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命題4:頭脳回路の諜報士

予め謝っておきます…

スミマセン…命題3で


「命題4では能力について説明しまーす」


なんて言ってましたが、話の長さ上、命題5になりそうです……(汗)

本当にスミマセンッ!!

と、とりあえずメタなネタが大量に放出されてる命題4をお楽しみ下さい!!

エレメント・キャンプ。

詩乃命名の厨二じみた名前のこの基地は、何故か砂漠の中でぽつんと建つ十数塔のビルで形成されていた。

「……なんでこんな砂漠にビルが……?」

「行ったでしょ? イデアでは存在する人の意志によって世界が変わる。ここに居るのは私が集めた人達で……みんな都会に住んでいる人なの。だから自然と、住む場所は『都会』というイメージを持つ。その結果、都会のイメージを持つ人々が集まったためにこの周辺だけが『都会』の本質を具現化させているの。」

「つまり、逆に田舎出身者が多ければ『田舎』に設定される、ってことか?」

「そういう事。もしオタクが集まっていたらゲー〇ーズやア〇メイトが形成されてたでしょうね。」

「……さいですか。」

相変わらず例えが偏っている笠音だった。

「ま…そんなことは置いといて…こっちよ。」

笠音は、数あるビルの中でも最も背の低くて奥にあるものの中へ入って行く。

「なんでコレなんだ? 他にも日当たりとかが良さそうなビルが山ほどあるのに。」

ロビーを抜けて、階段へと歩いていく。

「あのねぇ…、砂漠の真ん中で日当たりがいいってことが何を表しているかくらい考えなさいよ……。このビルは一番背が低いし、奥にあるから日が当たらなくてちょうどいい気温なの。」

「……なるほど。」

雑談をしているうちに3階まで来た。

笠音はその階の中でも一番大きなドアのあるルームに向かっていく。

「……着いたわ。ここが私達が主に過ごしている部屋、『ザ・ディスカッションルーム』――大会議室よ。」

「そのまんまか!!」

何故英語にしたし。


  ☆☆☆☆☆☆☆☆


大会議室……笠音曰く「ザ・ディスカッションルーム」に入ると、そこには幾人かの人影があった。

「今戻ったわ。」

「…遅かったな。いつもより3分程遅れている。…それに脳波に若干乱れがあるな。おおよそ、そのお前の後ろでコソコソしている奴に肩でも触られて色々とナニかをされブッ………」

「今日もせっせと頭脳諜報ですかはいはい調子いいですねぇ!? ただ調子がいいのはさておき、調子には乗るなッつったわよねぇ? 勝手に人の頭ん中覗くなって言い聞かせてるわよねぇ!?」

「ふぁい……」


解説しよう。

突然饒舌に喋りだした男が奇妙な声と共に黙ったのは笠音が拳銃でその頬を殴ったからだ。

その男をよく観察すると…このビルの日照権はまるで無視されているために暗くて見づらいが、メガネのうりざね顔だった。

目は細めで、知的な感じがする……さっきの発言さえなければ。

で、その男の口には笠音の拳銃が突っ込まれており、半ギレの笠音に色々と脅されてるっぽかった。


「おーい……俺達のことは無視かよ?」


俺同様、そんな光景に付いていけてないヤツがいたらしく、部屋の奥から笠音に声をかけ―――

「――ッ!?」

「なっ?!」

そいつと俺はほぼ同時に声を上げた。

「竹田!?」

「仁科じゃねぇか!!」

竹田。

現在、俺のクラスメートにして、俺の幼なじみの長月奏香の非公式ファンクラブ会員。

即ち。

かつては俺がよく遊んでいた悪友であり、今はファンクラブ構成員として俺を襲撃してくる危険な存在だ。

しかし、それだけじゃなかった。

…竹田だけじゃ無かったのだ。

「何!? 仁科だとぉ?!」

声変わりが終わってない、というか始まってすらいないであろう甲高い声で出てきたのは、やはりファンクラブ構成員の田中。

「つーこたぁ、笠音サマの肩を掴んだのも……仁科、貴様のことかぁ!!」

と、さっきのメガネ男から得た情報を冷静に整理しつつ灼熱のごとく糾弾してくるのは、これまたファンクラブ構成員の北川。


つーか笠音サマって……


「おのれぇ……俺達のアイドル、長月ちゃんとイチャイチャしてると思えば、こんなところでも……!! それも笠音サマとぉ……!!」

最後(であってくれ)に出て来たのは嫉妬で般若のような顔になってる橋岡。


……ヤバイ。

どうやらここはさっきの砂漠より危険だぞ…!!

