表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鋼の火  作者: 古代紫
21/39

研究フロア

 多くの大人の兵士が塔の中を走り回る。灰色を基調とした赤茶色のさびがある金属製の階段を上ったり下りたりする音。同じく金属製の茶色い汚れた通路をせ走る足音。白の塗装がはがれて、灰色の汚れた壁をむき出しにしている通路を大人の兵士たちが『不審者』を探して走り回る。


 館内放送が聞こえる。隊を分散させて『不審者』を探せとの指令が兵にいきわたる。兵たちは隊を分散させて塔内を探し回る。警光灯の光と、あわただしい足音、兵たちの怒声が塔内の緊張の糸を張り詰める。

 金属製の廊下を走る大人たちの音と話し声。いなくなったかと思えばまたやってきて、塔のあちらこちらに兵を分散させてラーファを探していることが簡単にうかがえる。


 ラーファの目の前には金属製の壁、左右からも同じような壁に挟まれて肩があたっている。そして真後ろも同じ。

 ラーファは掃除用具入れの中にいた。リュックサックを抱えて息をひそめている。掃除用具入れの扉についている横長の細い隙間から外の様子を見ている。

 ここから出なければ先に進めない。それは分かっている、分かっているけど……出られない。隠れることしかできない。相手は大人の兵士だ。銃を持って出て行けば、たちまち撃ち殺されるだろう。


 ここは143階。頂上まではまだ半分以上ある。それなのに、既に見つかって兵を撃ってしまった。その結果がこれ……塔内全域に警戒態勢が敷かれ、見つかれば殺される立場になった。

 今からなら下の五番隊宿舎に戻って何を聞かれても知らぬ存ぜぬを突き通せるかもしれない。 しかし、その考えはすぐに却下した。下に戻ったら、今までいなかったラーファが突然現れて不審に思うだろうし、もしかしたら『不審者』と言うのが自分だという推測を立てているのかもしれない。

 そもそも、自分は最上階を目指して準備してきたんだ。引き返せない。ここで引き帰したら、もう二度と自分の願いがかなわなくなるような気がする。真っ黒な箱に閉じ込められて、二度とそこから抜け出せなる。この軍に飼い殺される……そんな感じがした。


 だけど、今この掃除用具入れから出ればすぐに見つかってしまう。この塔には隠れる場所はほとんどない。倉庫らしきものがあればよいのだが、それがどこにあるのかなんてわからない。そもそも、そこに誰かいたらそこで終わりだ。

 一番理想的なのは、だれにも見つからずに最上階まで行くこと。けれど、警戒態勢が引かれて兵士が前より活発に動いている今では難しい。

 ひとまずこの掃除用具入れでじっとしているしかない。警戒態勢を解くことは期待できないが、兵士たちがこのフロアからいなくなったら出る。今思いつく作戦はこれしかなかった。

 こめかみに汗が一筋垂れる。もうかれこれ一時間以上掃除用具入れの中でじっとしている。当然掃除用具入れの中には掃除用具……モップやバケツもあるわけで、それに加えて持って来たリュックサックもあるのだ。いくら子供の大きさといえども、こうも物が詰まった状態では息苦しい。

 それでも我慢するしかない。兵士の足音が近づけば息を殺し、そのたび心臓が強く脈打つ。その心臓の音すらも外に漏れてしまいそうだ。痛いくらいに自分の胸を掴んで必死に落ち着かせようとするが、心臓は鳴り止まない。

 やがて、音が去っていくと緊張の糸が一気にほぐれ、大きなため息をつく。汗が噴き出て蒸し暑くなる。足はずっと立っているせいで痺れてくる。それでも我慢して人が完全にいなくなるのを待つ。


 これを繰り返して一時間……頭がおかしくなりそうだった。


 足は震え、狭い掃除用具の中は汗で蒸れて熱くなり、汗でぬれた手で抱えるリュックがずれ落ちそうになる。呼吸も荒くなって体も重い。でも、今はここを出られない。今出てはいけない。

 このまま倒れて楽になってしまいたいという衝動を振り払い、息を潜め、ただひたすら外の静寂が訪れるのを待った。

 『待つ』というのはかなり辛い。しかもそれに『動かない』という条件が付いたならばその辛さは想像を絶するほどのものだ。筋肉は固まり、常に緊張の糸を張り詰め続ける。しかも狭い空間の中でずっと立っていては精神的にも身体的にも地獄だ。

