第169話「本物」の帰国wwwwwwwwwwwwwww「本物」の金髪リボン編終了
その日の夜は「本物」達と乙姫様、そしてコブらとひとしきり騒いだ。
乙姫様も混ざっているのでなんとも言えないが今日の戦いの祝勝会的なやつだ。
どうやらこの島以外の東南アジア全域が津波で大変なことになったらしいが「本物」達は全く気にしていないようだった。
あのあと看護服の沙織と宇宙服の沙織はすぐに帰っていった。
任務完了といった感じで去っていったんだよな。
翌日僕達は日本に帰ることにした。
僕は十分遊んだというか疲れ切ったので、この「本物」だらけの危険な島から脱出できて良かったんだけど、沙織達が「色々準備などがあるwwwwwwwwwwwwwww」といって帰国を早めたのだ。
帰りの飛行機の中では海に連れ去られる僕を救った功労者ということで清城京が僕の横に座ることになった。
それには沙織もめずらしくそれを勧めてきて他の「本物」も余裕な雰囲気であった。
島を歩く時、バンコクの空港から飛行機に乗り込む時、清城京は僕の手を握りしめていた。
ピンクの淫乱オーラをまといながらずっと清城京は絡んできたが飛行機の中ではしおらしくしていた。
僕の手を握りしめたままあまり喋らなくなってしまった。
それは僕にとって意外な感じがしたんだけど、元々清城京は控えめで礼儀正しい女の子なんだよな。
「差身様…」
そうつぶやくように言った清城京は僕に目を合わせることなくうつむいていた。
「こうして差身様の横にいるのが信じられないのですけれどもとても落ち着きます。でもなんだかすぐに差身様が私から離れてしまいそうで怖いです…」
まあ清城京も良い家庭環境じゃなかったし色々不安になってしまうんだろうな。
だからこそ僕のことも執拗に関していた側面もあるのかもしれない。
「大丈夫だよ。もうこれからずっと一緒だから」
僕がそう言うと清城京の表情が少し緩んだような気がした。
「そうですね…もうすぐ世界の崩壊と引き換えに差身様と暮らせる新世界ができるのですから…」
ゆったりと清城京は僕の手を握り直した。
ああ…なんか忘れてたんだけど、とてもとても嫌な予感がするんだよな…
差身補完計画もなんだか分かってきたけど相当やばいやつだぞ…
でももう疲れてたからあとで考えることにしよう。
僕の手を握ったまま、清城京は目を閉じ眠り始めた。
それはこの騒ぎが終わり、自分の中で何かが昇華したような安心した寝顔だった。
がくりと横を向いた清城京のキレイな金髪がサラリと流れた。
「本物」の金髪リボン編 完