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幼馴染みの彼女が僕を殺しにやってくる!  作者: ぱんだ祭り
「本物」のYouTuber編wwwwwwwwwwwwww
196/204

第196話「本物」のデス流れ星wwwwwwwwwwwwwww

 恐るべき女「沙織」を生み出した「本物」のパパ…

 沙織と結婚したらこの「本物」のパパも僕にプレッシャーを与えてくるんだよな…

 僕が身動き取れなくなっていると沙織が僕からさっとスマホを取り返した。


「もう駄目ですwwwwwwwwwパパは差身を解放して下さいwwwwwwwwwwww作戦に影響が出てしまうwwwwwwwwwww…わかったwwwwwあとでLINEで送っておいてwwwwwwそうだそろそろ流れ星をみんなで見るからパパも空港から見てねwwwwwwwwwwニャンパスwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織は機嫌良さそうに病んだ笑みを浮かべながらスマホで話すと音声通話を切った。


「差身wwwwwwwwwwあとでパパがこっちに来ると言ってたぞwwwwwwwwwwwwwまあいいやwwwwwwwwそろそろみんなで天体観測など少々wwwwwwwwwwwwwwかなっちwwwwww全世界へライブ配信を頼むwwwwwwwwwwwみんなで星を眺めた思い出をYoutubeに記録しようwwwwwwwwwwww」


「わかったのだ!スマホズームレンズを持ってきておいて良かったのだ」


 かなっちはそうかなり思い込んだようにそう言って、撮影で使っているスマホに望遠鏡のような長いレンズを取り付け調整を始めた。

 かなっちは動画の再生回数がバズリ続けているので、勝手に色々配信して回ってるみたいなんだけど、これ以上問題を抱えると僕の精神が崩壊するので見て見ぬ振りをしていた。


 するとゆっくりと清城京が立ち上がり、専用武器ワルサーWA2000金髪リボン改を手に取った。


 そういやさっきから時折、最強の遠距離盗撮(スナイパー)武器を持ちふらりと何かを狙撃しに行ってたんだけど、何を撃ってたのかな?

 あんまり考え過ぎると狂うから気にしないようにしてたんだけどさ…

 

「許しませんわ…差身様を私以外が盗撮(スナイパー)するなんて絶対に許しませんわ…」


 まるで取り憑かれたように妄想に浸っているようなポワンとした顔で清城京はふらりと部屋を出て行った。

 みんな楽しそうに、それが予定されていたイベントのように、清城京のあとをみんながついていった。


 どうも屋上に向かって階段を上ってるみたいなんだけど、最初より楽しそうな様子でかなっちもズームレンズを付けたスマホを手に持ち僕の横を歩いていた。

 あーあ、良いのか悪いのかかなっちも随分短期間で「本物」達に慣れてきちゃったな。


「かなっちも沙織達に慣れてきたみたいだね。めちゃくちゃだけど、そんなに悪い奴らじゃないから、まあ大丈夫だと思うよ」


 僕がそう言うとかなっちは嬉しそうにほほ笑んだ。


「頭はおかしいけど悪くはなかったのだ。それにみんなで撮影すると楽しいのだ。ずっと1人で撮ってたけど、お金も入るしみんなが見てくれるから続けてきたけど、こんなには楽しくなかったのだ」


「かなっちはどうしてYoutuberになったの?」


「最初は学校に行くのを止めて暇だったからずっとネットを見てたのだ。そのうち自分でもライブ配信しようと思ってやってみたのだ。そうしたらだんだんファンが増えてきて収入が増えてきたのだ」


「そうか。かなっちは動画を撮る才能があるんだよ。沙織だったらわけがわからない動画配信してすぐ駄目にしちゃうよ」


「沙織は頭がおかしいのだ。誰も思いつかないことを毎日やるのだ。まさか米軍基地を襲って戦争を始めるとは思ってもみなかったのだ。狂ってるのか天才なのかわからなくなってきたのだ。それに…」


 かなっちはしばらくうつむいてから僕をじっと見上げた。


「差身はこの戦争が終わっても私と話してくれるのか?」


 そのかなっちの意外な言葉に僕は一瞬戸惑ったのだけど、答えは最初からずっと決まっていた。


「この『本物』の戦争が終わってもかなっちとは一緒にいるよ」


 僕がそう言うとかなっちは少し微笑んだけど、またすぐ真顔になった。


「良かったのだ。この戦争は終わらせるべき戦争なのだ。私は私の役割を果たすのだ」


 かなっちは僕から目をそらしスマホの画面越しに前方を確認した。


 屋上につくといつの間にか日が暮れていて、横浜の海を真っ暗な空に僅かな星が瞬いていた。


「行きますわ…勝手に差身様をストーカーするのは許されないのですわ…」


 清城京はまるで取り憑かれたように妄想に浸っているようなポワンとした顔でそう言うと、ほぼ垂直に空に向かってワルサーWA2000金髪リボン改の銃口を向けた。

 清城京の魂がエネルギーとなり、そのエネルギー体が発射されるワルサーWA2000金髪リボン改にピンク色の暗黒オーラが取り巻き始め清城京自体もそのオーラをまとっていた。

 僕はその銃口の先を見たんだけど、特に何か飛んでいたりはしてなかった。

 ただ暗い夜空が広がっているだけ。


 連射は他の「本物」達の専用武器より劣るがその遠距離から狙撃能力は高い。

 あと清城京は誰も見えないはずのものが見えてるんだよな…

 最近、超能力的な何かじゃないかと思ってるんだけど、まあ何にしてもとんでもない距離からなんでも打ち抜く清城京は「本物」の遠距離盗撮(スナイパー)なんだよね。


「ストーカーは犯罪…ストーカーは殺す…私以外が差身様を盗撮するのは許されない!!!!!!宇宙であっても逃がしませんわ!!!!!!」


 その咆哮とともに一気に高まる清城京のピンクの暗黒オーラ。

 ズギュウウウウウウウウウウウウウウウウウウン!!!!!という凶悪な発射音と共に闇夜を一閃の光が突き抜けていった。


 特に何かが狙撃された様子もなく、爆発音もしなかったんだけど「本物」達は夜空を見上げていた。


 すると清城京が銃口を向けたあたりに、一筋の流れ星が派手にきらめいた。

 それを見てはしゃぎまわる「本物」達。

 

 何だ?何か撃ち落としたのか?

 僕だけ良く分かってなかったんだけど、清城京は何かを成功させたようだった。


 まあでもキレイな流れ星を見れて良かったのかな?

 

 ふと僕の横にいたかなっちを見ると、とても幸せそうな顔で流れ星がきらめいた夜空を撮影していた。


 その星のきらめきよりもかなっちの目は輝いていた。

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