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幼馴染みの彼女が僕を殺しにやってくる!  作者: ぱんだ祭り
「本物」のツインテール編wwwwwwwwwwwwww
122/204

第122話「本物」の消えたツインテールwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

 はい!出た!いつもの沙織の決め台詞!

 絶対今回のことも忘れないよ!

 これだけ狂った「本物」の事件を忘れられないから!

 死ぬまで僕の心にトラウマとなって蘇るよ!!!!

 というか、このまま僕達、岸根公園の地面にたたきつけられて死んじゃうんじゃないの?!

 おまえたち!!!!少しは後先考えてから行動してくれえええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!


 しかし、地面が1m位まで迫った時、僕達の体はふわりと何か優しく大きな力に受け止められた。

 そして、そのままゆっくりと地面へと着地した。


「さすが宇宙服の沙織が作った『本物』の制服wwwwwwwwwwwwwwwwwwww大洗学園の結束力と秋山殿の魂wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwこの程度の落下ならダメージを受けないんだなwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 僕の沙織が病んだ笑みを浮かべながら感心したようにそう言った。


 あー、そういや、そんな高性能な「本物」の制服を着てましたよね…

 この高さから落ちても、全く衝撃すら感じないとはどんな仕組みなんですかね…

 

 真っ赤な魔界の空を見上げると巨大なセンターは宇宙に向かって発進していった。

 どうも単なる建物であったわけではなく、宇宙船として作られたものだったのだろう。

 センターが魔界の空の彼方に消えていくと、空は青く澄み渡り周りも元通りに戻っていた。


「ああ…やっと全部終わったんだな…」


 僕が空を見上げたまま独り言のようにつぶやくと僕の沙織が病んだ笑みを浮かべ声をかけてきた。


「差身wwwwwwwwwみんなでゲームをして楽しかったなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwまたそのうちやろうwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 僕の沙織は満足そうに何度も頷くと、僕の喉元にどこからか取り出したコンバットナイフを突きつけてきた。


 ああ…僕の沙織の口から「みんなでゲームをして楽しかった」なんて言葉が聞けるとは…

 めちゃくちゃではあるけど、これはこれで僕の沙織の成長に繋がっているんだろうね。

 だんだん僕以外の人達とも仲良くなれるようになっていけば、沙織も社会の中で生き抜いていけるよな。


「のわああああああああああああああああああああ!!!大変だよ!差身君!ツインテールがいなくなっちゃったよ!!!」


 若菜ちゃんがかなり慌てた様子で僕のところに駆け寄ってきた。


「あれ?wwwwwwwwwwwwwwwwwツインテールが見当たらないなwwwwwwwwwwwwwwwwついでにいうとエロナースの沙織も見当たらないがあいつは大丈夫だろうwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織があたりをどこからか取り出した高そうな双眼鏡で周囲を見渡したんだけど、ツインテールの影が見つかることはなかった。

 確かにどこを見ても天使の姿がない。

 あいつは小さいしめっちゃ軽そうだから、どこか遠くに吹き飛ばされてしまったのだろうか?

 おかしいな…何だか僕も不安になってきた…

 

「天使を置いていくわけにいかないからみんなで探そう。この制服を着てるから怪我したりはしてないはずだよ!」


 僕が沙織と若菜ちゃんに声をかけると、2人共使命感にあふれた顔で「うん!」と元気よく頷いた。

 それから僕はセーラー服を着ていると逮捕されそうなので、調査兵団の制服に着替えた。

 3人で岸根公園内を探したんだけどどこにも天使はいなかった。

 沙織はスマホでコブ達を呼び出し、みんなで岸根公園の周辺も探すことにした。

 でも、どこを探しても天使はいなかった。

 警察にも電話したんだけど「『本物』の魔界」が街を覆い尽くした関係で、忙しいのか天使を捜索してもらえなかった。

 そのうち日も暮れてきて、僕達も疲れきってしまったので、一旦天使の捜索は止めることにした。

 帰りは運転が得意なコブの車に僕達は乗って沙織の豪邸へ帰ったんだけど、何だか少し物足りない感じがしていた。

 それは僕だけではなく、沙織も若菜ちゃんも同じ気持ちみたいでどこか浮かない顔をしていた。

 一緒に戦っていた天使がいない、その喪失感が大きかった。

 無表情でほとんどしゃべらない天使ではあったが、一緒に戦っていく中でかけがえのない「本物」の友達になっていたのだ。

 そばにいるのが当たり前になっていたけど、いなくなってみると天使と戦ったりしているのがめっちゃ楽しくって、天使に頼っていたところもあったんだよなと気づかされる。

 自分の心の大事な部分が欠けたような、失ってはいけないものが消えてしまったような、どうにもならない寂しさに僕達は囚われていた。


 沙織の豪邸へ戻り、各自シャワーを浴び着替えて沙織の部屋で色々話していたんだけど、沙織が不吉なことを口にした。


「差身wwwwwwwwwwツインテールはセンターに残っていて宇宙に飛んでっちゃったんじゃないのかな?wwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織がとんでもないことを口にしたので、僕はドキッとしたんだけど、でも冷静に考えるとその可能性もなくはない。


「いや、沙織、そういうことを考えるのはやめよう。きっと天使はどこかにいるよ。宇宙に飛んでいったなんてことはないよ」


 僕は自分の不安を打ち消すようにそう言ったんだけど、沙織は病んだ笑みを浮かべながら首をひねっていた。


「でも差身wwwwwwwwwこれだけ探したのに見つからないということはwwwwwwwwwwwwwww宇宙にでも行ったとしか思えないのだがwwwwwwwwwwwwwwwwww」


「若菜も沙織と同じことを考えていたよ。宇宙に行ったから見つからないのかもよ。ツインテールはお星様になったかもって若菜は考えていたよ」


 若菜ちゃんもめずらしく少し難しそうな顔をしながらそう言った。


「うーん…そうだね…」


 僕も返す言葉がなかった。

 もしかすると、本当に宇宙に行ってしまったのかもしれない。

 僕は深く溜め息をつくと、天使の顔を思い返した。

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