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1 プロローグ
日曜日。天候はあまりよくなかったけれど、雨は降っていなかったので男女混合の中学生サッカー地区予選は開催された。矢萩ハルカは小学校から続けていたサッカーで、中学一年にしてレギュラーを射止めた。そして、それは三回戦に勝利し、残すは決勝戦という状況だった。
突然の突風。グランドに散りじりになっていたサッカー少年、少女たちは一瞬目をつぶる。大人たちが何か怒鳴っていた。
「・・・げろ。逃げろ!!」
ハルカは、はっと我に返り、目をこらして風の方を見た。
(竜巻!!)
テレビで見たことはあったけれど、現実に見るとひどい。あらゆるものを巻き上げていくのがよく見えるその上、その竜巻は右に左に揺れながら、グランド内に進入してきた。ハルカは、きびすをかえして建物の方へ走りはじめたが、竜巻のスピードは見た目以上に早かった。
呆然として立ちつくす相手方の選手に竜巻が迫る。ハルカの体は、その呆然とした少年に突進して突き飛ばした。そして、自分の体が不意に浮き上がったと思ったら、いっきに何かに引っ張られる感触に意識が吹き飛んだ。




