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三日。

三時間目、黒板の上部の僅なスーペースに立て掛けた正四角形の時計を見た。後20分も経たずにチャイムがなる。


教室の雰囲気は先生という抑圧的な存在がいない為、友達同士で喋ったりなどもう殆ど休み時間に近い。

俺もそれにあやかって、机に項垂れながら携帯を開いていた。


着信履歴と書かれたアイコンにカーソルを合わせて、決定ボタンを押した。

上から順に最近の番号や名前が表示される。俺は三日前から電話などに使っていないので、必然的にあの番号がでてくるのだ。


ジーっと画面を見つめる


これはなんなのだろう。基本的にはつながらい とこからかけられないし、かからない。

馬鹿でも分かる単純な事が、今の俺には分からない。

理論や考えの答えは異なる真実で崩れる。子供の頃に、おじいちゃんが俺の頭に手を添えて言っていた。


意識が飛んでいたようで、頭に重みで沈んだ事によって視界が戻った。

暖かく軽く柔らかい感触が頭頂部を覆っている。心地よく、心が落ち着く。

「長井くん。考え事ですか?」

聞きなれた声がする。

視線を左に動かすと、そこにはウェーブのかかった長い茶髪が垂れていた。そのまま上へと目を動かす。優しい柔和な笑顔の眩しい前野さんが俺を慈悲深く見ていた。

「ここ最近、虚ろな顔をなされていますね。」

どうやら俺の事が心配らしい。頭に置かれてるであろう手が動き出す。撫でられるのは嫌いじゃない。

「あったけど、前野さんが撫でてくれるので無くなりました。」

「フフ...そうですか」

優しい笑顔が俺の心を洗い流し、柔らかな光が俺を包む。

その笑顔のまま唐突に

「嘘ですね。」

と言った。

「さぁ話して下さい。長井くんの胸の内を...」



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