序章 始まりの時。
始めまして、
始めて書くので色々不備な点があると思いますがどうか暖かく見守って下さい。
世界はこんなにも狭かっただろうか。
大人になるにつれてだんだんと夢なんてものは無くなってただ自分の能力に合ったことしかできなくて、子供の頃は叶う叶わないなんて考える前に夢を語っていた。
〝みんなを笑顔にするんだ。〟
そう語らなくなったのはいつ頃からだったろうか。
今目に見えている景色全てが白銀だった。
普段は青々と茂った草が見えるはずだがそれすらも見えない、雪は昨日から今朝にかけて降っていたらしい。
ラジオでそう言っていたことを思い出し白い息とともにため息をついた。
親の別荘を無理を言って引き取り、山奥で過ごすこと三年、すでに慣れた景色がいつもと違うのは新鮮だ。
今日二日ぶりに会社に行きその後撮影現場に行く予定だったが予定を変更しなくてはならないようだ。
長靴に足を通して防寒具でそれなりに身を固めると、足を踏み出した。
「うわっ!」
思わず声が漏れてしまった。
足が雪の感触を確かめる前に地面に着いたためにバランスを失ってしまったのだ。
「痛っ。」
転けてしまい尻餅をついてしまったのだがなぜか面白くて笑い出していた。
三時間も歩くと雪がだんたんとうっとおしく思えてくるものだ。
雪は抵抗を強くして足を動かすたびに足に負担をかけてくる。
それでもようやく町に出て軽くホッとする。
そこで、軽トラから雪を掻き出している女性が目に入った。
「おーい、弓華さん、おはようごさいます!」
「あっ、裕也くんおはよう、今日だっけ? 例の神社に行くの!」
遠いため互いに大声で話して普通なら近所迷惑だろうがちょうどよく周りに民家はないのである。
大きな足取りで軽トラまで近づくと弓華さんに改めて話しかけた。
「今日ですよ、朝の四時に起きてきたんですから知らなかった、なんて言わないでくださいよ?」
「それなら連絡くらい入れなさいよ、いい加減裕也君の機械嫌いどうにかならないの?」
「なかなか、ね それより弓華さん、雪はやっときますから社長に連絡とってくれません?」
「いいけどどうして?」
「約束してたんですよ、神社の件で行く前に知らせろって。」
「なるほどね、分かったわ、悪いけど雪の方はよろしくね。」
「はい。」
そう言って弓華さんは軽トラから降りるとすぐ前の会社に入って行った。
頑張ります。