwwwwこのかなっちの専用スタジオ内ではあらゆる武器が360度上下左右通用しないwwwwwwwwwwwwかなっちの他人を跳ね除ける魂が生み出した専用武器wwwwwwwwwwwwwwww」
看護服の沙織は自分のⅯ16-A4沙織改を病んだ笑みを浮かべながら肩に乗せた。