つーか笠音に撃ち殺されないように選択肢を選んできたのに、どの道ここでデッドエンドじゃねぇか!!

こ……こういうときはなんて言えばいいんだ?

ほらっ!! 数多のエロゲをこなしてきた俺じゃないか!! なにかあるはずだろ、俺!!

………よし、ここは毅然と、冷静且つ不敵な態度で臨めば、きっとあいつらも落ち着くはず……!!


「ふっ……たわいもない」


ぎゃぁぁぁぁぁぁあす!!!!

確かに冷静で不敵だけど思い切り死亡フラグじゃねぇかぁぁぁ!!!!

案の定、竹田達が喚きだした。

「なぁにが『たわいもない』だよ!!」

と竹田。

「ごまかそうったってそうはいかねぇぞ!!」

と田中。

「誰の許しを得てその顔を上げる!!」

と北川。

「そうだそうだ!!」

と橋岡。


それみたことか!!

最悪だ……くそっ!!

やっぱこのセリフは聖杯戦争外でも死亡フラグなのか……!!

つーか北川。まさかお前もf〇te見てるとは思わなかった。

にしても…どうする。

状況はさっきより悪化しちまったし、かといって外に出たら、またあのグロテスクな化け物が出てくるかもしれない。

絶体絶命。


……いや、これは逆に「もう失うものが何もない」と取れば、きっと打開できる策が見つかるはずだ。

いわゆる逆転の発想とかコペルニクス的発想とか呼ばれている奴だ。

そう、今の俺に失うものは何もない!!

そう、もう何も怖く……………こ……怖く………

………………。



やっぱ死亡フラグじゃねぇかぁぁぁぁぁ!!!!!!

畜生!! 出来ることなら過去に戻って窓に手を突っ込む俺を止めたい!!

それはβ世界線への入り口だ!!って知らせたい!!

いや……時間を止める能力でもいい!!

今すぐここから逃げ出して安全な場所に付くまでの時間が欲しい!!

時間よ止まれ!!


―すると、先程のメガネの男がこちらをすっと見やったかと思うと、つかつかと歩いてきた。


た、助けてくれるのか!?と期待したが、この期待は一瞬で崩れ去る。

何故なら、メガネはこう、俺に言ってきたからだ。


「あれー? まゆしぃの時計止まってる~」

「究極の死亡フラグじゃねぇかぁぁぁぁぁ!!!!!! 全世界線を通じて俺を殺す気かぁぁぁ!!!」

「いや……時間を止めたいだとか思考していたようだから、つい、な……」

「『つい』じゃねーだろっ!! 俺の身にもなってみろっ………………て……」

そこで、俺ははたと気付いた。

……何でこいつ、俺が考えてたことを、知っている――?すると、メガネの背後で大袈裟にため息をつく奴がいた。


笠音だ。

「ノゾキ、さっき私が言ったこともう忘れたわけ? また拳銃を口に突っ込まれたいの?」

どうやら、今のセリフは俺ではなくてノゾキと呼ばれたメガネに向かってい言われたらしい。


「む……済まない。いや何、つい能力が滑ってな…」

能力が滑る。

日本語でおk?


ぽかんとしている俺を見て、メガネ――ノゾキは言った。

「自己紹介が遅れたな。俺は野溝智揮。人からは略してノゾキ――あるいは『頭脳回路の諜報士<ブレイン・ハッカー>』と呼ばれている。趣味は自身の能力で他人の思考をハッキングすることと、それで人をいじる事だ。」

なんつー趣味だ。

「好きな食い物は――あえて言うなら他人の不幸」

「不幸!?」

「他人の不幸を見ると飯が旨い。」

「いい趣味してんなぁアンタ!!!」


……ダメだ……

この場所、まともな奴が一人もいねぇ…!!!

エロゲーマーの俺でさえ霞むような強烈な奴しかいねぇ……。

………俺、ここで1週間も過ごす自信ねぇよ…。

今回出てきたキャラ達


竹田、田中、北川、橋岡


「長月奏香を愛する会」の構成員。

もちろん非リア充である。

竹田は陸上部で足が速く、田中は情報部でパソコンなどの機械をいじるのが得意。


北川は柔道部に所属しており、ガタイがでかく、背も高い。無論力持ち。


橋岡は野球部の幽霊部員。それ以外に特筆すべき特徴無し。



ノゾキ

(野溝智揮「ノミゾトモキ」)

相手の思考を読み取る能力を持つ。

そして読み取った思考に対応した行動をとることで相手を翻弄させるのが大得意であり、本人はそれを至極楽しんでいる。

「頭脳回路の諜報士<ブレインハッカー>」の異名を持つ。

無論この異名の命名は笠音である。

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