第168話「本物」の静かな海wwwwwwwwwwwwwww
海はただ静かだった。
潮騒がどこまでも続いていく。
太陽は高く登り全てを焼き尽くしていた。
乙姫様はそのまま浅瀬に倒れ込んだまま動かなかった。
それを僕と回復した「本物」達が取り囲むようにして見下ろしていた。
乙姫様を遠距離盗撮した清城京をみんなが褒め称えていたんだけど、そのうち乙姫様を陸地に引き上げて助けようかという話になって、乙姫様は陸地より海の中の方が良いのではないかと僕の沙織が言ったのでこのまま見守ることにしたのだ。
看護服の沙織と宇宙服の沙織は「ここまで見れれば良い。懐かしかった」といいそのまま帰っていった。
あの2人は僕達の未来をすでに知ってるんだよな。
懐かしく思いつつも、どこか僕達の動きを監視しているようにも見えるんだよな。
そのうち乙姫様は何事もなかったかのようにゆっくりと立ち上がった。
さすが不死身のリヴァイアサン。なんだかんだで生き返るんだな。
それを見ても「本物」達はあまり慌てる様子もなくじっとしていた。
もう「本物」達にも乙姫様にもお互いを憎み合っている様子はなかった。
思い切りやりあった分、確執は消えているようだった。
「世界が終りを迎える時、食べ物として神々に供えられる存在…」
天使がいつも通りの無表情でポツリとそう言った。
「おいwwwwwwwwww乙姫wwwwwwwwwwwwwwwwwwお前の負けだwwwwwwwwwwwwwwwwww」
僕の沙織が病んだ笑みを浮かべながらそう言うと乙姫様は静かに頷いた。
「私の負けだ。だがこの世界全てが終わりに向けて回り始めたのだ。均衡は崩れた」
「そんなことはどうでもいいwwwwwwwwwwww我々が差身との世界を作り上げるだけのことだwwwwwwwwwwwwwwwそれより動けるならちょっとこっちに来いwwwwwwwwwww話があるwwwwwwwwwwwww差身よwwwwwwww少し待っていてくれwwwwwwwwwwwwwww」
僕の沙織はそう言うと僕を制し乙姫様と「本物」達を連れてジャングルの中に入っていった。
あいつらどこ行ったんだ?
僕を遠ざけるようにして行っちゃったけど一体何しに行ったんだ?
しかし時間はさほどかからなかった。
2~3分もするとジャングルの中からみんな出てきたんだけど、ずいぶん仲良さそうになっていた。