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始まりぃー
目が覚める。
カーテンは数年閉じたまま開かれず、暗い雰囲気が立ち込めていた。
テレビ昨日からつけっぱなし、画面では節操なく働く繁華街の様子をアナウンサーがインタビューと銘打って質問をぶつけている。
俺は黙って電源ボタンを押し、ソファーから立ち上がる。
エロ本やコーヒーの缶、そしてぐちゃぐちゃの新聞紙が散らかる部屋を何の抵抗感もなく歩く。
足元のごみを蹴り、洗面台に向かう。
ここは比較的ごみが少ないがいろんな所にほこりが乗っている。綺麗とは言いがたい。
手短なタオルで汚れた鏡を拭いた。そこに映るのは自分の顔。髭やくまが酷い。何より疲労感が顔から滲みでている。
「俺は...」
昨日から学校は行っていない。確かに行けば変わるかも知れない。変わるかも知れないが、現状打破は出きるかも知れない。
俺は蛇口をひねって水をだす。
両手で器を作り、顔に浴びせる。
行こう、学校に。今を変えるために。
意を決した俺は表情を締めなおす