第189話「本物」のライブ配信wwwwwwwwwwwwwww
終わった…何もかも終わったかも…
そのうち学校も再開して、何だかんだで元通りになると思ってたんだけど…
これはもう駄目かも知れないね!!!!
こうなったしまった以上はいつも通り。
「本物」達が一度暴れ始めたら、それを止める方法なんてあるわけないのだ。
リビドーの爆発が収まるまで放っておくしかない。
ああ…でも、今回はかなりリアルな社会に影響を及ぼしてる気がするんだよな…
僕にでも米軍基地で暴れまわって米兵を銃撃したらヤバいのが分かるよ!
それにさ…あの「本物」達の専用武器はどう説明すればいいの?
沙織とM16-A4沙織改だけでも、小国となら十分戦争して勝てるレベルの戦闘力じゃん。
何だか嫌な予感しかしないんですけど!!!!
「差身…差身よ…こっちに…こっちに来るのだ…」
自分で思っていた以上にあってはならない「本物」の事件を前にして周りが見えなくなっていたようだ。
その声で我に返り振り返ると、部屋の隅でガタガタと震えるかなっちの姿があった。
ああ…ごめん…あまりのことにかなっちの存在を忘れてたよ…
僕は頭を撃ち抜かれないように匍匐前進でかなっちのところへ向かった。
泣きじゃくりながらかなっちは僕にしがみついてきた。
「おい!差身!あいつらは一体何なのだ!秘密軍隊なのか?いっぱい撃ち殺したのだ…人を本当に殺したのだ…ビームが出る鉄砲で殺したのだ…」
かなっちも見たこともない「本物」の惨劇を見てかなり参ってるようだ。
そりゃそうだよね。ハンバーガー運んできたら戦争になったなんて聞いたことないしね!!!!
「そうだね…沙織達は良く戦争はしてるんだ…でも米軍基地で米兵を殺したのは初めてだからどうなっちゃうんだろうね…」
「そうなのか…差身よ、お願いがあるんだけど聞いてくれるか?」
「ん?どうしたの?」
「ライブ配信をするのだ。怖いけどこれは再生回数を上げる良いチャンスなのだ。もしかすると1000万再生回数も行けるかも知れないのだ…差身よ、手伝ってくれるか?」
明らかに怯えているのにライブ配信をすると言い出すかなっち。
かなっちもかなっちで怖がりなのに、ちょっと変わったところがあるな…
「ああ、大丈夫だけど、危ないけど良いの?」
「大丈夫なのだ!差身と撮れば、きっとうまくいくと思うのだ!私のスマホで私を追いかけて撮影してくれれば良いのだ。あと差身は一言も喋っては駄目なのだ」
「どうして?」
「差身が私と学校のない世界へ行く彼氏だということはまだ秘密なのだ」
かなっちはそういって微笑むとスマホをいじって撮影のセットをし、そのスマホを大事そうに僕に手渡した。