第181話「本物」の帰還wwwwwwwwwwwwwww
それからしばらくかなっちの動画を見てたんだけど、そんなに面白そうな話題じゃなくてもかなっちが話してるのを見てるとなんか楽しくなってくるんだよね。
そのうち沙織が清城京をベッドの下から引っ張り出し開放してみんなで見ることにした。
かなっちも落ち着いてきて、文句は言ってるんだけどそこまで抵抗しなくなった。
かなっちも色々慣れてきたし、みんながかなっちの動画を見て楽しんでるから少し気分が良くなってきたのかもね。
「見えるのですわ…かなっちさんの動画を見ておぞましい妄想を巡らせている多くの者達が…かなっちさん、あなた、そのうち居場所を特定されて襲われますよ?」
清城京は良く見ると妄想いっぱいで視点が合ってない目つきで上品にそう言うとかなっちがまた立ち上がった。
「そんなことないのだ!私のファンは質が良いのだ!ネット上で私のことを純粋に応援するだけなのだ!」
かなっちは両手を突き上げかなりそう信じ込んだように声を上げた。
「まあまあwwwwwwwwwwwwwドルヲタやアニヲタは基本おとなしい奴が多いwwwwwwwwwwww極稀にとんでもないのがいるがwwwwwwwwwwwwwww」
沙織が病んだ笑みを浮かべながらかなっちを庇うようにそう言った。
沙織がそう言うんだからそうなんだろうね。
沙織のファンみたいな人達も基本そんな感じだからな。
その後、日が暮れてきたのでかなっちは帰ることにした。
朝から動いてたせいかかなっちはめっちゃ眠そうにしていた。
しかし学校が清城京がまた殺したから休みではあるけど、それを知ってても知らなくてもかなっちは1人で平日の朝からアニメイトの前で座り込んでいた。
このまま1人で家に帰しちゃって大丈夫なのかな?
普段あんまり楽しくないから楽しそうな動画をYoutubeにあげてるんじゃないのかな?…
でも人を引きつける才能はあるんだよな。
「お前達は!ここにずっと閉じこもってるのだ!この犯罪者め!2度と私の動画を見るななのだ!2度と私に関わるななのだ!」
僕達は沙織の豪邸の外までかなっちを見送りにいったんだけど、かなっちはずっと怒っていて走って去っていった。
終わってみれば、変わった女の子と沙織が思ったより仲良しになっただけの話だったんだけど、何だか寂しい感じがした。
連絡先も交換してないし、かなっちは怒って走って帰るし、ちょっとかなっちのことが心配だった。
その日の夜だった。
「午前3時半」もう夜というより朝だ。
ぐっすりと眠り込んでたが、スマホの音で目が覚めた。
沙織からのLINEだ。
「『緊急』私の部屋に集合wwwww」と書いてあった。
グループメールで送られてるから他の「本物」達にも非常招集がかけられてる。
僕は殺されたくないので急いで沙織の部屋に行くと「本物」達はそれぞれの専用武器を装備しすでに集まっていた。
「差身wwwwwwwwwwwww遅いぞwwwwwwwwwwwwwwwこれを見よwwwwwwwwwwwwwww」
沙織は病んだ笑みを浮かべながら自分が操作しているPCのディスプレイを見るように促した。
全員でそれを見ていたんだけど、それは沙織の豪邸の防犯カメラかなんかの映像で、沙織の豪邸の周囲を映し出していた。
そしてそこには誰もいない暗闇の中、不審な人影が映し出されていた。