第１７５話「本物」の順番ｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
僕がレジャーシートに座ると、その子が一瞬怯えた表情になり急に僕から跳ねのくように距離をおいた。
「おおおおおおおっ！おいっ！どうしてその女の方に座らないのだ！いきなり私の真横に座るとはどういうことなのだ！」
その子の大きな目は不審者を警戒するようにギラついた「本物」の目だった。
「だって沙織が端の方に座ってるから２人の間に座るしかないじゃん…」
そこまで大きいレジャーシートではないので３人座るには少し狭い。
必然的にその子の真横に座ることになるんだけど、座れと言ったのはその子なんだけどなあ…
「おかしいのだ…真横に座るイベントはこんなにも急にやってくるとは知らなかったのだ…」
目に涙をうるませ小刻みに震えながらつぶやくその子を、ぐったりしてうつむいてた沙織が疲れた顔で病んだ笑みを浮かべながら見上げた。
「おいｗｗｗｗｗｗお前なんでこんなところに座ってるんだ？ｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」
沙織の言うことはもっともだったがその子は両手を上げて怒り出した。
とにかく小さい自分を大きく見せるのが癖になってるっぽいな。
「入待ちなのだ！お前達は私が先に並んでいたのに横入りするからいけないのだ！だからここに座って並ぶのだ！」
「ああっ？！ｗｗｗｗｗｗｗｗｗ入待ちってなんのだ？ｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」
「アニメイトなのだ！お前達もアニメイトに来たに決まってるのだ！」
それを聞いた沙織はめずらしく呆気にとられたような顔をしてその子を見た。
「おい２足歩行のアライグマよｗｗｗｗｗｗｗｗｗこんな時間にアニメイトが開いているわけないし平日の朝からそんなに混むわけないだろうｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗなんで入待ちなんかしてるんだ？ｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」
あれ？沙織がまともなことを言い出したぞ…
沙織の方がまともで他の子の方がおかしいのってあんまりないよな…
いや…最近はそんなのばっかりだな…
「じゃあお前達はなんで来たのだ！私は１番は譲らない！お前達だって来てるのだ！」
「お前は分かっていないなｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ私の仕事は差身に迷惑をかけて引っ張り回すことｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ差身よ…ｗｗｗｗｗ『私のことを忘れないように２４時間怯え続けろ』ｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｓうっひいっひいっひいっひいｈぢいへｆｗくぉいｑｗｆｈｑｗｈｑｗｆ：ｑｗｆｈｑｗｆ：ｇ」
マッドサイエンティストばりに病んだ笑みで狂ったように笑いだす沙織！
勘違いしてたよ…沙織…お前のことを勘違いしてたよ…
もうお前から離れてもいいか？
やっぱり一番異常な「本物」は沙織！！！！お前だったよ！！！！！
「お前、何を言ってるのだ…こんなに優しそうな人に何をしているのだ…」
その子が沙織の「本物」の狂った様子を見て露骨に震えだした。
あーあ、あの子、沙織のせいで完全に怯えて勢いがなくなっちゃった…
基本的に怖がりなのに頑張ってるだけなのかもね。
意外と常識的な部分の方が多そうだな。
「しかしこの２足歩行のアライグマどこかで見たことある気がするなｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗまあ良いおもしろいおもちゃが手に入ったｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」
沙織は病んだ笑みを浮かべながらそうつぶやくとスマホを取り出しどこかにかけ始めた。
「コブ！レオ レオ！チュワイ マー ハー トーン ニー ルーイ ダイ マイ カ！」
あああ…これっていつも沙織の周りにいる武装した東南アジア系の外国人コブ達と話す時に使ってる言葉じゃん！
すると１～２分もしないうちにいつもコブ達が運転してる白いワンボックスカーが物凄い勢いで飛ばしてきて僕達の近くに急停車した。
そしてコブを含めた屈強な東南アジア系の外国人達が車内から飛びした。
目を丸くして身動きが取れなくなるその子！
病んだ瞳を輝かせる沙織！
「なっ！なんなのだ！」
その子が叫ぶやいなやコブ達にその子は軽々と抱えげられた！
「コブ！ゴーヘッド！メークドーナル！」
沙織が病んだ笑みを浮かべながら満足そうにそう叫ぶと沙織も僕も一気に担がれた！
「拉致なのだ！おまわりさん助けてなのだ！殺されるのだ！」
その子が目一杯泣きながら暴れてるのだがコブ達には全く通用しなかった。
「このあたりの警察はパパと仲良しｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ警察は無力ｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」
なんか沙織が病んだ笑みを浮かべながらとんでもないことを言ったような気がしたんだけど、法治国家日本は一部のお金元の人達なら何でも許されるってことなんですかね！
明らかにこれ犯罪！
というか沙織！お前死刑になった方が良いかもしれないよ！
先進国日本のど真ん中で朝から拉致とかヤメテくれえええええええええええええ！！！！！
僕達３人はコブ達に拉致られどこかに運ばれていくのであった。