 自分の呼吸音がうるさい。心臓の音もうるさい。足は痛いし腕も辛い。


 二時間。掃除用具入れに隠れてから二時間たった。もうお昼時だろうが、今のラーファはとても食べれる気分じゃない。リュックサックの中に携帯食料があると思うが、ここでは食べれない。

 しかし、これだけ待ったおかげか外の足音が減った気がした。いくら探しても見つからない『不審者』を諦めたという事は無いだろうが、それでも足音は減っていた。そして今、外は波の立たない湖のように静かだ。

 この階にはいないと諦めたか、偶然誰もいなくなったのか? ともかく理想の『誰にも見つからない』という状況ができた。


 多少の不安は残るが、ラーファは音をたてないようにゆっくりと掃除用具入れの扉を開けた。

 涼しい風が一気に掃除用具入れに入り、蒸し暑い空気を吹き飛ばす。息苦しい圧迫感からも解放され、新鮮な空気をいっぱいに吸い込む。ずっと立ち続けて固まった足をほぐすと、それまで流れの悪かった血が全身に駆け巡るような感じがして心地良かった。


 周りに誰もいないことはもちろん、不気味なくらいに何の音もしなかった。誰もいないに越した事は無いのだが、ここまで静かだと罠か待ち伏せが待っていそうな気がして逆に不安になる。

 ラーファは抱えていたリュックサックを背負い、屈伸を三回する。あれこれ考えても先へは進めない。周りに注意しながら階段を昇るだけだ。

 音をたてないように注意しながら、なるべく早く階段を駆けて行った。

 145階。大丈夫、だれもいない。このまま上へ。

 一歩一歩音を立てず、警戒しながら上がり、踊り場から上の階を見る。しかし、そこには146階はなかった。今まではフロア、踊り場、フロア、踊り場の順で出来上がっていた階段だが、本来あるはずの146階がなかった。代わりにあるのはこれまでと同じようななにもない踊り場。そして、上へと続く階段。

 少年の目的は146階ではない。だが、今までとは違った階段の構造には戸惑いを隠せない。クラリスの地図は……146階は無いとは書いてない。146階はあるはずなのに、そこには踊り場しかない。

 これでは上下から誰かが来たときに、挟み撃ちにあってしまう。逃げられるフロアがないのだから、もしそうなってしまったら最悪だ。


 あの二時間で階段とフロアの間に壁を作って、この先に待ち伏せしているとは考えにくい。壁でふさぐなら全ての階をふさぐはずだ。なのに143、144、145階はふさがれてない。となると考えられるのは……元から146階はなかった。


 いや、変に考えるのはよそう。あれこれ推測立てるのはいいが、それで本来の目的を見失っては本末転倒だ。

 ラーファはそのまま階段を駆け上がり、上へと目指すが……147階もなかった。同じように踊り場があるだけ。壁と同じ白いペンキが剥げて所々金属の青黒い色が出ている壁があるだけだ。

 148、149……180階まで上り、やっと今まであったような廊下が見えた。それまで誰もいなかった。146階から179階は壁でふさがれて、挟み撃ちされる可能性があったのだがそれも杞憂に終わり、妙に安心した。


 それに、この180階でちょうど半分だ。長かったが、あと半分。階段を上るにつれ、胸が高鳴るのが分かる。不安や、緊張もあるだろうが、何より自分の願いまでの距離と同じなのだ。自然と気持ちが高まっても無理はない。

 だが、疲れが出始めたのも事実。180階まで荷物持ちでのぼり、二時間掃除用具入れでじっと立って息を潜めていたのだ。服には汗が染み込み、始めこそ落ち着いていた呼吸もだんだんと荒くなってきている。少し立っていた銀色の髪は汗でぬれて肌に張り付いてきた。

 目を隠していた前髪も汗の重さでたれてきた。うっとうしい前髪をかき分けて今まで隠れていた両目が露わになる。表情こそ疲れの色が出始めているが、真っ黒な目に濁りは無く、吸い込まれるような澄んだ色をしていた。

 止まる気なんてなかった。


 静かに階段を駆け上がる。183階にたどり着いたところで、ラーファの耳は他の誰かの足音を捉えた。


 ドクンッ――と心臓が大きく鳴る。


 上の階から誰かが来ている!? 体が一気に熱くなり、恐怖と不安が一気に押し寄せる。

 でも大丈夫だ、今までも落ち着いてやり過ごせた。ここはいったん下の階に降りて、彼らがどの階で降りるのかを見てから階段を上がればいい。

 そう思って下の階に降りようとしたが、すぐに足を止め、183階のフロアの奥へかけていった。

 最悪の状況……挟み撃ちだ。上からも下からも追い詰められたら、この183階で降りてどこかの部屋か、掃除用具入れでやり過ごすしかない。だが、さっきまでいた掃除用具入れは階段のすぐ隣になった倉庫の横にあったものを偶然見つけたのだ。今回も同じように見つかればよいのだが……見渡す限りありそうにない。無機質な金属製の廊下とペンキが所々剥げた壁が伸びているだけだ。

