第102話「本物」の教会wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
宇宙服の沙織が去った後、僕達はガルム戦車に戻り唯一神がいるというセンターに突入しようとしていた。
「のわあああああああああああああああああああああっ!!!!今度は私がゲームをやるよ」
若菜ちゃんはゲーム機のコントローラーを握ると、テレビの画面をあんまり良くわかってなさそうな顔で笑いながら見つめた。
テレビの画面には「センターに突入する」のコマンド一択のみが映しだされていた。
「じゃあセンターにいるリア充を殺しに行くよ!」
若菜ちゃんはめっちゃ楽しそうにそう言うと、「センターに突入する」をゲーム機のコントローラーで決定した。
ガルム戦車は物凄い勢いでかけ始めると一気に飛び上がり、頭からセンターの壁をぶち破り中に侵入した。
このガルム戦車、見た目からして一体何でできてるか全くわからないんだけど、めっちゃ硬そうなセンターの壁をぶち破るくらいなんだから、相当丈夫な何かでできてるんだろうね。
だけど、柔らかく変形するし、野生の犬のように躍動感溢れる走り方もするし…
おかしいよなあ…ガルム戦車の体全体が意思を持って、自分自身の体を変形させてるみたいだよ。
「ガルムが強くなってる」
天使はアームターミナルに接続されているゴーグルを下ろしたまま、そこに映しだされたデータを見ながらポツリと言った。
「若菜ちゃんwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww面倒だからどんどん殺して行こうwwwwwwwwwwwwwwwww悪魔が現れたらツインテールがガルム戦車で攻撃し私と若菜ちゃんと差身は外に出て戦うんだwwwwwwwwwwwwwwww4人の愛が今…力になる!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
病んだ笑みを浮かべる沙織がゲームのシナリオを無視して「本物」の作戦を話し始めたので、大丈夫なのかと思い沙織に声をかけた。
「おい、沙織。こういうゲームって殺してはいけない人とか助けなきゃいけない人とかいるんじゃないのか?ただ殺すだけのゲームなんて普通はないんじゃないか?そうしないとクリアできない気が…」
「差身wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwわけわからないことを言ってるんじゃねえよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwさっきも言った通り我々ニャンパスさんチームの前に立ちはだかるものは全員殺すwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww一般市民だろうが囚われの姫だろうが関係ないwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwなるべく早く唯一神殺しをしなくてはならないwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwMXのアニメが始まる前に帰らねばwwwwwwwwwwwwwwwwwwww我々に意味不明なクエストをやらせようとするモブキャラ達も残念だが死んでもらうwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww若菜ちゃんしばらく真っすぐ進んだら左に曲がってくれwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
沙織はスマホで何かを起動すると、スマホの画面とテレビの画面を見比べながら若菜ちゃんに指示すると、あんまり良くわかっていないような顔で笑いながら若菜ちゃんは頷いた。
「わかったよ。きっとこの建物もリア充が作ったに違いないよ」
若菜ちゃんはやっぱりあんまり良くわかっていないような顔で笑いながら、ゲーム機のコントローラーを操作し始めた。
それからメチャクチャな戦闘シーンが繰り返されていった。
移動していく中で戦闘が開始するとガルム戦車を中心にして、それを挟むように沙織と若菜ちゃんはフォーメーションを作った。
そしてガルム戦車よりも後方から問答無用であらゆる悪魔達を殺していった。
ガルム戦車よりも前に出ると、ガルム戦車の攻撃に巻き込まれて沙織と若菜ちゃんがやられてしまうのと、沙織が持つM16-A4も若菜ちゃんが持つミニミ軽機関銃も多少距離があっても余裕で射程距離内に収まるので、下がって撃ちまくった方が悪魔の攻撃を受けることがないのだ。
ゲームって交代交代で敵と味方が攻撃しあう感じだと思うんだけど、沙織達は物凄い強い火力で悪魔達を一方的に死ぬまで追い込んでいった。
どっちが「本物」の悪魔なのかわからない「本物」の惨劇が繰り広げられていった。
僕のはそんな沙織の横で意味があるとは思えなかったんだけど、必死に悪魔に向かって石を投げ続けた。
多分、見てるだけでも沙織達が悪魔を倒してくれるから大丈夫だったんだ…
でもね!!!!こんな狂った状況下で石でも投げてないとおかしくなりそうだよ!!!!
必死になんかして気を紛らわせていないと、このどう考えてもおかしい「本物」のゲームに耐えらなかったんだよ!!!!!
