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幼馴染みの彼女が僕を殺しにやってくる!  作者: ぱんだ祭り
「本物」の金髪リボン編wwwwwwwwwwwwww
130/204

第130話「本物」の紙袋wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

 身動き一つせずに無言で立ち尽くす紙袋の人。

 間違いなくさっき屋上で網に絡まっていた金髪リボンの女の子が、頭から紙袋を被っているんだろうけど、そのサイコな異様さに僕は言葉を失っていた。


 だってどう見ても猟奇的殺人者じゃん!

 めっちゃ紙袋を被った姿が「本物」過ぎて声が出ないよ!

 また新しい奴が出た!また新しい奴が出た!

 次から次へと想像もできない「本物」がこの学校に現れるのは何故?!

 どうして僕から健全な高校生活を神様は遠ざけるの?

 あっ!そういえば神様は僕達が殺しちゃったんだよね!

 もう祈ることすら許されないよ!


 だがしかし精神が狂ってきた僕と違い、若菜ちゃんと天使は全く動揺した様子もなく平然としていた。


 さすが「本物」だよ!

 この程度のことでは何も感じることができないんだね!


「沙織…何で紙袋被ってるんだ…」


 僕が何とかこの「本物」の流れを断ち切るように沙織に話しかけると、沙織は病んだ笑みを浮かべながら腕組みをし目をつぶった。


「差身wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwあれだけ昔から盗撮されているのだから気がついていると思うがwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww金髪リボンは差身のことが好きなんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwそして我々には考えられないことなのだが金髪リボンは差身が好きだから差身に近づけないんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


「えっ?!だってさっき僕のことをあんなに嫌がってたじゃん、僕のことが好きなわけないよ」


 さっき屋上で僕が近づいただけで泣き叫んだ金髪リボンの女の子。

 僕が好きだったら露骨に嫌がったりしないと思うんだけどなあ。


 だがしかし沙織は腕組みを解き目を開くと、どこからかコンバットナイフを取り出しクルクルと回し始めた。


「ああwwwwwwwwwwwwwwwwwwだが我々の尋問を受けた金髪リボンは『恥ずかしくて差身様と話せない』と言っていたぞwwwwwwwwwwwwwwwww私は差身が私のことを忘れてしまわないか心配だから金髪リボンの言うことが良く分からないwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww私は差身から離れるのが怖いが金髪リボンは差身に近づくのが怖いんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwだろ?!ん?!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織は紙袋被った金髪リボンの子にコンバットナイフを突きつけると、その表情は見えないもののどこか怯えた感じで紙袋被った金髪リボンの子は後ずさりした。


「沙織…本当なのか?だいたいこの子は全く話さないじゃん。そんなこと本当に言ったのか?」


「もちろんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww今まで私がニャンパスし消してきた差身に近づくビッチども中にはそういうタイプも多かったwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww差身に近づけないのに差身が好きというニャンパス史上最大の謎wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwだが金髪リボンは紙袋を被ることで差身に近づけるのではないかという仮説を立てた私は今まさにここで偉大なる実験をし実証したwwwwwwwwwwwwwwニャンパスwwwwwwwwwwwwwwwwwwww紙袋を被れば金髪リボンは差身に近づいてもある程度落ち着いていられるwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織は紙袋を被った金髪リボンの子からコンバットナイフを突きつけるのを止めると、一瞬にしてどこかにコンバットナイフをしまいこんだ。


 ああ…何かわかってきた気がするよ…

 まあ好きな人に会うのが恥ずかしいっていう気持ちはあるよね。

 見ているだけで緊張したり、自分が好きなことを知られるのが恥ずかしかったり。

 あと人と会うのが苦手な人とかがサングラスかけてたりするけど、それと同じで紙袋を被ることによって周りがよく見えなくなるし自分も隠れているような気分になるから金髪リボンの子も落ち着きやすくなるのかもね。

 

