第176話「本物」のメークドーナルwwwwwwwwwwwwwww
「もう嫌なのだあああああああああっ!!!お前達はおかしいのだあっ!犯罪者なのだああああっ!死ぬのだ!早く死ぬのだ!絶対に許さないのだあああああああああああっ!!!」
その子は怒りと恐怖に支配されボロボロと泣いていた。
僕達はみなとみらい地区と海が見渡せるベイクウォーターにあるマクドナルドに来ていた。
ここのマクドナルドは外のテラスが心地良いのだ。
アニメイトから近いから良く沙織とも来るんだよね。
雰囲気は良いんだけどマクドナルドだから高校生のお小遣いでも楽しめるのだ。
まあ来たというかコブ達に拉致られてここまで運ばれてきたんだけどね…
コブ達が帰った後もその子が錯乱した状態でどこかに走り出そうとしていたので、僕が落ち着かせようとしてなだめていたらまた沙織が騒ぎ出して大変だったんだよ…
テーブルを囲み注文したものを食べる僕達であったがその子は僕の真横にピッタリとくっついていた。
沙織のことが相当怖いみたいで涙目で睨みつけながらコーラを飲んでいる。
もう君も沙織に関わってしまったからな…
こんな程度ならすぐに慣れてしまうよ…
とりあえず最初はあまり深いことは考えずに流していく方が良いと思うよ!
「おいwwwwwアニメイトからメークドーナルまで歩くのが面倒だから運んでもらったというのにwwwwwwwwwwどうしてそんなに泣くんだ?wwwwwwwwwwww開店までゆっくりお茶でも飲みましょうwwwwwwwwwwww」
沙織は病んだ笑みを浮かべながらその子に話しかけた。
沙織が僕に近づく女の子に最初からここまで余裕を見せるのはめずらしい。
僕もそう思ってるんだけど、この子も僕達と仲良くなりそうだと沙織も感じてるのかもしれない。
沙織も少しずつ成長してきている気がする。
あと「メークドーナル」というのはタイ語でマクドナルドのことなんだって。
「うるさいのだ!お前達は国際的な犯罪者なのだ!きっと密輸とか悪い薬とかやってるのだ!」
お前達という割には僕にしっかりとしがみつきながらその子は沙織に抗議していた。
沙織が本気で暴れだしたら僕も逃げるしかないんだけどね。
「もう大丈夫だよ。沙織はみんなで開店までここで休むつもりなだけだから。コブ達も帰ったし」
僕がその子に優しくそう言うと少し泣き止んで僕を見上げた。
「本当なのか?もう怖いことはされないのか?」
「そうだよ。沙織が全部おごってくれるって言うし開店までここでゆっくりしよう」
僕の話を聞いて安心したのかその子は少し笑顔を見せた。
「うわあ、ありがとうなのだ。お前は本当に優しくて良い人なのだ…」
その子は満面の笑みを浮かべて心から感謝しているようだった。
まあ僕がおごるんじゃないんだけどね。
ちょっとこじらせてるみたいだけど、純粋で真面目な子なのかもな。
「おいwwwwwwwwww怖いことというのはこういうことか?ニャンパス?wwwwwwwwwwwwww」
余裕そうに病んだ笑みを浮かべながら沙織は座ったままどこからか短銃を取り出しこちらに銃口を向けた。
「なっ!なんなのだ!それは本物の銃なのか?!」
また大きな目を怯えさせその子は僕の後ろに隠れた。
「デザートイーグルも知らないのか?wwwwwwwwwwwwwwそんなことでは差身を殺すことなどできないwwwwwwwwwwwwwそして差身は私でもなかなか殺すことができないwwwwwwwwwwwww」
沙織は病んだ笑みを浮かべながら短銃をどこかに隠すと、その子をじっと見つめ始めた。
「この2足歩行のアライグマwwwwwwwwwwwwどこかで見たことがある気がするんだがwwwwwwwwwww一体どこで見たのやらwwwwwwwwwwww」
沙織は病んだ笑み浮かべながら1人で考え込み始めた。
「学校はどこなの?高校生?」
その子がまた落ち着いてきたので話しかけたんだけど、気にしてることでもあるのか返事に詰まっていた。
「新羽高校の1年生なのだ…でも学校は行ってないのだ…」
急に落ち込んだようにうなだれてその子は話しだした。
あれ?新羽高校って僕達の学校じゃん。
同じ高校の同じ学年だったのか。
「私は学校が嫌なのだ。受験はしたけど行くつもりはなかったのだ。だから入学式も行くつもりがなかったけど学校が爆破されたので行かなくて良くなったのだ」
ああ…そんなこともあったな…まだ1ヶ月くらい前なんだけどさ…
色々ありすぎて何年も前のことみたいに感じるよ…
「ああwwwwwあれは私が嫌なことがあった時に爆発させようと思って仕掛けておいた爆弾を爆発させたんだwwwwwwwwwwww差身と別のクラスにした高校に粛清をwwwwwwwwwwwww」
沙織が病んだ笑みを浮かべながら懐かしい過去を語るように言った。
沙織!お前!あの時はしらばっくれてたくせについに認めたな!
怪我をした人もいたみたいだぞ!
みんなの学校をめちゃくちゃにして!お前あらかじめ忍び込んで学校に何してるんだ?
まさか他にも色々仕掛けてないよな?
「お前か!お前が学校を爆発させたのか?!凄いのだ!学校はなくなった方が良いのだ!あの時は助かったのだ!」
急に大きな目を輝かせるその子。
それを見て病んだ笑みを浮かべながら満足そうにうなずく沙織。
2人の心が邂逅していくようであった。