 分かれ道はあるし、部屋もあるのだが、安全の確認もしないまま飛び込むのは無謀だ。だが、クラリスが作ってくれた簡易的な地図ではフロアの構造がどうなっているかまでは分からない。


 右に左に蛇行してなるべく誰もいなさそうな……音がしない方向へ駆ける。だが行きついた所は……。


「……行き止まり」


 自分の運を呪えばいいのか? 途中から分かれ道のなくなった廊下を右に曲がると、灰色の扉が一つあるだけの行き止まりだった。

 体の力が抜けていく感じがしたそれを抑えて、来た道を戻る。急いで戻らないと誰かが来るかもしれない。もしそうなったら終わりだ。逃げ場がない。


 だが、一度失ってしまった運はなかなか戻らないのか? それともこれが必然なのか……廊下の先から聞こえてきたのは大人の足音。一人だけのようだが、確実にこっちに向かってやって来る。


 ダメだ……もう。押し倒せるほど弱い相手じゃないだろう。普通に戦って大人の兵に勝てるわけがない。

 せめてもの隠れ場所は、廊下の突き当りの部屋だけだ。それでも誰かがいたら終わり。鍵がかかっていても終わりだ。

 戦うか、それともドアを開けるか……結論はすぐに出た。

 危険を冒して戦うより、最後の運に頼むしかない。

 ゆっくりとドアノブを回す。鍵は開いていた。少しだけ開けて部屋の中を確認する。掌が汗でぬれているのが分かった。ドアの軋む音が気持ち悪い。


 部屋は真っ白な綺麗な部屋だった。右の方では机と椅子があり、机の上では書類が山積みにされている。部屋の奥の方はガラスで仕切られていて、ガラスの向こう側には大小様々な機会と中央には人一人分が乗れるベッド。その周りにはカメラや照明がたくさんついている。

 部屋の壁には大きなコンピューターがあった。今は起動していないが、壁に埋め込まれているようなコンピューターには画面とキーボードやスイッチがたくさんある。


 でも、だれもいなかった。不幸中の幸いかラーファは部屋に飛び込み、内側から部屋の鍵を閉めた。これなら誰も入って来れない。怪しまれるとは思うが、一時のしのぎにはなる。

 ひとまずは安心だ。誰もいない部屋で少しだけ休んでから外に出よう。誰かがいたらまたこの部屋に戻ればいい。


 そう思ってラーファは背中をドアに預けて地面に座った。額を腕で拭って改めて部屋を確認すると……。


「よう。久しぶりだな、小僧」


 ドアの横に立っていたのは一人の男だ。それも見覚えのある男……。

 ドアを少しだけ開けただけじゃ見えなかったんだ。ドアのすぐ隣のことなんて見えなかったんだ。そして、ラーファが入ってくることを知ってか知らずか、この男はラーファをこの部屋に招き入れた。兵士を使って追いつめ、ここまで誘導させたのもこの男かもしれない。

 この男からは驚愕の色など微塵も感じない。「計画通り」とでも言いたげなニヤニヤした気持ち悪い笑い顔をしている。


 ラーファの頭に少女との記憶がフラッシュバックする。出会ってから少しの間だけ時間を共にして、すぐに分かれた。その時、彼女を連れ去ったのが……この男だ。


 考える前にラーファは腰からナイフを抜き出し、男に向かって腕を伸ばす。自分と彼女の間を引き裂いた男。よく覚えている。頭の中が真っ白になって考えることなんてできなかった。ただ、体がナイフを突き出して、男を殺そうとしていた。

 喉元を狙った一撃は男には届かなかった。手首をひねられ、ねじ上げられた腕を軸に持ち上げられると、地面に勢いよく叩付けられた。

 肺が押しつぶされて中の空気を吐き出してしまい、腕を抑えられ、喉元を締め上げられた。


「久しぶりだっててのにいきなりナイフの挨拶はないだろうよ」


 やれやれと残念そうに言うが、目は全く笑っていない。首を絞める力も緩まない。


 死ぬのか……? あと少しだったのに、もう少しであの子に会えたのに……。それも、よりによってこの男に殺されるのか? 

