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疑問。
昼休み。俺と前野さんは屋上にいた。
屋上は生徒の利用が許されているので、昼休みに限り解放されている。その為、屋上の一角に自販機と赤いベンチが解放されている。
ベンチに腰をかけて、缶コーヒーを一口あおる。口をはなすと重みが消えた。中身がなくなったらしき缶を手前のゴミ箱に投げ入れた。
横で座っている前野さんは、俺の携帯をもって画面を睨んでいた。
彼女には昨日の事を話した。
笑ったまま相づちをうって再度かけたりしてみせた。結果は同じだった。
「本当に不思議ですねぇ...」
眉間にシワがよって呟いた。
「どこの県でもないですし、外国でもなさそうです。ましてや使われていないのに掛かってくるのも可笑しな話。」
"いたずら"だけでは説明出来ないと言うことだろう。
「まぁこういう事もあるのでしょう...」
「はぁ。」
落胆。前野さんは息を吐いた。
昼休みは終了。お互い別れを言って教室へ帰っていった。
何もわからないのは、本当に嫌だ。