「分からない。私達は差身君が寝ている時もみんな自主的にパトロールしてるのに」


 天使はいつも通りの無表情で小さくそう呟くと、再びボーっとした感じで自分の世界に入り始めた。


「天使…パトロールってなんだ…」


 物凄く不穏なことを言い始めた天使を震えながら僕は見たんだけど、沙織が天使に「それは秘密だから言ってはいけない」という感じで目で合図を送りながら抱きついた。


「おっとwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww差身は気にしないでくれwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww我々は差身を24時間いつでも殺せるようにパトロールしてるだけだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織がそう言うと若菜ちゃんが不安そうに割って入ってきた。


「もう駄目だよ。ツインテールが第2夫人になったから若菜は3番目になっちゃったよ。金髪リボンは私の後だよ。差身補完計画が大変なことになっちゃうよ」


 若菜ちゃんが心配そうにあんまり良くわかってなさそうな顔で笑いながらそう言うと、天使は沙織に抱きつかれた状態なんだけど慌てる様子もなく無表情のまま若菜ちゃんを見た。


「金髪リボンは差身補完計画の契約をしていない。だから金髪リボンは関係ない」


 天使の言葉に若菜ちゃんはめっちゃ安心した様子で笑い出した。


「そうだよ!金髪リボンは差身補完計画には入ってないんだよ。これ以上人数が増えたら差身君の体が壊れちゃうよ」


 おい若菜ちゃん…その「差身補完計画」っていうやつ…

 前々からよく耳にしてるんだけど、一体何が行われようとしているんですかね!!!!

 僕の体が壊れるって言いましたけど、絶対ろくでもない計画なんですよね!!!!


「まあまあみんなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww今日はそれよりも大事なお知らせがあるんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織は天使から離れると自分のカバンからA4サイズの紙に印刷された書類をみんなに渡してきた。

 

 その書類は遠足のしおりみたいなもので「南の島ツアーまとめwwww」と書かれていた。

 何だか僕に渡してきた紙は2枚しかないんだけど、他の「本物」達に渡している紙の枚数が妙に多いのはただの偶然なのかな!


「おい!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww金髪リボンも来るんだ!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwお前の大好きな差身様と南国の孤島でニャンパスできるチャンスだぞwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織は病んだ笑みを浮かべながら紙袋を被った金髪リボンの女の子にも紙を渡すと、紙袋越しに金髪リボンの女の子はじっとその紙を見つめていた。


 僕は沙織から渡された紙を読んでみると、みんなでゴールデン・ウィークに沙織のお父さんが所有する南の島へ旅行する日程などが書かれていた。


 あれ?これって沙織がみんなを誘って旅行に行こうとしてるのかな?

 まあどうせ資金源は沙織のお父さんなんだろうけどね。

 でもこうして「南の島ツアーまとめwwww」を予め用意し配ってるということは、もしかすると金髪リボンの子を今日投網で捕まえるのも沙織の計画に入っていて、金髪リボンの子も南の島に連れて行くつもりだったんじゃないのかな?

 始めから計画してなきゃ、金髪リボンのこの分も含めて「南の島ツアーまとめwwww」を作ってこれるわけがないからね!

 もしかすると沙織も大勢で何かするのが楽しくなってきたのかな。

 この数週間でかなりの成長だよ。

 あまりにも「本物」過ぎて、金髪リボンの子を巻き込んでく方法が異常極まりなけど、沙織が僕以外の他人に積極的に関わろうとするなんて本当にめずらしいよ。


「金は心配するなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww先日ツインテールのゲームで集めた武器等を売り得た金だwwwwwwwwwwwwwwwwwwつまりは我々が稼いだ金wwwwwwwwwwwwwwwwwww我々の力で南の島へ行くwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwさあこれから私の部屋で会議を行うwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww議題が山積みwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww金髪リボンも一度帰って数日は暮らせる荷物を持ってくるんだ!!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 またまた勝手に物事を決めて進めていく沙織。

 でも僕以外の他人を旅行に誘う沙織にしてはめずらしくコミュニケーション能力溢れる行動。

 だが「本物」は「本物」…

 沙織が動いた以上、ただ旅行するだけで済むはずがないと、僕はまだ気がついていなかった…

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