 腕を振り回そうにも足で押さえられ、首を絞められているせいで力も出ない。持っていたナイフは蹴り飛ばされ、手は届かない。


「お前が不審者だったのか……まぁ予想はしてたけどな。どーせ上のあいつに会いに行くんだろう?」


 あいつ……おそらく、少年が追い求めている少女。銀髪の少女のことだ。

 ラーファは男を睨みながらも、小さく首を縦に振った。


「そんな怖い顔すんなって。悪いことは言わない。やめとけ」

「いやだ」

「即答かよ……」


 呆れたような目でラーファを見る男に、ラーファは一層きつく睨む。が、ラーファの目なんてなんでもないようにあしらう男。

 男は溜息をついてさらに続けた。


「なぁ、俺がミルを連れ去った時、なんでお前を殺さなかったか分かるか?」


 突然投げかけられた質問。怖いくらいに真面目な顔をした男の質問の意味が解らず、ラーファは首を横に振った。


「お前にはな……まだまだ利用価値があるからだよ!」


 男はラーファの上体を起こしてそのまま締め上げた。そして足がつかないくらいにまで持ち上げ、部屋の奥にある灰色のドアへ向かった。

 男がそのドアのノブをひねると、静かだった部屋に空気の塊が外に押し出されていった。

 そのドアの先は……何もなかった。いや、何もないというのは少しおかしい、鉄の踊り場と、上へと下へ続く階段。そして、遠くには海が広がっており、少し視線を落とすと茶色い地面が遠く離れた所にあった。


「外付けの階段だ。これで最上階まで行け。作ってからかなりたつからいつ壊れても知らないがな」


 にやりと笑ってラーファを外の階段の踊り場に投げた。そして、ラーファが持っていたナイフも踊り場に投げた。簡易的付けられた金属製の小さな踊り場で、鉄柵なんか壊れて外れていた。落ちそうになるが何とか耐えて、顔を上げた時にはすでにドアは閉じられていた。


 手すりはない、柵はない。上下に走る階段は本当に鉄板をつけただけ、階段と呼ぶこともはばかられる。いつ壊れてもおかしくない階段だった。


 だが、ここならだれにも見つからない。見つからないが……、


 ラーファは思わず下を見てしまい、非現実的な高さに足がすくむ。ここは地上183階だ。落ちたら生きていられるわけがない。それに、この高さだと風も強くなる。でも、上るしかない。ドアは閉じられたし、引き返すくらいなら……頂上まで登ってやる!


 ラーファは踊り場に転がったナイフを腰に収め、なるべく下を見ないように階段を上って行った。足を踏み外さないように、風に体を吹き飛ばされないように。


 先ほどまでなかった、近すぎる死への恐怖。落ちたら即死。手を階段につけながら慎重に、ゆっくりと階段を上って行った。


◆◇◆◇◆◇


『予想した通りだ。このままあいつとミルを接触させた方がいい。もうあいつは用済みだ』

『は……でもミルを失えば、わが軍の戦力は一気に低下するのでは?』

『ミルはもうだめだ。完全にコントロールできない分緊急時の戦闘を任すことはできない。逃げることがあるからな』

『確かにそうでした。でも、それでも軍に置いた方が得策では?』

『その考えも一理ある。だが、あいつらを西へ誘導させる。上から西への侵攻作戦が伝えられただろう? あいつらをその先鋒にするんだ』

『しかし、少し場から賭けになりますが……そううまくいくでしょうか?』

『ミル以上のものを作っただろう? あいつを使えばうまくいく』

『あ! テオドールですね?』

『そうだ、ミルを逃がしてあいつにテオドールをぶつける。そうすればミルをうまく誘導できるし、テオドールの実戦経験にもなる。なんならミルを壊してもいい。ミルはもう用済みなんだ』

『でも……主任が気にかけていた少年はなんですか?』

『あぁ、あれか……ふふっ。ミルやテオドールとはまた違う、三番目だよ。死んだと思ってた失敗作だが、生きているとは思わなかった』


 183階。研究フロアの一室でラーファを外の階段へ追いやった男は書類の束に目を通しながら笑っていた。


「さて……あんな失敗作が、こんなにも成長するとは思わなかったよ……」


 男は書類を机の上に投げ捨て、腕を伸ばして伸びをした。


「ま、あいつをここまで来させたのは……クラリスだな。あいつの処分を決めないと」


 一人考える男。書類に書かれてあるのは、それまでの実験データと被検体のその後の変化。

 外壁に取り付けられている階段を上るラーファは、この塔の秘密を……まだ知らない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