それにしてもネトゲとかで迷惑かけてる人達よりも酷い気がするよ。
このゲーム内にあってはならない「本物」の武器を持ち込みゲームバランス崩壊させるどころか、このゲーム内のシステム全体を貶めぶち壊してる気がする。
まあでも3人の「本物」達は楽しそうにやってるから良いのかな。
そのうち迷路みたいな場所を抜けると、普通の市街地みたいなところにたどり着いた。
「おいwwwwwwwwwwwwwwwwww武器屋みたいのもあっただろ?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwちょっとこの街で準備を整えるかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwガルム戦車を回復させる必要もあるしなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
僕達はガルム戦車から降りると、天使がアームターミナルを操作しガルム戦車を一旦どこかに移動させ目の前から消した。
それぞれ携帯できる武器は全部装備して、あとはいつも通り僕の無限のバックの中に銃弾とかは入れ、たどり着いた街を見まわった。
沙織は肩からM16-A4を下げながら、余裕そうに病んだ笑みを浮かべ歩いてる。
めっちゃ数々の戦場で生き延びてきた歴戦の傭兵みたいで格好いいですね!!!
なんでお前と付き合っているのか!!
いや?付き合うってなんなのかわからなくなるよ!!!!
幼馴染みの彼女がどうしてあんなでかい銃を持って歩いてるんですかね!!!!
あああああああああああああああああっ!!!!考えちゃ駄目だ!考えちゃ駄目だ!狂う!!狂う!!
「のわあああああああああああああああああああああああっ!!!あそこに教会みたいのがあるよ?あそこに行けば回復させてくれると思うよ」
若菜ちゃんはちょっと先にある建物を指差すと、あんまり良くわかっていないような顔で笑いながらそう言った。
「メシア教徒の教会。唯一神の信者の教会」
天使が無表情でポツリと言った。
「ああwwwwwwとりあえず行ってみるかwwwwwwwwwwwwwwww確かアイテムも売ってたはずwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
僕達はそのまま歩き、教会の中に入っていった。
重い扉を開いた先は、荘厳な造りな広い部屋で、その奥に大きな十字架が掲げられていた。
そして僕達を待ち伏せていたかのように、めっちゃ真面目そうな1人の宣教師が姿を現した。
この宣教師、なんかめっちゃ真面目過ぎて嫌な感じがするね。
なんかこう自分の考え以外は絶対に認めない的な融通が効かない人っぽい。
「すみませんwwwwwwwwwwwwwwww回復して下さいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
沙織が病んだ笑みを浮かべながら会釈をすると、その宣教師は何故か急にめっちゃ怒り狂い始めた。
「お前達は!!!我々の神を貶める異教徒だ!!!直ちにここから立ち去れ!!!」
宣教師は烈火のごとく怒鳴り散らすと持っていた棒のようなもので、沙織を振り払うように引っ叩いた!!!!
その瞬間、沙織と若菜ちゃんの目に黒い影がかかり凶悪な光を放った!!!!
暗黒オーラが燃え上がるように立ち上る!!!!
うわあ、これ、確かに宣教師の人が悪い気がするんだけど、沙織達に火がついちゃったよ。
だけど宣教師もどんな理由があっても、いきなり女の子を殴るなんて酷いよ。
僕達が異教徒だとしてもそんなに怒ること?
自分達だけが正しいと思ってる人達って面倒だね。
沙織達も沙織達で今から何をしでかすかわからないよ!!!!
これはまずいなあと思ってた時だった。
天使が持っていたテイザーガンを迷わず発射し、その宣教師に直撃させた!!!
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」
テイザーガンから送り込まれる高圧電流で小刻みに痙攣しながら、絶叫し倒れる宣教師。
天使は持っていたテイザーガンをそのへんに投げ捨てると、腰に装備していた棒状のスタンガンを手に持ちスイッチを入れると、バチバチと倒れた宣教師の体に高圧電流を直撃させ始めた。
「私の『本物』の友達を殴った。死ね」
天使は無表情ポツリとそう言いながら、宣教師に高圧電流を流し続ける!!!
その天使の目には沙織や若菜ちゃん同様、目に黒い影がかかり凶悪な光を発していた!!!
蒼い凍りつくような暗黒オーラを立ち上らせ、高圧電流で意識が飛び痙攣しているだけの宣教師からスタンガンを離そうとしなかった。
これは…間違いない…
あの目に黒い影がかかり放たれる凶悪な光は…
ついに天使も「本物」になってしまったんだ…
無表情なのに無言の怒りの圧力が天使から伝わってくる。
目から凶悪な光を放つ「本物」が3人。
「本物少女の定理」が最大限に引き出される始めた!!!
どこかから大勢が駆けつける足音が聞こえてきた。
そりゃそうだよね。
宣教師的な人がやられたら、教会全体で襲ってくるよね。
沙織はM16-A4を構えると、部屋の奥にある大きな十字架を銃撃し粉々に破壊した!!!
「おい!!!wwwwwwwwwwwwwwwwメシア教徒!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwぶっ殺してやる!!!!ぶっ殺してやるよ!!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww腐れ唯一神の手先許すまじ!!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
一気に事態は急展開してきた。
もう後戻りはできない。
3人の「本物」達は自分達を殺しに来るであろうメシア教徒に迎え撃つ準備をし始めた。




