継続
朝日がカーテンの隙間から、何もない木目の床へと零れていた。時間にして六時半。俺はトーストをかじりながら壁を見つめている。
ボーッとする。今自分の家にいるのに、違う気がしてくる。
「朝だね。」
左肩に顎を乗せたまま田井中は言った。少しくすぐったい。
彼女はテーブルに置いていたマグカップを持って、俺の口へと運んだ。だが首を降って拒否した。
「まだいらない?ココア好きだったでしょ?」
そんなキチガイみたいな事いついった。ココアは嫌いな物ベストテンに入るくらい嫌いだ。
「なぁ田井中。なんであのとき俺を気絶させたんだ?」
田井中は顎をのせたまま答えた。
「秘密ー」
「・・・これからどうするんだよ」
「なにが?」
「人ころしたじゃん」
ふいに彼女は顎を上げて頭頂部に優しく乗り、首に腕を回して抱き寄せてきた。
「気にしなくていい。全部私に任せて」
締まりがきつくなる。
「それが私の為で、長井君の願いだから。」
「俺の?いつ、どんなことを願った?」
一層きつくなり、首を絞められたような感覚になった。息が漏れて、嗚咽が出そうになった。
「そんなことはいいのよ」
声が震えている。
「あなたは私に守られてたらそれで。因果律の運命から」
この時の俺は足を椅子に縛られてなされるがままに首を絞められ、意識が遠のいていた。
薄れていく現実味を感じながら思った。全ては繋がっていたんじゃないかと・・・